シズイザ | ゴミ箱

ゴミ箱

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喉の調子がどうもおかしいと気付いた。
でもきっと大丈夫と高をくくって外に出た。
外に出ると、何だか会いたくないのに顔が見たくなって足は自然と駅へ向かっていた。
池袋まで電車に揺られる。
その中で咳が出始めた。
やっぱり風邪かと思ったけれど、帰る気は起こらずにそのまま池袋に入った。
足元がふらつくような気がするけれど、どうにか誤魔化して前に進む。
意識がしゃんとしていないのも分かっていた。
だから、気付けなかった。
静雄が叫びながらゴミ箱を投げつけてきたことに。
「・・・。」
ちょっと飛んで地面にバウンド。
そこで俺は烈しい嘔吐感を覚え、近くにあったコンビニにどうにか入ると、店員にトイレを借りるとも言わずにトイレに飛び込んだ。
飛んできたのがゴミ箱でよかったよ本当に。
あれが自販機だったら死んでたな。
どうにか落ち着いた俺はコンビニから出る。
すると目の前に見慣れたバーテン服が立っていた。
否、見慣れたバーテン服を着た男が立っていた。
「やぁ、シズちゃん。今日も烈しい歓迎ありがとう。」
にっこり笑って男の顔を見上げたが、正直表情は歪んでいてあまり見えない。
そのことがひどく残念に感じられた。
「おい、お前・・・熱でもあるんじゃないのか?」
「・・・・・・別に気にするほどじゃないよ。」
「いや、でもお前顔真っ赤だぞ。」
「うるさいよ!」
額に伸びてくる手を払いのけたところで俺の意識は真っ暗になった。
「おい、臨也!?」
なんて声が聞こえた気がしたけど、その真偽を確かめることは不可能だった。

「ただの風邪。しかもそうとうな熱が出てるから本人だって自覚してたはずだよ。」
「じゃあ、この馬鹿は倒れること承知で外ふらついてたってことか。」
「まぁ、そうなるかな。本人が倒れるって思っていたかは別として。」
うっすらと目を開くと見覚えはあるけれど、自分の部屋ではない場所にいた。
「・・・あれ、ここ・・・」
「あ、気付いたみたいだね。」
大丈夫かい?なんて言いながら顔をのぞかせてきたのは新羅だった。
「何で新羅?」
「静雄が臨也が倒れたって、僕のところまで運んできたんだよ。君、熱があるって分かってたのに休まずにここまで来たんだろ。」
新羅に体温計を渡されたので、それを脇に挟みながら俺は苦笑しながら頷いた。
「たいしたことないって思ってさ。」
「・・・やれやれ、風邪を侮ってもらったら困るんだけどなあ。」
新羅はちらりと壁際にいた静雄に視線を向けた。
「静雄はこれからどうするの?」
「今日はもう帰って飯食って寝るだけだ。」
「そっか、じゃぁ・・・臨也のこと送ってあげてくれない?」
いつまでもここに置いていく訳にはいかないしね。と言って、新羅は鳴った体温計を俺から受け取る。
新羅が言っていることの意味が分からずに俺は首をかしげた。
「何で?」
静雄は、仕方がないという顔をして頷いている。
「え?俺一人で帰れるから大丈夫だよ。別にシズちゃんに送ってもらわなくても・・・。」
「またどこで倒れるとも限らないし、用心棒代わりに送ってもらいな。」
ちゃんと静雄の顔を見るが、その表情はサングラスのせいでよく見えなかったが、普段よりずっと落ち着いた様子だった。
この空気では申し入れを受けなければ簀巻きにして担いででも連れて行かれそうだ。
「分かった、シズちゃんがいいならそれでいいよ。」
「あぁ。」
俺はシズちゃんの返事にとろりとした笑顔を出してしまっていた。
すぐそれに気付いて首を振ったら、また吐き気がこみ上げてきた。
「さ、遅くならないうちに帰りなよ。」
静雄は新羅が薬を準備している間に臨也を背負い、新羅から薬を受け取ると部屋をあとにした。
「シズちゃん、重いでしょ?自分で歩くよ?」
「自販機に比べりゃずっと軽い。」
「自販機と比べないでよ。」
「冷蔵庫に食い物は入ってんのか?」
「んー・・・ゼリー飲料?」
「・・・一回お前を部屋に送ったら買出しに行くからな。」
「えー、何で?」
「何でってお前・・・熱があるんだからしっかり食わないと治らないだろ。」
「シズちゃん作ってくれるの?」
「今日だけな。」
俺は腕を伸ばしてしっかりとシズちゃんにつかまった。
「シズちゃん・・・ありがと。」