こんにちは。行政書士の名倉武之です。

 

10月に入りました。

最近は、心地よい秋風が吹いて、

過ごしやすくなりましたが、

未だに日中は残暑厳しい日もあり、

体調管理が難しい時期でもあります。

 

さて、10月1日、

 

NHKスペシャル老いる日本の住まい

第1回空き家1000万戸の衝撃

 

という番組を見ました。

 

番組では、

明治大学政治経済学部 野澤千絵 教授

による

2040年空き家数全国予測マップ(※)

がご紹介されていました。

※令和2年国勢調査(総務省) 

平成30年住宅・土地統計調査(総務省)

令和元年全国空き家所有者実態調査(国土交通省)

をもとに明治大学 野澤千絵教授が分析・作成 

 

一部、私が住む神奈川県の予測を紹介します。

皆さんのお住まいの地域の状況は、

上記※にてご確認ください。

 

神奈川県の予測マップ

 

神奈川県・空き家増加率トップ10

 

空き家問題は、今後益々深刻化します。

例)

①親から相続した土地建物は遠方にあり住む予定はない

②親と同居しているが、自分は今の家に住む予定はない

このような場合、

現在「住める状態にある」ものが、

今後、誰も管理しないことで朽廃する結果、

手の施しようがない状態(処分不可能)に陥る。

 

そうなると、

親(A)→ 子(B)

だけの問題ではなく、

子(B)→ 子(C) 

と、

親子代々続く「負動産」問題に発展

※これは、親から子、その子(孫)へ・・・と、

受け継ぐことが難しい場合の話です。

 

自分では思いつかない不動産活用方法もあります。

このような事態に陥る前に、

現在、将来、何が求められるのかも含め、

不動産問題でお悩み・ご心配の方は、

専門家(不動産業者、士業)へのご相談をお勧めします。

 

また、番組では新しい不動産処分方法として、

・相続土地国庫帰属制度

のご紹介がありました。

これは、

相続で取得した土地を国が有料で引き取る

制度ですから、

相続した土地のみ

が対象です。

つまり、

建物があれば「更地」状態にする

必要があります。他、

境界が明らかでない土地

は、境界を明確にする調査が別途必要です。

その他にも、引き取りNGの要件があります。

例えば、

・担保権等負担のあると土地

・他人による使用が予定される土地

・土壌汚染されている土地

・崖がある土地

・地下に除去すべき有体物がある土地

・隣人とのトラブルを抱えている土地

などです。

詳細は、

法務省のマニュアルをご確認ください。

 

この制度はスタートしたばかりですから、

良し悪しの判断材料(データ)はありませんが、

とてもハードルが高いため、

現在、問題となっている多くの空き家の場合、

適用は難しいかもしれませんね。

その理由の一つに、空き家の多くが、

「更地ではない(建物が存在)」からです。

建物を壊して、更地にしようとお考えの場合、

空き家問題で悩んだりするのでしょうか…。

 

親の立場で考えると、

・子供に土地建物を残してあげたい。

・子供もきっと喜ぶはず。

と考えてしまいがちですが、

果たして、子供の気持ちはどうなんでしょう?

「自分は親の家に住む予定はない」

と考えられている場合もあります。

・そんなことを言っても、

 無いよりはあった方がいいでしょう?

・不要になったら売却すればいいから

というのは、<親の優しさ>

ではありますが、タイミングを逃すと、

「子や孫が困る事態」になることもあります。

 

相続が発生するタイミングではなく、

・遺言書を書こうかな

・自分達がいなくなったら、この家はどうなるの

とお考えになったタイミングで、

相続人となるお子様がいらっしゃれば、

将来、この家に住む考えはある?

と確認され、話をされるのもよいかと思います。

 

このような事前の対応の積み重ねが、

空き家増加の抑止力になるかもしれません。

・問題を先送りにせずに

・子孫に迷惑をかけずに

解決方法すべき時代になってきた感じがします。