「はっ!?」
ルルーシュは我が耳を疑った。
「だから、ライと二人でやって欲しいのよ。」
胸の前で手を組んだミレイは目を潤ませながらルルーシュとライを見た。
「それ位なら別に構わないですけど…。」
ライがちらりとルルーシュを見ると、眉間にしわが寄るのをどうにか抑えているといった様子だった。
「ルルーシュが忙しいなら僕だけても何とかなると思いますし。」
「よし!じゃぁ、男子の衣装は頼んだわよ。」
二人に向けてミレイはウィンクすると生徒会室から出て行った。
「どういうつもりだ…ライ。」
「会長の頼みはいくら断ろうとしても結局やらなくてはならなくなる。それなら早く了承した方がいいだろ?」
真っ直ぐ見てくるライの耳元に唇を寄せると、ルルーシュは小声で言った。
「俺は特区でゼロの役目がある。執務室で縫い物はできないし、したくない。どうするつもりだ?」
「だから。衣装は僕が。ルルーシュは仕事でいいんじゃないか?」
「なら、手伝って欲しかったら言ってくれ。」
「で、結局ルルーシュも僕と同じ位仕事してるのはどうしてなのかな?」
ライも特区にゼロがいる間いなければならないため、執務室で縫っていた。
すると、やはり…というか当然の事ながら、ゼロことルルーシュが手伝いをかって出た。
ゼロとその片腕が二人で縫い物。
なんとも不思議な光景だ。
まぁ、それを見る物は二人以外にはいないのだが。
「今の所急を要する物は無いからな。」
「そうか。これを早く終わらせて僕も仕事しないといけないな。」
ブチッと糸を切り、バサリと布を広げると、それはきちんと服の形になっていた。
「これでリウ゛ァルの浴衣完成!縫えるものだな。」
「こっちはスザクのワンピース、丈が短い。惨劇が目に浮かぶな。」
ははっと二人で笑いながら完成した服を畳んで袋にしまう。
「さて、あとはルルーシュのドレスを仕上げなきゃな。」
「ドレスというよりはそれ、丈の長いワンピースじゃないか?」
「これで完成じゃないから楽しみにしておいて。」
キラリと光る何かを出すと、ライがにやりと笑った。
「まぁいいだろう。しかし、このぶんなら明日にはライのセーラー服。」
ふふんと見せられた作りかけのセーラーにライは言葉をつまらせた。
「一人だけセーラーなんてマニアックじゃないか?」
「大丈夫。もっと過酷な服だって要求されかねなかったんだぞ。」
「例えば?」
「ネコミミメイド。何なら今日あたりしてみるか?」
悪戯に誘うルルーシュにライは笑顔で答えた。
「ご遠慮します。」
この答えはおそらく意味をなさないだろうが。