6-7歳児のSATsテストの実施に反対して、親が子供を登校させないというニュースを見ました。

 

 

SATsとは何かと言いますと、Standard Assessment Tests という全国統一試験です。

 

 

英国の学校のカリキュラムはKey Stageに分かれていて、4歳~6歳までがKeyStage1、7歳~11歳(小学生)がKey Stage2、11歳~14歳(中学生)が Key Stage3になり、その後GCSE2年、6thフォーム2年、となります。

 

 

Key Stageが終わるごとにSATsというテストが実施され、結果は次に行く学校に報告され、算数や英語などのレベル別クラス分け編成の参考にされます。テストは主要教科である英語、算数、理科、です。

 

 

イギリスの義務教育は4歳から始まり、アルファベット、読み書き、足し算、引き算、理科も少し、習います。”どこまで習得しているかを3年間の最後にテストする事のどこが問題なの?” かと言いますと、

 

 

SATs賛成派ーテストしないと習得しているかがわからない、もし遅れているならこの先苦労することになるので早く追いつかないといけない、読み書きが出来てこそ学問の喜びを知ることが出来る、先生の評価だけでは公平性を欠く

 

 

SATs反対派ーこんな低年齢な子供にテストだなんて子供にとってはストレス以外の何物でもない、リーグテーブル(学校の順位を示す表)やOfsted(政府の学校視察機関)に惑わされるな、この年齢の子供には試験より遊びが重要、先生の評価を信用しろ

 

 

どちらも一理あり?

 

 

日本を含むアジア人から見たらイギリスの学校は生ぬるいので、 ”テスト大歓迎””もっと勉強させて””宿題もっと出して”、その挙句、”いや、学校には頼ってられへんから塾に行かせるか家庭教師つける” になると思う。

 

 

イギリス人ってストレスに対する耐性が・・・本当に低い。

 

 

以前、語学学校の手配したホームステイ先のホストマザーが大真面目に、”I was allergic to stress”(私、ストレスアレルギーなの) と言ったので驚いてしまった。

 

 

allergic to ~ の後には、cats とか nuts とかが来るのかと思ったら、ストレスときた。

 

 

そしてその言葉通り彼女はとてもストレスに弱く、詳しい事情は割愛するが、ホームステイを受け入れるというストレスに耐えられず嫌がらせを繰り返した挙句、最後にはメンタルブレイクダウンを起こしてしまった。

 

 

大人にストレスに対する耐性がないから、子供にもないものと思ってしまっているようなところがあり、すぐに”テスト=ストレス=悪” という図式になる。

 

 

とにかくストレスの素になるものは全て排除。人生楽しけりゃそれで良し!的なところがある。

 

 

まあ、確かにこちらのテストって、日本みたいにすぐ終わらなくて、1週間はダラダラ続くので、ストレス度は高いけど。

 

 

GCSEやAレベルに至っては、毎日テストではなくて週3日とかがダラダラ2か月続くので、蛇の生殺しみたいなところがあり、メンタルを強く持っていないと鬱になりそう。

 

 

しかも日本の学校の中間テストや期末テストなんかとは違い重要度が桁違いで、SATsは次の学校でのセットに影響してくるし、GCSEやAレベルはそれで大学が決まるという、”失敗したら終わり” みたいなところがあり、気が抜けない。もちろんリテイクや一発勝負を回避できるようなコントロールアセスメントもあるんだけど、それも廃止の傾向にあり・・・。

 

 

イギリス人にとってはますますストレスフルな学校教育になっている。

 

 

 



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