遅まきながら明けましておめでとうございます。
 やるべきことをつらつらと考えながら、今年も出来る範囲で簡単な記録をつけたいと思います♪
 時間が出来た時のみになりますが、ご覧下さる皆様には、深く感謝しております。
 今年もよろしくお願い致します。
 
「noma japan(ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京)」@日本橋(☆☆彡)
http://noma.dk/japan/
noma japan
 
 イギリスの月刊誌「レストラン」が毎年発表している「世界のベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)」で2010年、2011年そして2013年、2014年と4度も首位に輝いたデンマークのキュイジーヌ・レストラン。
 
 「シグネチャー」は既訪でしたが、記録できていなかったフレンチのお店。
 今回はマンダリンオリエンタルの超セレブでシンプルに美しいデザインそのままに居抜きで期間限定で入っています。
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 向かって左には待合のための変わったソファのスペース。
 レセプションには当然のことながらヨーロッパから来ている方、お客もそちらの方が多い!!
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 「noma」全スタッフで60人くらいいるらしく、それを率いているのが“THE GOD OF FOOD (食の神)”と呼ばれるレネ・レゼピシェフです。その本店がまるごと移転してきたのは衝撃ですね。
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 窓際の席です。背もたれにふわっとした毛皮がかけられているのが女性に好まれていました。

15年1月15日昼の来訪。
 同席は幹事である超エリート弁護士の友人、素敵な女社長と彼女を慕う日本一の美人女優、ビル所持の社長と幹事のはとこの美しい女性。なんとも素晴らしい時間を過ごせました。
 
Fixed Menu 42000円 + Juice pairing 16500円
 メニューはこの期間1本と聞いていますが、アレルギーなどによってチェンジされるお皿もあるらしいです。
 
apple / sour kaboso / pine
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 お酒が飲めないので最初はリンゴジュースということでお願いしましたら、見た目はそうだけど、どうにもリンゴっぽくない。
 リンゴジュースに爽やかなカボスとパイナップルジュースなのです。香り的にミントでも入っているのかと思いました。
 この印象というのは大切なのかも。実は、このなんだかわからない未体験な香りと味というのは、コースとドリンクの全編において最後まで続くのです(笑)。

Shimaebi with flavors of Nagano forest

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 ノーマの象徴となる料理は“アリ”と“コケ”。最初からのその洗礼に襲われます。
 白い皿の上に盛られた氷の上に2匹の頭付の生のシマエビ。身の殻は剥いてあります。
 そしてその上には長野県で調達されたアリです。アリには蟻酸による酸味がありますので、それ単体で食べると確かに酸味を感じます。
 毒腺にあるので蟻酸は毒だと思っていたのですが、調べてみるとこんなサイト が。結局はただの酸のようです。大量でなければ大丈夫なのか…!? アリだけ食べると、確かに結構きつい酸味があります。しかし、ブリブリのシマエビと食べると、このアリの感覚はなくなります。酸味を感じることもあまりない。これが本当に良いのかどうか悩むところ…。実際、同席の女性二人は食べることができず。アリを除いても嫌だそうで……。しかし、象徴的な一皿なのは間違いない。
 ちなみに氷の上に置いてあるので、海老の身は氷とくっついたりしています。
 周辺のシジミの殻はただの飾りです。我が家で食べるものよりも大きく立派じゃないですか。

Citrus and long pepper
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 大きな和の器の中に並んでいるのは柑橘の身です。
 それぞれに甘みと爽快な酸味がある。ブンタン、ミカン、ハッサク、カボスなど4種類の柑橘類。コペンハーゲンではレモンやオレンジを使ったものがあったようですが、現地の材料にチャレンジするがノーマの基本方針だったらしく、これは素材まで含め日本でのオリジナル。
 赤いのは唐辛子のスライスで、緑は山椒の葉である木の芽です。この辛味と香りがアクセントとしてとても効いています。
 これらの底にあるのはふんわりと黒糖のような香りのするねっとりした油。Kelp oil…海藻のオイルだそう。実は利尻昆布の油だったよう。これだけで香りを嗅ぐと、やはり海苔のような海藻の香りは確かにします。
 にしても不思議な一皿。

Shaved monkfish liver
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 皿の上にナプキンを丸めておき、その上にサーブされている料理。
 極薄でカリカリのチーズトーストの上にたっぷりと盛り付けられているのは冷た~いあん肝のスライス。滑らかで口の中で溶け出すあん肝で、味付けは塩のみか? 調べると、あん肝自体が塩、レモンタイム、ジュニパベリー、乾燥したコリアンダーシード、月桂樹の葉と昆布塩につけこまれ亭たらしい。
 あん肝の調理を別な角度から行うと、このようなものになり得るのかと感動。実は、一番良いと思ったのはこの一皿かもしれません。
 
Koika cuttlefish “soba”
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 ザルの上に乗っている蕎麦のようなものはコウイカ。つまり、これはいかそうめんなのです。蕎麦のように見えるのはその肝を和えているからみたいです。少し使われているチップスがなんだかはよくわかりませんでした。
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 この蕎麦をつける汁は氷の器に盛られている…バラの花びら!? 少し酸味のある出汁にふんわりと花びらが盛られていて、一緒にいただく。その香りは格別です。どうやら、羅臼昆布と松から作られたpine dashiに麹と水を足したものらしい。
 
Fresh water clam and kiwi
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 これも折りたたまれたナプキンの上に。
 味の濃い酸味があるような独特のタルト生地の上に盛られたクリームみたいのは、なんとシジミの身。最初の一皿で飾られていた殻はこのために出たものを利用したものでした。シジミは結構その旨味をどこかに置いてきたかのようにクセがない。いや、タルト生地の主張が強いし、間に挟まれた野生のキウィのペーストが濃いからかもしれません。このペースとはキウィ、カーフィルライム、パセリとワサビから作られたハーブペーストだそうです。これが結構酸味があり、甘くないのです。
 甘さを排除した一皿というのも面白いかも。
 この一皿を作るために使われるシジミは約50匹分。毎日4時間以上の作業を必要とするそうです。まさに労作。
 
turnip / yuzu / black currant shoots
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 ゆずのジュースということで提供をされましたが…味的にゆずではない!? 実質は蕪で、そこにクロスグリ…カシスの苦味かな。

Tofu, just steamed with wild walnuts
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 これ面白いのかどうかよくわかりませんでした(笑)
 削り降ろされているのが豆腐のアレンジなのかと思って口にすると、スルメのように削り降ろされた野生種のクルミ。コリコリしてクセなく美味しい。それに柚子の皮。
 その下にフランのように豆腐が。この豆腐、本当に普通に豆腐。しかし、出来たてとのことなので、日本に来てからこの作り方を習得したのであれば、それは凄いことかも。
 味付けは豆腐自体にはされておらず、醤油ではなく柚子のペーストのようなものが。ゆず、みりん、パセリオイルなどが混ざったソースらしい。
 
Scallop dried for two days beech nuts and kelp
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 和の器になにやらシフォンケーキみたいなものが。
 ホタテを2日間乾燥させてバターと一緒に泡立てて乾かしたものらしい。口にするとまったり溶けてバターの味わいとともにホタテの味が。
 下に置いてあるのは松の実に似たビーチナッツ。血糖コントロールを改善させる効果があるナッツらしいけど、日本ではあまり食べないのか見たことないなぁ。
  
cucumber / fresh nori
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 写真の後ろにあるものです。どうも撮り忘れたみたい。味は間違いなくキュウリのジュースです。生海苔はよくわかりませんでした。
 
Hokkori pumpkin cherry wood oil and salted cherry blossoms
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 これも綺麗な一皿。スライスしたなめらかなかぼちゃの上には乾燥した松葉のような細さの昆布。鰹節と白ごま油で味付けされているらしい。にしても量が多いかも。
 合わせているのは塩漬けにして乾燥させた桜の花。
 ここに麹から作られた白いスープを注ぎます。浮いている油がウワミズザクラの木のオイル…。
 
pumpkin / green gooseberry
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 かぼちゃ料理に合わせるのは見た目オレンジ色のかぼちゃのジュース。そこに緑の西洋スグリとどうやら紅茶が入っているらしい。かぼちゃで想像するよりも結構さっぱりした飲み口です。

Garlic flower
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 これが不思議な一皿です。花びらを模して作られているのですが、おそらく昆布を加工して作ったもの。驚くほどねっちりして歯につく食感。ガーリックフラワーという説明通り、ガーリックの香りがするのは裏に塗りつけられたペーストのためのよう。一緒にハーブもブレンドされていて独特の香りがします。サンチョベリー、レモングラス、ジュニパーベリー、蟻が混ぜ込まれているらしい。にしても、このねっちりした食感はガムに近く、お世辞にも美味しいとは思えない。。。

Roots and starches with ginger
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 これは和食の煮物に近い。各種根菜に卵黄です。発酵させた卵黄とのことで、味玉か味噌漬けかというような見事なゼラチン具合。
 根菜は諏訪イスして形取ったレンコン、芋のようなクワイ、それだけで十分美味しい百合根、小さなムカゴ、芋虫型をしていてしゃくしゃくと硬めなチョロギです。白いスープはピーナツのソース。
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 ちなみに、なぜか、この料理に合わせているのがガリ。短冊に切った生姜の甘酢漬けのようなものが付いてきます。
 外人には面白いのかもしれないけど、日本人なので、どうなのかな~と思いながらかじる。
 
Wild duck and matubusa berries
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 これまた物議を醸した肉料理。
 焼いた鴨です。か、顔がっ!!
 西洋人のメンタリティー的にはこれがありなのか、それともこの店だからこそ提供されるスタイルなのか? そういう話をするのも面白い。
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 実際に食べるのは、背中の部分で、包丁を入れて切ってあり、またパズルのように戻してあります。
 肉質はミディアムレア。川のない奥底には1枚だけささみのようなお肉がセットされていました。まさにパズル(笑)。
 これをいただくのは野いちごのソース。酸味があり、面白いけど、塩胡椒や柚子胡椒の方が美味しいかも。でも、それでは新デンマーク料理じゃないんだろうな。
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 そんでもって、残りの肉はもったいないなと言っていたら、一度下げて再提供してくださいました。
 真ん中から真っ二つに切られた頭、首や胸腺、手羽や脚など。鴨の脳みそは白子のようで後味はレバーみたいでした。
 
mushroom
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 鴨肉に合わせるのはキノコのジュース。味は驚くような味で…飲めませんでした(笑) 水に溶かしたキノコの粉みたいなのです。おかしいな、鬼押出しのしいたけ茶は飲めるのに…。これは味覚の差なのかな。

Yeast and turnip cooked in shitake
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 蒸したような蕪。椎茸とともに蒸したのかな? あまりわかりませんでした。柔らかいのですが均等にスライスして出されます。
 ここに注がれるのが味噌のソース…と言っていたけど、麹を使ったらしいコンソメスープのようなものにパセリを使ったような緑の油。

Rice
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 日本酒のアイスです。この上には口に入れるととろけてなくなるライスペーパー。
 注がれている緑のスープは柚子のスープでした。
 アイスの下には柔らかなもち米とホロホロ食感のクッキーが隠れててびっくりします。
 日本なのでご飯を使ったのでしょうが、デザートに持ってくるところが心憎い。
 
sweet koji water / juniper berries
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 これも捉えどころのないジュース。麹のジュースらしい。
 
Sweet potato simmered in raw sugar all day
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 グツグツと煮立った状態で出される暖かいデザート。
 熱い石鍋の中央に鎮座するのはスイートポテト。これ単体でも甘いポテト。
 それが入っているのは、グツグツと熱せられているキャラメルソース。組み合わせてとても甘い。
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 この甘い組み合わせに合わせるのは、緑色のワイルドキウイのソースです。ワイルドキウィとコリアンダー、エルダーフラワーのソースは甘みに傾いた口の中を爽やかにします。
 
Wild cinnamon and ferrnented mushuroom
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 もう一品。苔の上に盛られたキノコ型のチョコレート。間にはオレンジのようなねっちりした食感のものがサンドされています。
 横に添えられている枝はシナモンで、かじったり舐めたりして香りを楽しみます。
 
 最後に厨房を見させていただく。唯一の日本人スタッフの高橋惇一氏。
 接客は全てのスタッフがとてもフレンドリーで安心できる対応。おもてなしは日本だけにあらずですね~。
 
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 帰り際に日銀を上から見られることに気がつきました。なるほど、円の文字がこのレストランからよく見えます。