まーくん家に着くと、まーくんはすぐに出てきた。

髪はボサボサ。

寝ぼけ顔。

車に乗り込んできたまーくんは、お酒くさかった。

「お酒臭っwww」

笑いながら言う私に、まーくんが言う。

「そりゃそうでしょ、4時間前まで飲んでたんだから…」

「いや、だいたい今日6時出発とか自分が言ったくせに4時まで飲むからでしょ!」

「…そりゃごもっともー。」

2人で笑いながら出発する。

嬉しい。

楽しい。

よかった。

よかったぁー。

中止にならなくてよかったなぁー。

このまま楽しくなればいいなぁー。

そんなことを考えながら、私は車を走らせた。

まーくんは、出なかった。

泣きたくなるのを堪えて、化粧して。

約束の時間から2時間以上遅れた、8時過ぎ。

私は家を出た。


まーくんの家までは、車で10分くらい。

もうすぐ着くっていう時に、諦めきれなくて、信号でもう1回だけ電話をした。



「…はい……」


出た…!!


涙が出そうになるのを堪えて、明るく話しかける。

「まーくん!めっちゃ電話したんだよぉ〜」

まーくんは、寝ぼけた声で笑いながら言った。

「帰ったの…4時だったっぽい…」

…っぽい?

思わず吹き出す。

「自分で覚えてないの?」

「うーん…でも代行でちゃんと帰ってきたっぽいよ、車あるし…」

あきれた。

よかった。

なんだそれ。

おもしろすぎる。

いろんな感情がごっちゃになって、笑うしかないなと思った。

「まーくん、もう着いちゃうよ?」

「マジか…分かった、用意するわ。」


電話を切ると、どっと力が抜けた。

お風呂から上がっても、着信はなかった。

…やっぱり行きたくなかったのかな。

…飲み会で誰かといい感じになったのかな。

…まさか、事故?!

いやな考えばかりが浮かんでくる。

もいっかい、もいっかいだけ。

もいっかい電話してダメだったら、家に行こう。

そして。

帰ってなかったら。

いなかったら。

諦めよう。

もともと、私には勿体無い人だった。

私なんかが釣り合う人ではなかった。

私の思いが届くはずなかった。

そうだよ、もともと友達でいいって思ってたじゃない。

この関係が終わるくらいならこのままでいいやって思ってたじゃない。

まーくんと2人でお泊まりなんて、贅沢すぎたんだよ。

まーくんは優しいから、断れなかったんだよ。

私は覚悟を決めて、深呼吸して、まーくんに電話をかけた。