慶良間ダイブを終えて船に戻る。

機材からタンクを外し、所定の場所に置く。

みんなはどこかなー?と重い、船の2階デッキに上がると イッタン、トモオ、太一の3人が寝ていた。


ろびんの旅行記

ダイビング後って、何で眠くなっちゃうんだろうね。


ロビンの気配に気がつき太一が起きる。「おぅ。俺らもうメシ食っちゃったよ」

ロビン一行は、ダイビングショップにお弁当の手配をしていた。
みんなは、沖縄の弁当だから沖縄料理の弁当かと期待していたが、残念ながらダイビングの船上で出される弁当は大抵の場合は普通のコンビニ弁当だ。

以前、船上でランチビュッフェというのもあったが、ビュッフェだとついつい食べ過ぎてしまって、あとで苦しくなってしまう。


太一から弁当を食べたという話を聞き
「えー。ずるい。俺も食べたい」
と言う。ダイビング後であることと、昼過ぎの時間帯が ロビンの空腹感を高める。

えっちゃんは辛そうな表情で、横になった。顔にはダイビングのマスクの跡がくっきりとついている。

「えっちゃんも弁当食べる?」
船酔いの具合を考えると、食べる気はおきないだろうな、と思いながらロビンが聞くと意外にも
「食べてみようかな」という返答。


ロビンは弁当が置いてある1階の船内に移動する。

弁当が置いてある場所を見ると、弁当は2つしか残っていない。

ロビンとエッチャンの分だ。

他のダイバーは各々カップラーメンを食べたり、持ち込んだおにぎり等を食べている。


ロビンは弁当を2つ持ち、2階デッキに運んだ後、再度1階に戻りインスタントミソ汁を2つ準備する。

揺れる船内で湯気の立つ味噌汁を2つ持ち、2階デッキに上がるのは容易ではない。

「持ってきたよー」ロビンは味噌汁を顔色の悪いエッチャン手渡す。

弁当は2つあるが、おかずの内容が少々異なる。
「エッチャンはどっち食べる?」

エッチャンは揚げ物の少ない方の弁当を手に取った。

残った方はロビンの分だ。から揚げとサバの天ぷら?がメインだ。油っこい。


エッチャンはやはり食が進まず、半分も食べないままで
「ごちそうさま」と言った。

もちろん、残した弁当はすべてロビンが食べたわけだが。
さすがに満腹だ。

大した弁当ではないのに(失礼?)、うまく感じるのはなぜだろう。
海の上だからか?ダイビングの後だからか?


ろびんの旅行記


船が再び動き出す。本日最後のダイビングスポットに向けて移動する。船の揺れでトモオが起きる。

「トモオ!なんかしゃべれよ!!」
と起きたばかりのトモオに太一が無茶振りをする。

トモオは何かをしゃべっていたが、中途半端な面白さだったので記憶に無い。


横になったエッチャンのために、トモオと太一がデッキ用のクッションを数枚集めてくれる。

エッチャンはボソボソっと何か言ってクッションの上に横になる。


「もう1本潜りますか?」と三浦さんがロビンに声をかける。

ロビンはエッチャンの様子を見て「今日はもういいです」と断った。

「一本ジメですか」と言いながら三浦さんはフフっと笑いながら3本目のダイビングの準備を始める。



船は3本目のポイントに到着する。相変わらず波は高い。


「スノーケルしたいのでしたらご自由にどうぞ」
とスタッフさんはロビン一行に声をかけてくれた。

「行こうぜ!」と太一がロビンに声をかける。

「俺も行くわ」
トモオが立ち上がり、泳ぎの不得意なイッタンもそれに続く。

「私も行こうかな」
真っ青な顔をしたエッチャンも、まさかのスノーケリング。


今回の旅行で、海遊びが最後になることを 全員が感じたのだろう。


ロビンは早く海に入りたくて、さっさと準備をすませ 海にドボーン!!



船から少し離れたところまで泳いでいき、船に目をやると慎重に海に入っているイッタンの姿が見えた。

ろびんの旅行記


3月7日 12:00


数分 船が移動したところで再び停船した。

島に囲まれた海域とは言え、まだ波が高い。

船が流されないようにか、安定させるためか アンカーロープを5本も引く。

三浦「ロビンさん達は、2本目は潜りますか?」
1本目を潜らなかったロビンとエッチャンに対して聞く。

ロビン「えっちゃんどう?潜れそう?」

「今を逃したら潜れそうもないから行く!」
今でも船酔いで体調は悪そうだが、なんとかいけそうだとエッチャンは言う。

ロビン「三浦さん。俺らも潜ります」

そう言うと、ロビンとエッチャンは潜行の準備を始めた。


ウエイトを巻き、タンクを背負う。
マスクの曇り止めをして、フィンを履く。
久しぶりのダイビングは悪天候の中で行われた。

ロビンの準備が終わり、船の後方のエントリー口を見ると。
なんとイッタンがすでにエントリーしていた。

イッタンの後を追うようにロビンもエントリーする。ドボーン。


イッタンはインストラクター二人に囲まれてロビンとは反対側のアンカーロープに掴まっている。

ロビンはイッタンのダイビング姿を見たかったが、三浦インストラクターに言われた水中の待ち合わせポイントに向けて潜行を始めた。

エッチャンもすでにエントリーして、一緒に潜行を始めた。


相変わらず耳抜きがうまくいかずに、ゆっくりとした潜行だった。

何度か三浦さんが気にして「耳は大丈夫か?」というジェスチャーをしてくれた。

ロビンは少し変だけど大丈夫です。と水中で回答する。


本日2本目のファンダイブ(ロビンにとっては1本目)は、7人のダイバーが同時に潜っていた。

三浦さんの先導で、白い砂原の上にどでかく居座る根にたどり着いた。三浦さんはスレートに「この辺で遊んでいてください」と書いて見せてくれた。

以外に適当なのね。


いつもダイビングをすると、インストラクターの人がいろんな魚や生物を見つけてくれて紹介してくれるんだけど、彼は僕らを自由に遊ばせてくれる。

ロビンはエッチャンの位置を確認しながら、群れている魚の中に入っていく。
魚の仲間になった気分だ。

水面に目をやると、海面がきらきらと光っている。
水中から見る海面が好きだ。


鈴の音が聞こえる。
三浦さんのほうを見ると、鈴を振っていた。
「こっちに付いて来て」の合図だ。

砂地に沿って徐々に深い海に入っていく。
青の色がひときわ濃く見える。

ダイビングコンピューターを見ると、水深は20m程度。
ここにも根がある。
しかし残念なことに、特別な魚は見当たらない。


三浦さんがスレートに「この辺で遊んでいてください」と書いて見せてくれた。
ひょっとしてさっき書いたやつを消してないのか?


ろびんの旅行記


自分の呼吸が見える。青い海の中に溶け出しそうだ。



三浦さんがロビンを呼び止める。
「二人の写真取りますね」という雰囲気でカメラを構えてくれる。
ロビンはすぐ横のエッチャンのタンクを叩き 呼ぶが気がつかない。
三浦さんもエッチャンを呼ぶが気がつかない。

(まぁ。気がつかないんじゃ、写真はいいや)と思っていると、三浦さんは 背を向けて泳ぎ始めたエッチャンのフィンを掴み、グイと引き寄せる。

前に進めないエッチャンがびっくりして振り返ると、三浦さんはニコっとしてカメラを構える。

パシャリ。写真を撮ってもらう。


最初の根の周りに再度移動して、自由時間。
ミノカサゴが唯一ちゃんと撮れた写真。

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40分程度潜ったあと、5分間安全停止をして浮上した。

エッチャンが先に船の後方に下がっているハシゴに足をかけた。

ロビンは下からエッチャンのフィンを外す。

エッチャンが船に上がった次にロビンが上がった。

水中から水上に上がる瞬間に現実に戻される。
急に重力が襲い掛かる。


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やはり、海の中は別世界だ。僕らは海の中でも生きている。地球の中で生きている。



3月7日 AM11:00


イッタンが海面を行ったり来たりして、自分の泳ぎを確かめている。

ロビンはそれを見ながらトモオと太一が潜行する姿も見ていた。


海の中に、白と黒のシマ模様のウミヘビが見える。おっと、気をつけないと。

ロビンはイッタンにウミヘビを注意するように言おうと思ったところ・・・

ウミヘビが水深5mくらいのところから急に水面に向かって泳ぎだした。クネクネと。

その先にはイッタンの姿が!!イッタン危うし!!

今からイッタンに大声で注意するか?
それとも放っておくか?

変にイッタンを焦らせて溺れても大変だし、暴れてウミヘビを刺激しても大変だ・・・。
とりあえず様子をみることにした。

ドキドキ

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すると、クネクネと上昇してきたウミヘビはイッタンの足のすぐ横で水面に顔を出し、口をパクパク動かして すぐに水中に戻っていった。クネクネと。

ほ。呼吸しにきただけだったか。


ロビンはイッタンの近くまで泳いで行き、ウミヘビがいることを伝えた。

ダイビングで潜ったときに見つけても手を出さないように注意もしておいた。


ふと船の方に目をやると、太一とトモオがアンカーロープを伝って潜行をしている。

体験ダイビング2名に対して、インストラクターも2名体制だ。手厚い。

水深5mほどのところで止まって、インストラクターに何かを伝えられている。

ロビンも素潜りで体験ダイビングをしている二人と同じくらいの深さまで行く。

トモオは目を大きく見開いてインストラクターに注視している。

太一はロビンに気がついて手を振ってくれた。(太一は余裕あるなー)


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二人は潜行ポイントから移動を始める。

なぜか二人は手をつないで泳いでいる。仲良しだなー。ってか気持ち悪い。

数m泳いで二人は着底する。そこで、スレートを使ったインストラクターに何かを説明されている。


「ロビンさーん。そろそろ船に上がってくださーい」船から三浦さんが呼んでいる。

「はーい」


トモオと太一が浮上してくるまで水上から見ていたかったが、ロビンとイッタンは船に戻った。



船に上がると、風の冷たさを感じる。

イッタン「海の中のほうが暖かかった」

えっちゃんは相変わらずぐったりしているように見えたが

「大丈夫な感じになってきた」
と言っていた。よかった。


しばらくするとトモオと太一が戻ってきた。
潜行時間は40分程度だった。


ロビン「どうだった?」

太一「最っ高!!」

トモオ「楽しかったー」

海に潜ることに恐怖を感じていたトモオが楽しかったと言えるのだから、相当感動したのであろう。よかった。

数年前の体験ダイビングがひどすぎたんだな。きっと。



スタッフ「ナオトさんは、ポイントを変えて体験ダイビングします」

そう言うと船は再び動き出した。えっちゃんは少し不安そうな顔で再び横になった。


さぁ。いよいよイッタンの初ダイビングだ!!
今まで横になっていた えっちゃんは、どうにか体を起こして三浦さんからコップと薬を受け取る。

コップを受け取った瞬間に水が3分の1ほどこぼれる。

なんとか揺れる船の上で薬を飲み込むえっちゃん。

ロビンはえっちゃんからコップを受け取る。

えっちゃんは再び横になる。

ロビンは水の入ったコップを太一の風上でわざと少しこぼす。

すると風に乗って太一の顔に水がかかる。

ロビン「うひゃひゃひゃ。ごめん」

太一「ちょっと水ちょうだい」

ロビンは太一にコップを渡す。

太一「はい!!」

と言いながら太一はコップの中身を勢いよくロビンの顔にぶちまける。

ばしゃっ!!

ロビン「はい!!」

すでに雨と波で相当濡れているので意味の無い遊び。


トモオ「寒いっ」

濡れた体に風が吹き付けてきて確かに寒い。

スタッフ「ウェットスーツを着ちゃったほうが寒くないですよ」

その言葉を信じてえっちゃん以外はウェットスーツを着る。

イッタン「きつい!!」

ウェットスーツを着慣れないと、着るのだけで一苦労だ。


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三浦さんがまた来てくれた。えっちゃんに「袋いる?」と言って、黒い小さなビニール袋を渡してくれた。

どうやらエチケット袋らしい。

えっちゃんはだまって受け取った。そして速攻使用した。

使用後の袋をロビンに渡す。

ロビン「さっき飲んだ酔い止めも出ちゃったんじゃないの?」
とロビンが聞くと

「ふふふふ。大丈夫。」と笑って、また横になった。

何が大丈夫なのかは定かではない。



船は港を出発してから1時間余り経過して速度をゆるめる。

周りを見ると島がたくさんある。

「もう少しでダイビングスポットに着きますから」

とスタッフが言うが、本当に潜れるのか?という疑問がある。

「ロビンさん。1本目どうしますか?」と三浦さんに聞かれる。

「えっちゃんが まだ潜れそうもないから1本目は遠慮しておきます」



周囲は島で囲まれているが 海の真ん中で船が停まる。

島に囲まれているからか、波はある程度収まっているように感じる。


スタッフ「体験ダイビングの方はこちらで準備しましょう」

みんなでウェットスーツ、マスク、スノーケル、フィンを装備する。

スタッフ「まずはスノーケリングで体を海に慣らしましょう」

トモオ「手厚いなー」

数年前 トモオが体験ダイビングに挑戦したときは 機材を着けられ何も説明もないままドボーンと海に投げ出されていた経験を持つ。


ろびんの旅行記


体験ダイビング組のトモオ、イッタン、太一は準備が終わり、海に入っていく。海の中でスタッフがすでに待っていた。

イッタン「冷たい!!」

と、言うが すぐにその水温にも慣れる。


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スタッフ「まずはコチラ側に移動してください」そう言って、船の右舷側に泳いで移動する。


泳げないと言っていたイッタンは"RESCUE"と書かれた海難救助用の浮き輪を渡されていた。イッタンにとってはすでに緊急事態だ。


スタッフ「足がつったときはフィンの先を持って・・・」等々 細かい話を説明してくれている。

ろびんの旅行記



一通りの説明が終わるとスタッフはロビンに対して「じゃぁ、その方を見ておいてください」とイッタンを指差して船に上がってしまった。

どうやら、トモオ・太一が先に体験ダイビングにチャレンジするようだ。

みんなが居なくなった右舷側の海は、ロビンとRESCUEイッタンしかいない。

イッタン「うまく泳げない」
と言いながらも、海の上を行ったり来たりしていた。


船に目をやると タンクを背負い ダイビングの準備が整った太一とトモオが海に入るところだった。


3月7日 9:30

船が出発すると、すぐにウネリにぶつかる。船が激しく揺れている。

港の中でこれだけ揺れるのだから、海洋に出たらさらに揺れるのではないだろうか。


スタッフ「みなさん2階で大丈夫ですか?2階の方が揺れますよ」

ロビン「大丈夫!!」

スタッフ「トイレに行くときは言って下さい。船の速度を ゆるめますから」

ロビン「はーい」

トモオ「船のスピードを落とさないと落ちちゃうんじゃね?」

確かに大きく揺れる船、さらに雨である。高速で進む船から落ちたら大変なのでスピードを緩めるのであろう。

ろびんの旅行記



船が出発してどれくらい経過しただろうか。船の揺れはさらに激しさを増している。

どこかに掴まっていないと海に投げ出されてしまいそうだ。

空は厚い雲に覆われている。雨が降っているかどうかは定かではない。なぜなら、海から飛び上がってくる水しぶきが俺らを濡らすからである。

男4人で話をしているつもりだが、すぐ隣にいる太一の声しか聞こえない。風は強く吹いている。

太一「トモオ!何かしゃべれよ!!」

無茶な質問である。

トモオ「ぁ・・・?こ・・・じゃ・・・・!」

風が強すぎて何を言っているかさっぱり分からない。


先ほどから気になっていたが、えっちゃんの顔色が見る見る悪くなっていく。

そして出てきた言葉が「気持ち悪い・・・」

船酔いである。


ロビン「えっちゃん!船酔いは気持ちの問題だよ!笑えば全て大丈夫になるって!」

根拠のない元気付けをする。

ロビン「ほら。アレ見れば笑えるんじゃない?」と言ってトモオの顔を指差す。失礼である。

ろびんの旅行記

えっちゃん「ハハハハハ」トモオの顔を見て笑った。失礼である。

トモオ「え??」

状況の分からないトモオが何か言っている。


しかしそんなもので体調が回復するわけも無い。


そこに三浦さんが2階デッキに上がってきた。2階の操舵席にいる別のスタッフに「ちょっと船止められる?トイレに行きたい子がいるんだよ」と大声で伝えている。

この大荒れの海を高速で走る船の上ではトイレもままならない。

操舵席スタッフ「えー?無理ー!」

俺ら「無理なの??」

三浦さん「分かったー」

俺ら「分かっちゃうの?」


三浦さんは具合の悪そうなえっちゃんを見つけて。「大丈夫?」と声をかけてくれる。イケメンだ。

「効くまでに少し時間かかるけど酔い止め薬飲む?」

えっちゃん「あ・・。飲みます」

[えっちゃんの頭の中]

お酒 < 今の辛さ



三浦さんは薬とプラスティックコップに入った水を持ってきた。


三浦「この薬は俺個人のものだからお金はいらないよ」
イケメンだ。



3月7日 8:30


ダイビングショップで「船酔いする人いますか? 酔い易い人は飲んでおいたほうがいいですよ。200円ですけど」

えっちゃんは船酔いしやすい。しかし、お酒(アルコール)と酔い止め薬の食い合わせ(?)が良くないのも理解している。以前失敗したことがある。
えっちゃん「私は(酔い止め薬)飲まない」

[えっちゃんの頭の中]

お酒 > 船酔い



この選択が後に悲劇を生む・・・



その後、ダイビングで使用する機材を準備する。

今回は全ての機材をレンタルした。理由は持ってくるのが面倒だったからです。


ファンダイブをするロビンとえっちゃんを担当してくれるのは マリンダイブシーサーの三浦さん(イケメン)だ。


三浦「じゃあ、まずメッシュバック持ってください。えっちゃんは6番って書いてあるメッシュバックね。ロビンは237番って書いてあるメッシュバックね。他の人と間違えるといけないから番号をちゃんと覚えておいてね」

ロビン「3桁も覚えてられません・・・」

三浦「BCはこれね。レギュはこれね。」

三浦さんはロビンの言葉を無視しならが次々と機材を手渡してくれる。


ろびんの旅行記


三浦「足のサイズは?23cmと27cm?じゃぁこれ。はい。」

てきぱきと準備を進める。

三浦「ウェットスーツは・・・」
と言いながら三浦さんはロビンとえっちゃんの体系を確認する。

三浦「ロビンはメンズのMで、えっちゃんはレディースのSで行こう」

えっちゃん「Sで大丈夫かなぁ?」

三浦「水に入っちゃえば大丈夫ですよ。大丈夫大丈夫。機材はトラックで運ぶので、お二人は港まで歩いていってください」

ダイビングショップから港までは歩いて5分もかからないくらいだ。

道順を教えてもらい、ロビンとえっちゃんは港に向けて歩いていく。

太一、イッタン、トモオは既に準備を終えて港に向かったようだ。


ロビン「寒いねー」

昨日の天気とは打って変わってどんよりとした空模様。

以前も、このダイビングショップを利用しているので港までの道のりは覚えていた。


港に着くと 立派な船が停泊していた。

船の2階部分には 体験ダイビングをする馬鹿面3名の姿が見える。

ダイビングの心得や注意事項を聞いているのであろう。


ろびんの旅行記



船に乗り込むと、船内の施設の説明を受ける。

トイレの位置、シャワーの位置、船内キャビンの使い方、バスタオルの置き場所、更衣室の位置、飲み物等々。丁寧に説明を受ける。

それにしても立派な船だ。

こんな船でダイビングをしたことは無いな。

いや、あった。数年前このダイビングショップを利用したときに同じ船だったわ・・・。

一通りの説明を受けると2階デッキに上っていく。


太一、イッタン、トモオがダイビングショップの若いスタッフに説明を受けている。


ろびんの旅行記


スタッフ「体験ダイビングは2組に分かれてやってもらいます。」

トモオ「どうやって2組に分かれる?」

ロビン「一番泳ぎが苦手なやつが 1人になればいいじゃん」

ロビンが横から口を挟む。

太一「じゃぁイッタンが一人で潜ることになるな」

イッタン「オレ↑?」

スタッフ「では、太一さんとトモオさんが最初に潜って。それが終わってから、ナオトさんが1人で潜りましょうか?」

あれ?このスタッフは俺らのことを下の名前で呼んでるな?馴れ馴れしいな。


ナオト = イッタンの下の名前


そうこうしているうちに船が動き出す!

いざ慶良間諸島へ!!


3月7日 6:30

起床。頭がボーっとする。まだ酔っ払っている感じだ。

どうやって起きたか覚えていない。

モーニングコールをお願いしたことと、携帯のアラームを設定したことは覚えているが、どちらも鳴ったのかさえ覚えていない。


えっちゃんが先にシャワーを浴びる。その間、睡眠と覚醒の間を行ったり来たりする。

えっちゃん「シャワー終わったよー」

髪を濡らしたままのえっちゃんがシャワールームから出てくる。

ロビン「はーい。じゃぁオレもシャワーしちゃうわ」

少し温めのシャワーを浴びて目を覚ます。


シャワーから上がって髪を乾かし、コンタクトを入れ・・・入れ・・・れれれ?

コンタクトレンズが無い!!

カバンがひっくり返るほど中身をさがすが・・・無い・・・。

ロビンはワンデーのコンタクトを使用している。

コンタクトがなければ何も見えないじゃないか!美しい魚や女性ダイバーの水着姿が!


ロビン「コンタクト忘れた!!」

昨夜外したコンタクトを探す。水で戻せばまだ使えるんじゃないか?

どこに捨てたか・・・分からない。見つからない。


このままじゃ視力0.1も無いままだ。せっかくの沖縄旅行・・・さがるわ・・・。

ってか、メガネも忘れた・・・。


ん?


そのときロビンはデジタルカメラの付属品を入れていたケースの中に光るものを見つけた。

ワンデーのコンタクト1つ(片目分)があった。銘柄からすると数年前に使用していたやつだ。

まだ使えるか?右目にだけ入れてみる。

お。度は合わないが、見える!私にも見えるぞ!!


数年前、ダイビング中にコンタクトが流れたときを杞憂して入れておいた予備のコンタクトだ。うーん、やるねー昔のオレ。



ロビン「そういえば携帯電話どうしようか?」

昨夜 無くしてしまった えっちゃんの携帯電話について思い出した。

えっちゃん「え?あるよー。」

へっ?昨夜の大混乱はどこへやら。とりあえず見つかったならいいか。



数分後、隣の部屋のメンバーと合流する。



太一「俺のサンダル知らない?」

ロビン「昨日買ったやつ?」

太一「そう。」

ロビン「お前、腰に結んでたじゃん」

太一「そうなんだけど無いんだよ。どっかに捨ててきたかな?」


一晩 腰に結ぶためだけに買ったサンダル。思い出をありがとう。



そして、全員予定の時間通り食堂に来た。


食事はビュッフェ形式だ。食欲の湧かないメニューが並んでいるが、なぜか3杯もご飯を食べてしまう。

これが旅行の醍醐味か?それとも体がエネルギーを欲しているのか?


食事を終えたトレイや皿は、所定の返却口に持っていく。


8時に"ダイビングショップ・シーサー"がホテルの前まで迎えに来てくれる手はずになっている。

各自荷物を部屋から持って出てロビーにでピックアップ車を待つ。


外に目をやる・・・雨だ(ノд・。) グスン


間もなくして、ダイビングショップの車が来る。

スタッフ「ロビンさんですか?」

ロビン「はい。そうです。」

スタッフ「では後ろに乗ってください」


ろびんの旅行記



白いワンボックスの車に乗り込む5人。オレら以外は誰も乗っていない。

車の中でテンションが高いのはロビンと太一だった。

多分、まだ酒が残っているのだろう。


15分程度でダイビングショップに到着する。


ショップ内は沖縄の海らしいお土産やダイビングの機材を販売していた。


太一「あ。サンダル売ってるじゃん。これください」


またサンダル買うの??

ロビン・太一・トモオ・えっちゃんの4人を乗せたタクシーは間もなくしてエッカホテル沖縄に到着する。

ロビン「しまった。助手席に座ってしまった」

ロビンはしぶしぶタクシー代を支払う。


ホテルのフロントで部屋の鍵を受け取り、1013号室へ。

トモオ「イッタン大丈夫かな?」

ロビン「大丈夫だって。ウキャキャキャ」

太一「ケータイ持ってるんだろ?」


などと話をしてから各自部屋へ。


終始笑顔だったえっちゃんが急に真顔に戻る。

えっちゃん「私の携帯どこにあるか知ってる??」

ロビン「いや。知らないけど。カバンとかポケットに無いの?

バタバタと必死に携帯を探すえっちゃん。

えっちゃん「無いっ!無いよ!!」

ロビンも一緒になって探す。


太一「イッタン帰ってきたよー。どっか遊びに行こうよ」

イッタン「ちょっとー!置いてかないでよ!」

太一「何で一人で残ってたの?」

イッタン「大学生が、"みんないませんよ"って教えてくれたんだよ。ラーメン食ってタクシー拾ったわ」


ロビン「今、えっちゃんの携帯を探し中なんだよ。先に3人で行ってて」

太一「トモオ寝ちゃったから イッタンと二人で行ってるわ。すぐ来てね。」


そう言って、太一とイッタンは再びホテルの外に遊びに出る。


3月7日 AM1:00


えっちゃん「無い!!」ヒステリック気味にえっちゃんが言う。

ロビン「ちょっと携帯鳴らすから静かにしてて」

ロビンが携帯でえっちゃんの番号をダイヤルする。


ロビンの携帯のスピーカーからは「プッ・プッ・プッ・プッ・・・プルルルルル・・・プルルルルル・・・」とえっちゃんの携帯につながった音が聞こえる。どうやら電源は入っているようだ。


静かにして部屋を見渡すが・・・着信音はおろか、バイブ音も聞こえない。


えっちゃん「えーっ!?なんで無いの?」


知らんわ・・・


ロビン「最後に携帯使ったのはどこ?」

えっちゃん「使ってないけど、1軒目を出たときは確かに持ってた・・・あれ!?上着も無い!」


もう・・・。


えっちゃん「どこにあるかな?」

ロビン「ここに無ければ、2軒目のビール100円の店か、タクシーの中か、さっき行った隣の部屋くらいじゃね?」

えっちゃん「ちょっと、2軒目のお店とタクシー会社に電話してみて」

ロビン「2軒目の店も酔っ払って入ったし、店員に連れられて行ったから店の名前も分からないし、タクシーもどのタクシー会社か覚えてないよ。えっちゃん覚えてる?」

えっちゃん「覚えてない」すねながら言う。

ロビン「じゃ、隣の部屋を見てくるよ。トモオは居るみたいだから」


そう言って隣の部屋に行くが、オートロックで閉まっている。ドンドンドンとノックするが、トモオが起きる気配は無い。むしろ、酒の入ったトモオが起きる訳も無い。

鍵が閉まっていることをえっちゃんに告げると少しふくれる。

今度はロビンの携帯でトモオの携帯を鳴らす。確かに鳴ってはいるのだが、酒の入ったトモオが起きる訳も無い。

ホテルの部屋電話があったので、内線を鳴らすが・・・あの酒の入ったトモオが起きる訳も無い。


そうこうしている間も イッタンや太一から電話が鳴っている。

丁寧に10分おきに電話を鳴らしてくれている。

太一「ツジってところだから。早く来て!分かった!」

ロビン「今ちょっと出れる状態じゃないんだよね。」

10分おきに同じ内容の会話をする。


結局「探してくれないなら もういいっ」と怒りながら えっちゃんは寝てしまった。


もういいのはこっちだわ・・・。



3月7日 AM2:30

その後、太一とイッタンがホテルに戻ってきた。

太一「明日何時?」

ロビン「7時過ぎに食堂集合!」

太一「オッケー。お休み」

イッタン「おやすみー」


沖縄1日目はこれにて就寝。

この日最後の島唄ライブが終わった店内は、徐々に閑散としていった。

ロビン一行も店を出ることにした。残った泡盛は全員で一気飲み。


太一「ちょっとトイレ行ってくるわ」

えっちゃん「太一ぃ!ズボンに何か付いてるよ」

トイレに向かった太一にはえっちゃんの声が届いていない。

ロビン「あれは さっき買ったサンダルだよ」


この時点では、まだサンダルを持っていた。


割り勘で一人あたり3,000円程度の会計を済ませて店を出る。


太一「次はどこに行く?」

と、張り切る太一と

イッタン「あー。たのしぃー」

と、しみじみと言い自分の両ほほを両手で撫でているイッタン。


ロビン「じゃ。さっき100円でビール出してたところに行ってガブガブしよー!!!」


5人は再び国際通りを闊歩する。


男「今日はうちはビール100円ですよー。何人ですか?うち寄って行ってくださいよ」

雰囲気のいい呼び込み男性が僕らに声をかける。

ロビン「お兄さんについて行くと、最初の1杯ずつサービスしてくれる?」

男「いやー。厳しいですねー。100円でやっている時点で厳しいんですから」

ロビン「それなら別の店に行こうかなぁ。3杯だけ無料にしてくれたらお兄さんの店に行こうかなぁ」

男「うーん。分かりました!3杯だけですよ!では、お店はこちらです」


呼び込みの男性に連れられて、5人はドラクエのパーティのように連なって歩き、店に入っていく。

この店は、最初にタクシーで国際通りにたどり着いたときに見かけた店だ。

男「ご新規5名様ご案内です」


店の奥の方の席に案内される。デザインとしてはシックな雰囲気だが、100円でビールを振舞っているだけあり、酔っ払いが多く活気に満ちている。


ロビン「ビール5つお願いします。」

勢いよくビールを注文する。運ばれてきたビールを片手に持ち

全員「カンパーイ!」

ゴキュゴキュ・・・ん?

ロビン「なんか、味薄くない?」

えっちゃん「本当だ。薄い・・・。あ、グルクン食べよう!」

グルクンはさておき、メニューを確認すると、ビールとは書いてあるが内容は発泡酒だった・・・。だから100円で出せるのか。


男「あの。言うの忘れていたんですけれど、お一人様一品はご注文いただきたいんですが・・・」

ロビン「えー。聞いてないよ。メシ食ったばっかりだし」

男「じゃ。いいです。言わなかった僕が悪いんで」

ロビン「でも頑張って頼みます。グルクンのから揚げ2つと、モズクの天ぷら」

イッタン「島らっきょ食べたい」

ロビン「じゃ、島らっきょの天ぷらと」

えっちゃん「揚げ物ばっかりー」

ロビン「じゃじゃ、島らっきょは塩漬けで」

とオーダーを済ませる。


勢いよくビールを飲み続ける。今日の出来事を振り返ったり、明日のダイビングに夢を馳せたりして4・5杯飲んだあたりで 太一が隣の席の人と盛り上がりだした。


太一「どっから来たの↑?」

隣の彼「北海道です」

太一「いくつ?」

隣の彼「21の学生です」

隣の10人超の北海道から来た大学生たちと入り乱れてさらに盛り上がる。


何杯飲んだのかも分からない・・・

ろびんの旅行記


太一「なんでそこ男女男女に座んないんだよ!男男女女になってるじゃねーかよ!男女男女男男女で座れ!」


俺の隣に座っているのは誰だ??
知らない男性がロビンの隣に座っている。


イッタン「うきゃー」


イッタソが完全に大学生の中に取り込まれている。









何杯飲んだのか、どれくらいの時間居たのか・・・記憶は定かでない。

太一が大学生同士の恋愛にちょっかいを出していたことや、なかやまきんにくんのネタの筋肉ルーレットなどで盛り上がったこと、かわいい女性店員を僕らの席に座らせたこと程度しか覚えていない。


ろびんの旅行記


ロビン「そろそろいくかぁ」

トモオ「イッタンは?」

ロビン「あれ?どこだ?」

太一「あそこにいるよ」


完全に大学生と一体になってしまっていて気が付かないようだ。


ロビン「イッタン楽しそうだから置いていくか。携帯あるしどうにかなるだろ」悪ロビンの発想である。


イッタン以外の4人は店を出てタクシーを捕まえる。


終始えっちゃんは「ウフフフフ」と笑っていた。



一人で置いていかれる イッタンの運命は如何に!?



みんなが買い物を済ませている間に、ロビンはこっそりとフリーペーパー"タビンチュ"をめくり、沖縄民謡ライブをやっている店を調べていた。

サンダルを購入した店に近い"松尾"の交差点を曲がる。

曲がった角に大きく"沖縄民謡居酒屋 はなはな"と書いてある。しかし、ロビンが調べた店ではない。

国際通りから少しずつ離れていく。賑わっている国際通りから少し離れるだけで、なにやら閑散とし出す。ロビンはみんなのテンションを下げる方向に誘導しているのでは?と不安になる。


"朝まで屋"と言う名前の居酒屋が右手に見える。

太一「すげー。朝までやってるんだー。」

トモオ「いやいや。地元にもたくさんあるだろ。朝までやってる店」

確かに、店の名前にするほどのアピールポイントでは無いであろう。


さらに国際通りから離れたところに、赤い看板のお店を見つける。探していた店だ。

店から歌声が聞こえる。沖縄ライブか?と思い近づくと おばちゃんとおじちゃんが楽しそうに歌ってるぅ!これって、場末のスナックでよく見る光景!?


ロビンはみんなに申し訳ないと思いながら「間違った!行くのは"はなはな"だ!」といって、交差点の角にあった沖縄民謡居酒屋に行くことになった。


店は2階にあった。店内に入ると、木を基調にした造りで 沖縄・・・といえば沖縄な雰囲気だった。

ロビン「ライブやるんですか?」と店員に確認する。

店員「あと20分くらいで始まりますよ」

その言葉を聞き、安心してオリオンビールを5つ注文する一行であった。


5人「カンパーイ!!」

沖縄に来て初めての5人揃っての乾杯。


ゴキュ。ゴキュ。ゴキュ。ぷはーっ。

ロビン「おかわり!」

太一「俺も」

沖縄で飲むオリオンビールは格別である。


沖縄っぽい料理を数点注文する。ゴーヤチャンプルー、ミミガー、海ブドウ、島らっきょの天ぷら。

どの料理も沖縄気分を高めてくれる。ただし、マグロの皮はちょっと気持ち悪かった。


ライブの時間が近づき、どこで演奏するのかと気になり店内を見渡すと ステージが随分奥まったところに見える。正しく言えば、ロビン一行の席が離れすぎている。


ロビン「すみませーん。席を移動していいですか?ほら。あそこに空いているところ」

店員「少々狭い席になりますがいいですか?」

ロビン「OKでーす」


そう言って、ステージに近い席に移動した。


ゴキュ。ゴキュ。ゴキュ。ぷはーっ。

「おかわり!」「俺も」「あ。オレも」「私も」「もう一つ」


ライブの時間になり出てきたのは"琉球マブヤーズ"という男女2人組み。着物を着て、男性は三線を持ち、女性は太鼓のバチを持っている。

2人が奏でる音楽はもちろん沖縄民謡。"安里屋ゆんた"や"花"など、知っている曲が流れるとテンションが上がる。


ろびんの旅行記


イッタソ「泡盛の"菊の露 ブラウン"ください」

カラカラで頼んだ泡盛を飲むとさらに気分が上がる。


マブヤーズがBoomの島唄を演奏すると、店にいる客全員が声を出して歌いだす。

この沖縄独特の雰囲気がたまらなくうれしい。


気がつけば えっちゃんは隣の席のおばちゃんと話しこんでいる。


マブヤーズ女「そろそろ終わりの時間が近づきましたので、最後は体を動かしましょうか」

一同「えー。もう終わり?」

しかし、時計を見ると30分も経過している。


マブ女「カチャーシーしましょ?みなさん知ってる?」

カチャーシーとは、興が乗るにつれ両手を頭上に掲げて左右に振り足も踏み鳴らす踊りである。


店にいる客が全員立ち上がり、最後の曲が鳴り始めると同時に両手を左右に振る。

最高潮に盛り上がる店内。なによりもイッタンとトモオの手の振り方が下手だ。


ろびんの旅行記


二席隣の名古屋から来たという男性(多分大学生くらい)が、超激しく踊っている。ロビンも負けじとその彼のそばでより激しく踊る。それを見た周りの面子も激しく踊る。えっちゃんは隣のおばちゃんと話をしている。三線の音のテンポが速くなる。その音に合わせて全員の動きも早くなる。じんわりと汗ばむ全員。おばちゃんとえっちゃんは楽しそう。



そして曲が終わる。

マブ女「ありがとうございましたー!」

うぉぉぉおおお!

パチパチパチパチパチパチ


店内が一体となり琉球マブヤーズに喝采を送る。


彼らと一緒に写真を撮る。カメラマンはえっちゃんの親友と化したおばちゃんだ。


ロビン「はい。全員アゴを精一杯出してー!」


パチャリ。


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ぶれてる (-_-;)