「サイケ?」
臨也はパソコンから顔を上げると、先程までソファーに座っていたサイケがいないことに気が付いた。
呼んでみるも、返事は無い。
いつもはすぐ返事があるのに、と不思議に思いながら椅子から立ち上がり、サイケを探す。
きょろきょろとするが、辺りにはいないようだった。
もしや、と思って玄関の靴を見に行くと、やはりそこにサイケの靴は無かった。
その事実が何だか変なもやもやを心に落とす。
「一言くらい言ってから出かければいいのに………。」
むすっとしたままデスクに戻り、椅子にドカリともたれ掛かる。
ちらりとパソコンを見たが、大した動きも無く、やる気も起こらなかった。
はぁ、とため息をついて玄関を見る。
しばらく眺めていたが、何の変化も無く、臨也は腕で枕を作るとそこへ顔を埋めた。
「いざやくん?」
何も言わずに出ちゃったから、怒ってるかな?と思いながら帰ってきたのに、部屋には夕日が差し込むだけで、しんと静まりかえっていた。
急いでいざやくんが普段座っている仕事用のデスクに行くと、そこには腕を枕にして眠っているいざやくんがいた。
「いざやくん。」
さらりと髪をすくと、んっと言って少し動いた。
そのままもそりと顔が現れ、目が開けられて、赤い瞳に僕がうつる。
「サイケ?」
「ただ今、いざやくん。」
うとうととした目をしながらいざやくんは、僕の腰に抱き着いてきた。
いつもと立場が逆になっていて焦っていると、いざやくんはぐりぐりと顔を押し付けてきた。
「勝手にいなくなるから、びっくりした。」
「お仕事忙しそうだったから、邪魔しちゃうかもって思ったから…ごめんね、沢山ぎゅーってするから。」
「今夜は離さないでよ。」
淋しかったんだろうな、と思うと可愛くて、僕はぎゅっといざやくんを抱きしめた。
今夜は許可もくれたし、楽しみだなあっ。