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中国の歴史小説を読むにあたって、どの時代を読むかは、意外と難しい。4000年以上の歴史があるので、時代背景の違いから人々の考えや精神的な支えが違ってくる。
 一般的に三国志から入るのと秦の始皇帝から劉邦と項羽の楚漢戦争で入るケースが多い。
 実際、三国志は、吉川英次さんの本がスタンダードといわれるが、色んな人が違った角度から登場人物にアプローチして、漫画でも人気の高い作品である。
 この時代から入ると中国の歴史が深まっており、過去の歴史上の人物を解説されながら書き進められているので、追々と中国の歴史を遡ることになる。
 また、司馬遼太郎さんの「項羽と劉邦」から中国歴史小説に入ると秦の始皇帝から始まる中国統一のスケールの大きさを感じる。実際、中国の歴史をまとめた司馬遷もこの時代は、史実に基づいて正確に記している。
 そして、最後に残るのは、宮城谷昌光さんが描く、夏、商(殷)、周の王朝時代である。この頃は中国の神話であり、中国人の精神的礎となる登場人物が多数活躍するが、あくまでも神話の物語であり、後世の中国人達に語り継がれて、いろいろ脚色されているが、一番ロマンを感じるところである。
 私は、司馬遼太郎さんの本から中国歴史小説にはまったが、北方さんの三国志を経て、宮城谷さんの古代中国に惹かれている。
 読めば読むほど中国に興味とロマンが掻き立てられる。