「今回は、がんと闘いながらも映画「ブラックレイン」でハリウッドを震撼させた俳優・松田優作さんの“ラストデイズ”を、「龍馬伝」で岩崎弥太郎役を演じた香川照之さんが辿ります。」(ラストデイズ NHKより引用)   21年前、香川さんが新人だった頃、松田さんとテレビドラマで共演する機会があったとのことです。松田さんは、香川さんに「お前はオレになれる」と言われたとのこと。香川さんは、その謎を紐解くため、松田さんの故郷である下関と、映画「ブラックレイン」のロケ現場になったロサンゼルスを旅する番組でした。出自ということに関して、共通点が明らかになってきます。父親がキーワードでした。観た後、これほど有名な俳優であるお二人にも、大きなコンプレックスがあることへの驚きでした。だから、それをバネに壁を乗り越えていくことができたのですね。私も、幼少から学生の頃まで、何の力もなく、なにをやっても人並みにできない自分がどんなに小さくみえたことか。それでも、ここ一番という時は、自分の不甲斐なさにくやしくて、踏ん張って逃げませんでした。私ほどの小さな器でも、この程度やってこれたのですから、コンプレックスは、力の源かもしれません。    

ラストデイズ NHK
http://www.nhk.or.jp/tamago/program/20101222_doc.html
一度、読むと、気になる言葉があります。その時は流しても、また、目に止まるのです。

 「この世で
  いちばん遠い場所は
  自分自身の心である。」(寺山修司)

自分は、なぜ、このような行動をとるのか、また、ある思考にこだわるのか、または、あることに興味をしめすのか、自分のことは、自分が一番わかっていると思いがちですが、実は、一番わかっていないのかもしれません。そして、そのわかっていない自分を受け入れるしかないのです。
「ひき逃げ事件の捜査において、重要な手がかりとなるのが塗膜片の鑑定だ。車のわずかな塗料を顕微鏡で調べ、膨大な車種・製造年の車から、一致するものを探り出す。気の遠くなるような作業だ。池森が出した鑑定結果により、100人を超える捜査員が一斉に動く。間違った捜査方針は、決して出すことはできない。」(プロフェッショナルより引用)     目撃者のいない現場検証。事故現場を、はいつくばって、長時間にわたり事故車の証拠を探しつくす池森氏。生地痕、ブレーキ痕、1mmの塗膜片。先入観を持たずに素直に見る。被害者のために誠心誠意をつくす。さて、私は、はいつくばって、その先の真実を捜そうとしているだろうか。(とりあえず、明日の東京出張、頑張ってきます。)

プロフェッショナル
http://www.nhk.or.jp/professional/2010/1115/index.html
弱気な気持ちになるのは、なぜ。
君の気持ちが、みえなくなったからか。
薄い日差しをさえぎる雨雲が、
急に、ぼくらを流していく。

だまりこむのが、こわくて、
意味のない話を続けて、後ろ姿の君に、
もう、これで終わったのかと感じた。
あの頃の気持ちには、もう戻れない。
ぼくらは、知りすぎてしまったからか。
今度は、夏目漱石の「夢十夜」から紹介されてました。「その男はなぜか大きな客船に乗せられていて、自分がどこへ運ばれているのかわかりません。...船頭に行く先を聞いてみるのですが、答えてくれません。船に乗っているのはほとんど外国人です。男は心細くもあり、このまま船に乗せられているのも意味がないような気がして死のうと決め、海に飛び込みます。しかし、足が甲板を離れた瞬間、「よせばよかった」と思います。高い甲板から海面に達するまではスローモーションのようにかなりの時間があって、その間、男はどこへ行くかわからない船でもやっぱり船でも乗っているほうがよかったと思います。そして、「無限の後悔と恐怖とを抱いて黒い波の方へ静かに落ちて行く」のです。わけのわからないまま時代に流されるのはいやである、さりとて、それに逆らって旧時代にこだわりつづけるのはもっと愚かである、ということです。ウェーバーの言葉を借りれば、「認識の木の実を食べた者は、もう後には戻れない」のです。」(姜尚中著 「悩む力」より引用)    変化し続ける会社や人しか生き残れないと、よく言われますが、ふと、昔のほうが人間的だったように思われることがあります。それでも、現実の世界で食べていくには、私たちは、進歩し続けることしか許されていないのです。