「たきや」@麻布十番(☆☆☆)
これまた時代が生んだ進化系天麩羅屋さん。
大将の笠本辰明氏は笑顔にナイナイの矢部を思わせる好人物。
「吉兆」で10年和食を学んだ後、天婦羅へと進み12年、「リッツ」で天婦羅を担当していた方です。
その天ぷらは超絶。従来の天婦羅を別視点で見直し、美味の新境地を切り開かれています。
住所:港区麻布十番2-5-11 AZABU MAISON 201
電話:03-6804-1732
定休:不定休
営業:17時半~22時
麻布十番の裏通りにあるビルの2階。1階に和装の女性が傘を持って待ってくれていました。
階段を上がり、和の入り口に。
中に入れば美しいカウンター。中央に天婦羅を揚げる銅のフードのステージ。
奥には個室です。こちらは黒いカウンターで6人入れます。室料がかかりますが。
卓上には黒塗りのお盆。
一人に1セットの塩が置かれています。左からピンク色の桜の塩、緑色の抹茶の塩、黄色いカレーの塩。右の器には結晶の塩です。
16年2月20日夜の来訪。
友人女史の個室貸切の会に入れていただきました。
飲み物は最初に冷たい緑茶。
次に黒烏龍茶。
ジンジャーエール。
そして温かいほうじ茶の順。
突き出しは刺身。
右は三重の本マグロ。きめ細かで上質。素晴らしい。添えられている緑は茹でたつるな。アイスプラントに似た食感の青菜でした。
奥にはてっさ。ふぐ刺しで、テッポウ刺しの略でてっさとあります。ふぐは山口のものらしい。コリコリした部位と水分を抜いた大根おろしの紅葉おろしに万能ネギ、そして綺麗に切られた酢橘です。ポン酢でいただく。
いくらには柚子。
こちらで揚げるために使われるのは胡麻油ではなく、紅花の一番油。旬の食材が持つ素材の香りのため、あえて香りに癖のない紅花油で揚げているのだそう。
本日の食材は下処理されて木の桶に並べられていました。
最初に巻き海老。しっぽまで美味しくいただく。
エビの脚。スナック的な何かに思えるほど従来の天ぷら屋さんのそれとは別物です。
ところでこちらの大根おろしに天つゆがまた美味。
水分しっかり切った大根おろしで、細かな目で摩り下ろして水分を適当に切ったもの。
フキノトウ。蕾に香りが詰まっている。それを開いてそこにだけ衣付ける。その衣がまたフワフワ。
ふきのとう自体の軽やかな苦みも素晴らしい。うっとりするほど過去最高のフキノトウでした。
もう一つは対照となる山菜のたらの芽。ホクホクした口当たり。春の息吹を感じる旬の味が嬉しい。どちらも好きだなぁ。
ノドグロの天ぷらとバチコの天ぷら。
パツンパツンに身がはった極上のノドグロを一晩干して旨味を増させたものを使用しているそう。
いやこれだけで十分に美味い。
ここにチーズのような独特の濃厚な香りのするばちこを合わせる。
交互に食べて口の中で混ぜ合わせる。
その旨味の濃さ! 味わいは新次元で激ウマです!!
茨城のレンコン。
少し強めに揚げられていますが、これがまた最高の食感。
そして、レンコンが持つ自然な甘みが感じられます。
これも最高!
フグの天ぷら。
腹の薄皮がついたフグを使用。その膠部分は天麩羅にして熱を入れるとゼラチンになるのだそう。
フワッとしてジューシー。
香り良く美味しい。
ふぐの白子の天ぷら。
聖護院かぶらと出汁の餡を上からかけています。
柔らかに餡を吸った衣からして美味しいが、中はトロトロの白子なのですからたまらない。
ここに酢橘の香りが加わってきます。
サラダです。細長く切った大根、ニンジン、キュウリ、水菜などで、そのバランスは最高♪
かけられているドレッシングも自家製でこだわりのもの。使っているのはホワイトバルサミコ。昆布とカツオを入れて酢を作り、バランスが良いように適当に酢を飛ばしたものにしているそうです。それにシャバシャバな自家製マヨネーズ。
上にはカリカリに揚げられたタタミイワシ。それに温泉卵。これを溶き入れて絡めていただく。
リッツの天ぷらカウンターの頃からの作り方みたいですね。
天ぷら屋さんでは珍しい牛肉紫蘇巻きの天ぷら。
牛の脂が天ぷらの油を汚さないように大葉を巻いたところが肝。
蒸し焼かれたその肉質は肉質きめ細やかでジューシー。
上にはたっぷりの黒トリュフを削りおろしています。
これにさらにトリュフ塩をかけていただく。このトリュフ塩も極上です。
舞茸。中の水分を飛ばしカリカリとするようにきつめに揚げられています。
天つゆに大根おろしをといて、カリカリした舞茸ですくって食べる。
天つゆも美味しいから、とても素晴らしい。
白魚。カリッとしつつしっとり。無添加無着色の桜塩でいただきます。
鳴門金時の天ぷら。これが驚愕の品です。
天ぷらのサツマイモというと、ホクホクして水分が結構飛んでいるようなイメージがあったのですが、これはカリッとした衣の中にはトロンと甘いペーストに近いサツマイモ! 石焼き芋の濃厚な甘みに近い。これは生からではなく、1日前に蒸して一晩冷蔵庫で寝かした鳴門金時を使っているからなのだそうです。
サツマイモに関してもその下ごしらえの手のかけようは凄いですね。
天ぷらは最後にまた巻き海老。
追加注文で本日7本しか仕込まれていない特別メニュー。
牛があれば、豚もあるということです。
ミルフィーユのように重ね合わせた豚肉でグリュイエールチーズを巻いた天麩羅。カリカリの衣でした。
グリュイエルチーズのとろりとした口当たりに豚肉に脂の甘みが重なり、黒胡椒の香りで占められます。
牛と同じようにトリュフ塩でいただくのも美味しい。
締めは天丼。芋とニンジンにゴボウと小柱。甘いけど控えめな感じのタレで。これはキツめに揚げられていてカリカリ。この天丼は若い人が揚げていたためか、いまいちな感じでした。これはもう少し進化の余地を残していると思われます。
味噌汁はフグのアラが具。アラとは言っても、実に食べやすい。
香の物香は糸のような昆布とゴマが入る白菜の浅漬け。
デザートは苺のゼリー寄せ。イチゴの香りはもちろんだが、ホワイトキュラソーであるコアントローがかけられています。
下には香り良いバニラビーンズの甘いソース。
最後に至るまで細部にこだわった美味しいデザートでした。手をかけて美味しさを実現する大将の性格をよく表していると思いました。
最後は緑茶をいただく。
実は紹介制ではなくなっています。ただし、その価格帯自体が行ける人を自ずと律してしまうと思われます。
それでも、早晩予約困難になる。ここはそういうお店だと思います。
これまた時代が生んだ進化系天麩羅屋さん。
大将の笠本辰明氏は笑顔にナイナイの矢部を思わせる好人物。
「吉兆」で10年和食を学んだ後、天婦羅へと進み12年、「リッツ」で天婦羅を担当していた方です。
その天ぷらは超絶。従来の天婦羅を別視点で見直し、美味の新境地を切り開かれています。
住所:港区麻布十番2-5-11 AZABU MAISON 201
電話:03-6804-1732
定休:不定休
営業:17時半~22時
麻布十番の裏通りにあるビルの2階。1階に和装の女性が傘を持って待ってくれていました。
階段を上がり、和の入り口に。
中に入れば美しいカウンター。中央に天婦羅を揚げる銅のフードのステージ。
奥には個室です。こちらは黒いカウンターで6人入れます。室料がかかりますが。
卓上には黒塗りのお盆。
一人に1セットの塩が置かれています。左からピンク色の桜の塩、緑色の抹茶の塩、黄色いカレーの塩。右の器には結晶の塩です。
16年2月20日夜の来訪。
友人女史の個室貸切の会に入れていただきました。
飲み物は最初に冷たい緑茶。
次に黒烏龍茶。
ジンジャーエール。
そして温かいほうじ茶の順。
突き出しは刺身。
右は三重の本マグロ。きめ細かで上質。素晴らしい。添えられている緑は茹でたつるな。アイスプラントに似た食感の青菜でした。
奥にはてっさ。ふぐ刺しで、テッポウ刺しの略でてっさとあります。ふぐは山口のものらしい。コリコリした部位と水分を抜いた大根おろしの紅葉おろしに万能ネギ、そして綺麗に切られた酢橘です。ポン酢でいただく。
いくらには柚子。
こちらで揚げるために使われるのは胡麻油ではなく、紅花の一番油。旬の食材が持つ素材の香りのため、あえて香りに癖のない紅花油で揚げているのだそう。
本日の食材は下処理されて木の桶に並べられていました。
最初に巻き海老。しっぽまで美味しくいただく。
エビの脚。スナック的な何かに思えるほど従来の天ぷら屋さんのそれとは別物です。
ところでこちらの大根おろしに天つゆがまた美味。
水分しっかり切った大根おろしで、細かな目で摩り下ろして水分を適当に切ったもの。
フキノトウ。蕾に香りが詰まっている。それを開いてそこにだけ衣付ける。その衣がまたフワフワ。
ふきのとう自体の軽やかな苦みも素晴らしい。うっとりするほど過去最高のフキノトウでした。
もう一つは対照となる山菜のたらの芽。ホクホクした口当たり。春の息吹を感じる旬の味が嬉しい。どちらも好きだなぁ。
ノドグロの天ぷらとバチコの天ぷら。
パツンパツンに身がはった極上のノドグロを一晩干して旨味を増させたものを使用しているそう。
いやこれだけで十分に美味い。
ここにチーズのような独特の濃厚な香りのするばちこを合わせる。
交互に食べて口の中で混ぜ合わせる。
その旨味の濃さ! 味わいは新次元で激ウマです!!
茨城のレンコン。
少し強めに揚げられていますが、これがまた最高の食感。
そして、レンコンが持つ自然な甘みが感じられます。
これも最高!
フグの天ぷら。
腹の薄皮がついたフグを使用。その膠部分は天麩羅にして熱を入れるとゼラチンになるのだそう。
フワッとしてジューシー。
香り良く美味しい。
ふぐの白子の天ぷら。
聖護院かぶらと出汁の餡を上からかけています。
柔らかに餡を吸った衣からして美味しいが、中はトロトロの白子なのですからたまらない。
ここに酢橘の香りが加わってきます。
サラダです。細長く切った大根、ニンジン、キュウリ、水菜などで、そのバランスは最高♪
かけられているドレッシングも自家製でこだわりのもの。使っているのはホワイトバルサミコ。昆布とカツオを入れて酢を作り、バランスが良いように適当に酢を飛ばしたものにしているそうです。それにシャバシャバな自家製マヨネーズ。
上にはカリカリに揚げられたタタミイワシ。それに温泉卵。これを溶き入れて絡めていただく。
リッツの天ぷらカウンターの頃からの作り方みたいですね。
天ぷら屋さんでは珍しい牛肉紫蘇巻きの天ぷら。
牛の脂が天ぷらの油を汚さないように大葉を巻いたところが肝。
蒸し焼かれたその肉質は肉質きめ細やかでジューシー。
上にはたっぷりの黒トリュフを削りおろしています。
これにさらにトリュフ塩をかけていただく。このトリュフ塩も極上です。
舞茸。中の水分を飛ばしカリカリとするようにきつめに揚げられています。
天つゆに大根おろしをといて、カリカリした舞茸ですくって食べる。
天つゆも美味しいから、とても素晴らしい。
白魚。カリッとしつつしっとり。無添加無着色の桜塩でいただきます。
鳴門金時の天ぷら。これが驚愕の品です。
天ぷらのサツマイモというと、ホクホクして水分が結構飛んでいるようなイメージがあったのですが、これはカリッとした衣の中にはトロンと甘いペーストに近いサツマイモ! 石焼き芋の濃厚な甘みに近い。これは生からではなく、1日前に蒸して一晩冷蔵庫で寝かした鳴門金時を使っているからなのだそうです。
サツマイモに関してもその下ごしらえの手のかけようは凄いですね。
天ぷらは最後にまた巻き海老。
追加注文で本日7本しか仕込まれていない特別メニュー。
牛があれば、豚もあるということです。
ミルフィーユのように重ね合わせた豚肉でグリュイエールチーズを巻いた天麩羅。カリカリの衣でした。
グリュイエルチーズのとろりとした口当たりに豚肉に脂の甘みが重なり、黒胡椒の香りで占められます。
牛と同じようにトリュフ塩でいただくのも美味しい。
締めは天丼。芋とニンジンにゴボウと小柱。甘いけど控えめな感じのタレで。これはキツめに揚げられていてカリカリ。この天丼は若い人が揚げていたためか、いまいちな感じでした。これはもう少し進化の余地を残していると思われます。
味噌汁はフグのアラが具。アラとは言っても、実に食べやすい。
香の物香は糸のような昆布とゴマが入る白菜の浅漬け。
デザートは苺のゼリー寄せ。イチゴの香りはもちろんだが、ホワイトキュラソーであるコアントローがかけられています。
下には香り良いバニラビーンズの甘いソース。
最後に至るまで細部にこだわった美味しいデザートでした。手をかけて美味しさを実現する大将の性格をよく表していると思いました。
最後は緑茶をいただく。
実は紹介制ではなくなっています。ただし、その価格帯自体が行ける人を自ずと律してしまうと思われます。
それでも、早晩予約困難になる。ここはそういうお店だと思います。