「Sincére(シンシアー)」@北参道(☆☆彡)
https://www.facebook.com/fr.sincere
元「バカール」の石井シェフの新しいレストランはその素晴らしさをさらに進化させています。
サービスのスタッフも親しみやすく、空間の雰囲気良く、驚きと美味しさの両立したコスパ優れる料理は健在。
開店したばかりで既に予約困難状態に突入しております。
住所:渋谷区千駄ヶ谷3-7-13原宿東急アパートメントB1
電話:03-6804-2006
定休:日曜/第1・3月曜
営業:18時~23時
北参道というあまり何もない立地の住宅街、それもマンションの地下みたいな場所です。
入り口は緑をたっぷりと纏ったアーチ。地下のお店ですが、そこまでオープンで、階段を降りた場所にはテラスがあります。
入ってすぐにキッチンが見えます。棚には独特なデザインのきゅうすが並んでいます。
すっきりとした上質な空間で、壁には落ち着いた色合いの緑。
Menu SP シンシア コース “繋がり” 9600円 + ノンアルコールペアリング 2700円
シャンパン代わりにいただくのは高知の古木柚子と和歌山のハッサクのノンアルコールカクテル。
ハッサクの渋みと柚子の爽やかな酸味が美味しい。
「バカール」でもおなじみだった発酵バターのキューブ状のブリオッシュ、シンシアバージョン。焼印がシンシアなのです。外側はパリッと薄く、中は卵たっぷりの美味しいブリオッシュです。
ふっくらしているのは金時豆のパンで、上にはマルドンの塩。
下の左にはイチヂク、ピーカンナッツ、くるみの入る赤ワインを練り込んだパン。赤ワインの酸味と甘みがいきています。
そしてカンパーニュ。
木の板に盛り込まれているバターは、とても柔らかい信州の味噌を合わせたバター。
牡蠣の殻の上に盛り付けてあります。提供する時も牡蠣の殻の上にたっぷりと盛り付けたスタイルで。
宮城の牡蠣のムニエルで切ってあるから食べやすい。
上には春菊と赤紫蘇の芽。フレーバードワインであるベルモットのソースはバターにも似ていて美味しい。
緑の岩海苔のチップと液体窒素で凍らせた柚子をかけています。
最初から素晴らしいです。
ここでサプライズ。最初に置かれていたお皿が取り除かれると紐で結ばれた本日のメニュー。
ストウブの鍋に串を刺した生の車海老。水を入れると煙!?
ガス入りの水はサンペレグリノ。
ブドウの酢と果汁のジュース。
ココファームワイナリーのベルジュ風ブドウ酢がベース。澄んでいますが口当たりは辛い!
中央が窪んだリンゴのような木の皿に。
透明に澄んだトマトの汁を凍らせたアイスとそのトマトのエスプーマ。
上には液体窒素で凍らせたローズマリーのパウダー。
立てられているな胡椒の飴とマルドンの塩。
ラッパ型のガラスのグラスで、皿には珊瑚の飾り。。バカール時代のカクテルグラスより進化しました。
そこには細かなさいの目状の南仏野菜のラタトゥイユ、クリーミーな白いカリフラワーのムース、濃厚な味わいのコンソメのジュレ。上にはハマグリの泡。魚介のカクテルなので、コリコリのツブ貝とその紐に、ハマグリ、そして生雲丹も。ただ、この生雲丹はちょっと苦手かも。
今度は薄い板のような木の皿に。
先ほどの魚介のカクテルで使われていたコンソメのジュレやカリフラワーのムース、ラタトゥイユ、ハマグリの泡、そして金目鯛の炙りです。
ここに先ほどのエビを。下には海藻が敷いてあったのでその香りとともに。エビ味噌までいただけます。
インドのタルボ農園のダージリンファーストフラッシュ。
赤ワインの大きなグラスに。その香り、フルーティーで素晴らしい。
「バカール」といえばバーニャカウダと蟹味噌のソース。
その進化版がこれ!! 土のイメージの下の皿の上に重ねたガラスのボウルには氷を入れ、緑の野菜を配しています。
まずは中央の黄色い細長い葉のコーンスブラウト。噛んでいるとコーンの香りがして甘いのです。
野生のアスパラ、赤いラディッキオロッソタルディーボ、揚げた感じのディル、イタリアのおかひじきと言われるアグレッティ、小さな蓮の葉のようなナスタチウム、甘いイタリア人参など。揚げているアーティチョークには塩味がついてました。それに辛味のあるラディッシュの小さいの。揚げた五郎島金時。セロリ。ロマネスコ、蕪、マイクロトマト。そして筋張っていて食べれなかったシマシマビーツ。
もちろんいただくのはカニの身とカニ味噌の香りと味の強いバーニャカウダソース。銀色の卵のような容器に入っていました。
さて、これだけに終わりません。食べ終わった後に下を見れば、土の中にある緑、中国野菜のトンナムルの新芽だそうで、それも食べられます。シャクシャクしてアイスプラントのような食感。そして、茶色くてわかりにくいのですが、キノコの形をしているポルチーニ風味のクッキーも。これは香りが強かった!!
魚料理の皿はイタリアのグリンピースに細かな金目鯛の身。オレンジ色のソースはミニトマトとパプリカのソースにフキノトウとホタテの旨味と苦味が加えられてものだそうです。
この上に乗せられるのがたい焼き!?
実はこれ、パイ包み焼した伊豆の金目鯛なのです。
ノンアルコールのドリンクペアリングは、生姜に酢橘とゴマ。
自家製のジンジャーエールな感じですが、後でゴマが口に残る感じでした。
ここで「81」でも出た刃紋の美しい福井の龍泉刃物のナイフ。
好きなものを選択できます。
ストウブで調理されるのはアグー豚の原種に近いという今帰仁アグー豚のロースト。
こちらの庭で採れたローズマリー、セージなどとあわせて調理されています。
すっと入るナイフでしっとりしたローストを口に運べば、甘味と旨味が滑らかな豚肉から確かに感じられます。
付け合せは、たけのこ、塩気のついたホワイトアスパラ、山菜のうるいやタラの芽。ライスパフを撒き、モリーユ茸のソースを合わせています。
肉料理に合わせるドリンク、これがまたすごい。
基本は山のきぶどうという山葡萄のジュース。これにスパイスシロップの上澄みによるスパイシーさと、キノコのエキスの土の香りを加えたものです。キノコのドリンクのノンアルコールペアリングは「Noma」であまり良い思い出がないのですが、これは上手く仕上げています。
こういうものを味わうと、アルコールの選択をワインなどでするよりも、味覚の鈍らないノンアルコールカクテルの方が料理とのマリアージュをより実現できるのではないかと思わせてくれる。イメージに合わせて組み合わせることができるのですから!
一皿目のデザートは緑の粉末に覆われていました。
これは液体窒素で作ったよもぎのアイス。
下にはマリネした日向夏とマーマレードに日本酒のサバイヨンソース。ライ麦を使ったサクサクのクッキー生地も食感に加えられています。右にはよもぎ乾燥して塩混ぜたもの。味変に使います。
黒い皿に生姜と黒胡椒の効いたチョコのアイスと枝に見立てたチョコポッキーのようなもの。
削り下ろしたチョコにクリームなど。
そこに目の前で薔薇の花びらを液体窒素で固めたパリパリのバラの花びらを添えてくれました。一緒にベリーのジュースをアイスにしています。
食後の小菓子まで手抜かりはない。
木の切り株の中は鳥の巣のようになっていて、卵っぽく見えるのはクルミのクッキー。ホロホロと崩れるもので中にクルミがあり、周りに白い砂糖をまぶしています。塩気も程よい。
板の上には栗のマドレーヌ。コニャック漬けなので、後でクラクラしました。
そして、スコップ型のスプーンを添えた植木鉢に土のようなチョコレート。
最後の飲みものはフレッシュハーブティーを。
抹茶をいただくような碗でいただく。
帰りに5種のトマトのマカロンをお土産でいただきました。
ありがとうございました。