こんにちは。行政書士の名倉武之です。

→ 事務所HPはこちらになります。

 

2024年4月に介護保険の報酬が改定されます。

国の介護保険では、介護サービスを行う施設等に支払う介護報酬を「3年に1回」改定します。2024年4月がそのタイミングになります。

1月22日に開催された厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会にて、2024年度介護報酬改定案が了承されました。

その中で注目したいのは訪問介護です。

訪問介護とは「介護福祉士やホームヘルパーが自宅に赴き、身体介護、家事援助、生活相談など日常生活上の介助を行う介護保険サービス」です。

訪問介護の利用者数は、厚生労働省「令和4年度 介護給付費等実態統計の概況(結果の概要 表2-2サービス種類別にみた受給者数(介護サービス))を見ると、令和4年度における介護サービスの年間実受給者数(単位:千人)は、

  • 受給者総数=5,591.6(対前年度+122.9)
  • 訪問介護の受給者数1,576.8(+46.6)
  • 訪問介護の利用率28.2%(+0.2%)

介護サービス利用者の

「3人に1人」が訪問介護を利用

この現状において、

2024年度の基本報酬は削減!

(出所)東京新聞 TOKYO Web 2024年2月16日よりイラスト抜粋

基本報酬の引き下げは、ホームヘルパーの方々の所得に影響する深刻な問題です。

以下のコメントは、東京新聞の記事より抜粋

  • 約10年前は訪問介護が事業の8割を占めていたが、ヘルパーが激減し今は約2割
  • 事業所数が多い同区でも従業員数20人以下が約7割を占め、廃業の危機は色濃い。サービス時間の短縮化で、利用者と向き合う時間がなく、やりがいを削られ、低賃金の業界に愛想を尽かすヘルパーも
  • 東京商工リサーチによると、昨年の訪問介護事業者の倒産は過去最多で60件、従業員数10人未満の小規模事業者が8割超を占めた。

少子・高齢化は益々深刻な社会問題です。今や高齢者が高齢者を介護する「老老介護」の時代(2022年で63.5%)になっている現状において、正直、このような見直しに呆れて物が言えなくなりました。

 

少子・高齢化の社会を支えるには、異なる立場の関係者による価値観の共有、連携、協力が必要不可欠だと思います。人生100年時代と言われてる今日、人々が活き活きと暮らしやすい街づくりの在り方を、地域・社会の一員として考えてまいりたいと思います。