「Florilege(フロリレージュ)」@神谷町(☆☆☆)
https://www.aoyama-florilege.jp/
「フロリレージュ」@南青山に行ったのはもうすでに14年前。移転した外苑前にも伺いましたが素晴らしさは増すばかり。そして、2度目の移転は美食密度が日本一濃すぎる麻布台ヒルズに。厨房もお客も一体となるような長大なカウンターに、素晴らしい料理の数々と気さくなスタッフら。
そこはさらに進化を続け美食の頂点の一軒となっていました。
住所:港区虎ノ門5-10-6麻布台ヒルズ ガーデンプラザD 2F
電話:03-6435-8018
定休:日曜夜・月曜・火曜昼
営業:12時〜12時半LO/18時〜18時半LO
この素晴らしいレストランへは神谷町から麻布台ヒルズにつながっている地下の駅前広場から「TOKYO RAMEN RAGE」の前を通り抜けた先にある目立たないエレベーターを使います。
エレベーターを降りるとそっけない通路なので、なにか間違って管理用のスペースに迷い込んだのではないかとドキリとしますが、向かって右の通路の先に一面ガラス張りの扉があります。
中に入ると外の灯りが見えるレセプションスペース。も、もしかして、正式な入口はそちらだったのだろうか? でも、その後も、その扉から入ってくる人はおらず、ぼくらと同じエレベーターで来る方ばかりでした。
レセプションから左に鉄格子のような扉があり、その先に足元をぽつんぽつんと照らす灯りの薄暗い通路。
その手前の壁に店名がロゴと共に貼られていました。
18時になるとダイニングに案内されます。
長大な黒いテーブルのダイニングで、オープンキッチンとバーカウンターが一緒になったライブ感の強い空間。それなのに換気扇の音が聞こえないんです。
24年6月27日夜の来訪。
この日は6人で、ぼく以外は美女5人と言うハーレム状態でした。
ディナーコース 20000円 + ノンアルコールペアリング 10000円
コースはお任せだけで、ドリンクはアラカルトもありますが、素晴らしいと伝え聞くノンアルコールペアリングにしました。
乾杯にシャルドネのノンアルコールスパークリング、プティ・エトワレ ノンアルコール シャルドネスパークリングです。
テーブルに上に白いレース。この上に皿が乗ります。
枝豆 新生姜
三角形に巻いて焼いた笹の葉から。
なかはむっちりして砕片も入る枝豆のおやき。バターで焼いたものだそうですが、これがまた素晴らしく美味しい! 笹の焼いた香りも乗っているのです。
それに葉生姜のピクルス。食べられる部位は衣をつけて揚げてあります。食べると当たり前ですが、ビシッと生姜が効いています。これにフワフワのフロマージュブランのソースをつけていただく。
ここで綺麗な鍋が登場。
鍋の中には可愛らしい饅頭のような塩釜焼きの蕪。
レモンバーベナ、バナナのノンアルコールカクテル。レモンに似たハーブのレモンバーベナの柑橘家の香りに、バナナの風味と甘味がふわっときます。
豆乳
これがまた凄い一品。
冷たいお皿は白と黒の色合いで。
上にはじゃが芋のアイス。しっかりジャガイモ、ヴィシソワーズのようでしっかりジャガイモの味わいが美味しい。その下には大きなタスマニアの黒トリュフのスライス。そしてフワフワの豆乳のムースで、周囲はレモンのコンフイを使った爽やかで酸味のあるスープ。この満足度が素晴らしい。
石の上に温かいシュー。薄くあげたようなシューに黒トリュフをめぜ込んだジャガイモのピューレ。
マンゴーとミントに、ピーマンとゴーヤの苦味。最初から香りが苦い。味はマンゴーが主体でした。
蕪
先ほどの塩釜焼きの蕪をスライスしたものです。下には蕪のピューレとカラスミのソース。菜種油にエストラゴンを使っています。横にあるのは焦がした昆布のソース。甘味のあるカブも優しく良いが、カラスミのソースが激うまです。
酒粕の蒸しパンとライ麦の蒸しパン。蒸しパンなので花巻的で美味しい。
バターはなんと豆乳のバター。確かに大豆味。これがまた美味しい。
後半でおかわりしてしまったほどです。
バジルとイチジクにバニラ。香りがバニラ。意外にさっぱり薄めで、美味しいとは別なところにある感じ。
賀茂茄子
賀茂茄子の輪切りの料理。中をくり抜いて、刻んだ賀茂茄子と稚鮎、そして青柚子を混ぜ込んだものを詰め直しています。味的にはややスパイシー。
上には紫色の賀茂茄子の皮のピューレのシート。
下の緑は抹茶の香りのオイル。
ナイフがスルッと入る小気味よい茄子自体も美味しかったが、下に餅のような美味しいものが。なんとナスのニョッキだそうです。
エゴマに、ノンアルコールジン、透明なトマトのエキスに、爽やかな河内晩柑。
フェンネル
フランです。
上にはザクザクした食感のフェンネルスライスと香り付けのディル。
滑らかなフランの表面にはフェンネルのすり流しだと言うスープ。このスープがまた激うまでトリュフの味がしたような気がします。説明にはなかったので錯覚かもしれません。
それにグレープフルーツとレモンバームのゼリー。
ここで見せてもらったのは千葉県産の花悠仔豚のローストです。素晴らしい焼き上がりですね。
炭火焼きのハタ。身が厚くハタ自体が美味しい。
ここにざく切りして乗せた発酵キャベツ。
横に添えられているラヴィオリにはヒジキのペースト。
ソースには旨味が濃いハタの骨の出汁に発酵キャベツを絞った汁と白胡麻を混ぜ込んだもの。
魚料理も素晴らしい。
兼ね合い
肉料理は先ほどの花悠仔豚。
皮はバリッと硬めに焼かれ、その下のゼラチン、そして柔らかでジューシーなお肉と続きます。
豚肉を焼いた汁に焦がしバターのソースです。これが美味しい。
ゼリーのトマトシートの下にはクリーム状のパプリカのムース。
それに緑の大葉のチップス。ヘタまで食べられるに小さなナスにはビネガーソース。
さらにサイドには、クッキー生地の煎餅の上に、頭の部位の肉を硬めで焼いたもの、そしてラディッシュのピクルス。
赤ワインのように見えますが、苦味のある野菜であるトレビスとブルーベリーに焼きナスと煮詰めた味醂のジュース。ううむ。
マンゴー
口直し的なアヴァンデセールが大きい!
薄いトーストのように感じる軽い口当たりで甘いメレンゲの土台。
その上に宮崎県産マンゴーのピューレ。
そして、ココナツミルクを液体窒素でかためだ口当たり軽いアイスに、さらに模様のように満遍なくかけたマンゴーピューレです。
手にとって齧って食べると、楽しく、そして美味しい。これまた驚愕の一品。
リュバーブ
デザートはルバーブの赤い葛切り。下にはルバーブのアイスで、かけられているソースもルバーブのものです。
一緒に温かいタルト。上に敷き詰められているのはルバーブのコンポート。中にはホワイトカカオ、ルバーブのジャム。ルバーブに繊維があり、ちょっと食べにくかったかな。
小菓子は4種。
サクランボ。
小さなヨモギのエクレア。チョコとピーナッツ。
パッションフルーツの香る生菓子。
食後の飲み物はコーヒー、紅茶、煎茶、ハーブティーからの選択。
定点観測であるコーヒーにしましたが、このコーヒーまで特別感あるものでした。
最後に蜜蝋で封をした封筒に本日のメニューをいただきました。
お会計は33880円。
ノンアルコールペアリングは面白いのですが、中国茶の水出しがあるので、個別に頼めばよいかもしれません。