6月からとある町のカレッジに語学留学していたY君が、もうすぐ帰国するのでと連絡をくれ、ギルフォードまで会いに来てくれました。
久しぶりに会うY君はとても落ち着いていて自信にあふれ、まだ20歳くらいなんですが、この6か月で成長したな、という印象です。
Y君が到着した時に空港まで迎えに行って、ホームステイ先まで送っていった私。
実はホストファミリーと家を見た瞬間、軽い衝撃を受けました。
ホームステイ先が、絵に描いたようなイギリス下層階級の家だったからです。
家はカウンシルハウスと言う公営住宅。収入が低いまたは無かったりする人のために、市が無料で貸し出す住宅です。
家族構成は、シングルマザー+ティーンエージャーの子供2人+おばあちゃん、の4名。
シングルマザーはパートで働いているのですが、一人で動くのがやっとというほど太っています。おばあちゃんは足が悪いのでずっと座っています。上の女の子は義務教育を終えてその後は進学していないようです。下の男の子は中学生。
到着した時、このご家族全員がとってもにこやかに迎えてくれました。
さほど広くない家に4人も住んでいたら普通は余っているお部屋はないはずなのですが、Y君のためにシングルルームが用意されていました。
お部屋を見せてもらった後、お茶を入れてくれたのですが、小さいソファーに家族全員座っているので私とY君が座る場所もなく、ダイニングテーブルの椅子を引っ張り出して座りました。
お母さんもおばあちゃんもフレンドリーでよく喋り、子供達もまあまあ良い感じなのですが、私はもうY君がここでの生活に耐えられるか・・ということで頭がいっぱいで、話も上の空。
お母さんの太り具合を見たら、普段どういう食事をしているのかが想像できるし、最初はフレンドリーな家族が豹変することは今までに何度もあったので当てになりません。日本の中流家庭での生活とはまったく違うイギリス労働者階級(かそれ以下)の暮らしに、Y君が耐えられるか、いや耐えられないだろう、という思いでした。
帰る時もなんかすごい環境の中に置き去りにするようで申し訳なく、後ろ髪を引かれる思いで帰ってきました。
翌々日、恐る恐る電話してみたら・・・
Y君、”皆親切なので、ここにずっといることにします” という思いがけない返事が!
まじですか?!環境よりもホストファミリーが親切なのを優先させたのね!
あれから6か月。
最初の言葉通り、Y君はずっとあの家にいます。
カレッジの寮に移ることも考えたそうなのですが、実際に寮に暮らしている留学生から、ネイティブと話す機会が全くないということを聞き、それならホストファミリーはイギリス人だし幸いよく話しかけてくれるのでホームステイの方が良いだろう、と思ったとか。
その代わり、生活は私の想像通り、若い男の子だから耐えられたのかもしれないが、私のようなおばさんや若い女性なら耐えられない過酷さ。
Y君は、”出発前から期待しないようにエージェントの人に散々言われていたし、もう慣れました” とか。
お母さんは太りすぎていて家事が出来ず、一人でお風呂に入ることも出来ないので、週1回ヘルパーの人が家の掃除をしに来たり、お風呂に入れてくれます。家族全員誰も掃除したり片づけたりしないので部屋は散らかり放題、洗濯物は山積みになっていて週1回ヘルパーがするのだけど追いつかず、Y君は自分で洗濯機を借りて洗濯しているそうです。食事は週3回はテイクアウトのチャイニーズかフィッシュアンドチップスかバーガー。作る時もシンプルなものだそう。
でも家族全員フレンドリーで、英語のわからないY君にもいっぱいしゃべりかけてくれます。誕生日パーティーやクリスマスパーティーなど、親戚の集まりにも参加しているそうです。
久しぶりに会ったY君の英語はとても上達していました。レベルもA2かB1から始めてB2に上がったそう。
カレッジの英語コースは、9月になってすごく日本人が増えたものの、Y君は6月から入学したのでほとんどの日本人が入るクラスより上のクラスに入れたのでラッキーだったとか。
夏休みにはバックパッカーの安宿に泊まりながら、北部やスコットランドまで自転車で旅行したらしい。途中で自転車が壊れて帰りは電車だったそうだけど。
話を聞いていると、6か月と語学留学には短期だったけど、すごく充実した時間を過ごしたことがよくわかる。
よくサイトとかに載っている、”イギリス語学留学体験談” 風にY君の感想をまとめるなら、
”ホストファミリーは部屋は散らかっていたけど、皆親切で良かった。食事はファーストフードが多くてあまりおいしくなかった。クラスはまあまあ良かった。日本人もいっぱいいた。休みの時は自転車で旅行した”
とかになるだろうけど、その裏には数々のドラマがあったのね~。
今後は、日本でいかに英語力をキープするのかが鍵になる。
色々試行錯誤しながら、本来の勉強もがんばりつつ、学んでいってほしいな。
この6か月、色んな人との出会いがあって、色んな事に挑戦して、英語の勉強もがんばった。
不平不満も言わず、素直に色んなことを吸収していったY君。
ギルフォード駅でY君を見送りながら、”あなたの留学、成功だったね!” と思った。
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