一匹の蜘蛛を助けたことで、地獄におちた一人の罪人は、極楽にいけるチャンスをもらう。
極楽のお釈迦様が、一本の蜘蛛の糸を蓮の池から地獄に垂らしてくれたのだ。
罪人は蜘蛛の糸を登り始める。はるか遠くの彼方には、極楽の蓮の池が点のように見えている。
蜘蛛の糸を半ばまで、上ったころ。罪人は自分の後ろを登ってくる他の罪人たちに気づいた。
こいつらが登ったらこの蜘蛛の糸は切れてしまうかもしれない。そう思った、罪人は叫ぶ。
『おい、罪人ども。これは、オレの蜘蛛の糸だ。さっさと降りないかっ!!』
次の瞬間。罪人の手元から蜘蛛の糸は切れた…。
お釈迦様は地獄の血の池に沈んで行く、罪人を少し悲しそうに見ていた…。
極楽の蓮の池には、美しい花が、何事もなかったかのように咲いている…。
朝、蜘蛛を見かけて、芥川竜之介の短編『蜘蛛の糸』を思い出し、少し綴ってみました。自分だけ助かりたいっていう、強い欲が、結果的に自分を破滅に導くんですね…。
