♬  かんかんのう  きうれんす
      きゅうは  きゅうれんす
      さんしょならえ  さあいほう
      にいかんさん  いんぴたい
      やあめんろ
      めんこん  ふほうて  しいかんさん
      もえもんとわえ
      びいほう  びいほう  🎶

町内会は活気にあふれ
盛り上がっていた。

ジュンは
品の良い濃茶の絽の着物を
ゾロリと着て
和菓子屋や表具屋の
若旦那たちと
楽しそうに喋っていた。

ツカサ姐さんも
若衆たちと一緒に
大きな天然氷の上で
冷やしたラムネの瓶を
近所の人たちに
手渡している。

団十郎さん
と、声をかけてきたご隠居は
かんかんのう という
踊りの主催者だ。

昔さんざん
遊んだ遊廓で
花魁たちといっしょに
踊った かんかんのう とは
江戸時代から明治時代に
かけて流行った
俗謡らしい。

口ずさんでいる言葉の
イミはわからないが
リズムが良く、勝手に
体を動かしている皆んなが
楽しそうだ。

古典落語の
らくだ という噺に
出てくる
と、ウンチクを語りながら
ラムネをツカサ姐さんから
受け取り、
甘露、甘露と
美味しそうに飲んでいる。

ジュンは
ラムネを飲みながら
呟いていた。

ご隠居には
勝てねぇ。

勝てないのは
将棋だけでは
ようだ。