今、私がお弁当を渡したそいつは、アドレス帳に登録されてない…。
私は教えたくなかったんだ。
高校を卒業してしまったら、嫌でも人は変わっていってしまう。それは自分にも言えること。あの頃のまま一生を共に生きることなんてどう考えたってできっこないんだ。
私は、逃げた…。過去から、そいつからも…。向き合う機会は、考えてみれば、いくらでもあったかもしれない。でも私には、もうあの頃のように純粋に人を愛せないょ。こんな、変わってしまった私を見せる勇気はないょ。
もうすぐ、やつは、歳をとる。私を置いて、また先に世界にでる。私はどんなに追いかけても、辿り着かないんだ…。