さて、中条の桜を見た帰り道、長女が私が以前から度行きたいと思っていた久米路橋に寄ってくれました。


長野県の県歌『信濃の国』の4番に詠まれている名所のうち

唯一行ったことの無かったのがこの

♪心してゆけ♪と歌われる犀川にかかる


久米路橋


”雉も鳴かずば撃たれまいに”

の昔話の元となった話が伝わる場所とも言われています。

長野の実家を往復する時に必ず通る場所で

以前から行ってみたいと思ってはいたのですが

国道から少し外れているので入る道がよく分からず

実家に行く時は片付けでいつも疲れてしまってその機会も気力もなかったのです。

長女のお陰でやっと行くことができました。

国道から脇道に入り犀川沿いの道をしばらく走ると駐車場がありました。



駐車場には

犀川の治水対策事業の概要を記した立て看板。






そしてその横には


母の犀龍に乗る小太郎の像と

泉小太郎伝説の説明看板がありました。






泉小太郎伝説は松本平や安曇野の治水の歴史を伝えるものであることはよく知られていて

それに関するモニュメント等は

大町ダムの龍神湖や

お目当ての久米路橋へ。




橋のたもとには久米路峡の説明看板と


雉も鳴かずば」の昔話が記された看板が立てられています。



“貧農の娘が病気になり「あずきまんまが食べたい」と言い
父親がその願いを叶えるためにやむを得ず小豆と餅米を庄屋の蔵から盗んで食べさせた。
病気が治った娘はあずきまんまを食べたことを話してしまったため
盗みが発覚した父親は氾濫した川を鎮めるために人柱に立てられてしまう。
それを悲しんだ娘は口がきけなくなってしまった。
ある時、雉が一声鳴いたために猟師に撃たれてしまったことを見た娘は
「雉も鳴かなかったならば撃たれることはなかったのに」と呟いた。”

と言うのがこの話の概要。

泉小太郎伝説は母龍とその子小太郎が水を治める話ですが

これは暴れ川を鎮めるために人柱を立てたと言う悲話。

どちらも治水に関する昔話で

現在に至るまで治水には数々の困難があったことを示す話と言えるでしょう。


そんな伝説を踏まえ新しく架けられた久米路橋を渡り



しばらく歩いて

久米路橋が見える場所から撮ってみました。




穏やかに水を湛えて流れる犀川沿いをしばし散策して



帰途につきました。

疲れはしましたが楽しい時間を過ごせた春の1日でした。