「Cuisine[s] michel troisgros(ミッシェル・トロワグロ)」(☆☆☆)
http://www.centuryhyatt.co.jp/restaurant/troisgros.html
「センチュリーハイアット東京」
に38年間続くミシュラン三ツ星の「トロワグロ」
が。
最高の料理に最高の接客。
ここ日本の新宿にあっても、三ツ星の輝きをまったく失うことがない名店の登場に拍手!!
住所:新宿区西新宿2-7-2センチュリーハイアット東京1F
電話:03-3349-0111
定休:無休
営業:11時半~14時/18時~21時半
1階の都庁側の植え込みに面したお店です。そちらからのホテルの入り口を入ってお店の入り口へ。壁前面はウッドで、扉へと向かうなだらかなスロープ横のガラスの向うは魅力的なワインカーヴ。扉は重そうですが、中のスタッフがしっかり見ていて、スムースにあけてくださいます。
予約の名前を告げるとスムースに案内。入って左の落ち着いたウェイティングスペースのソファに座るのも良さそうでしたが、まだ空いている時間帯であったため。座るまでも無く席に案内していただけました。歩いているとき目に飛び込むのはガラスの向こうのオームンなキッチン。角地には白く明るいフロアがあり、そこからさらに都庁に面した奥の落ち着いた空間へ。
日本建築の古い木の梁を天井に配したブラウンとウッドの空間で緩やかな照明が心地よい。白いテーブルクロスのやや肘掛の高い椅子。テーブルの上には蝋燭の明かりとダウンライトの明かりが。
白い皿の上に銀の小さな皿とコンパクトに巻いて紙で巻かれたベージュ色のテーブルクロス。
パンは木のトレイに置いてくださいます。3種類あり、表面はパリッとなっていて中がふんわりのバジルのパン、中までしっかりと詰まった香り高く美味しい胡桃のパン、ベーコンのパンです。バターには葉っぱを模して葉脈が描かれ、塩が振られていました。
飲み物はオレンジジュースを。
オレンジジュースの後はVOSSというノルウェーの軟水。VOSSは飲みやすくぼく好みの味ですね。エビアンとの選択でこちらを選んでよかった。
パンのトレイと同じ長方形の木のトレイに3種の先附。ビンチョスみたいで、手づかみでいただきます。
右から玄米あられを表面にまぶした団子のようなもの。串で刺されているので、パクリといただく。中はリンゴの風味をつけたクスクス。玄米の香りにリンゴの味わいが良く、串で一緒に付けられているグレープフルーツの爽やかな酸味がとても気に入りました。
中央は柔らかく癖の無い黄ピーマンをのせたサクサクのサブレ。下に塩の結晶が盛られていて、その上に立てかけられていました。塩気が絶妙。
中が中空の揚げパンに薄切りの赤いルバーブと超薄切りの脂身。パンというよりも揚げた薄いパリパリの煎餅みたいでした。ここに塩漬けと思われる脂身に甘いルバーブが。
前菜ひと皿目はメニューに無いもの。
刻んだ大根とグレープフルーツを含んだフランです。この上に泡立てた椎茸のクリームスープ。そして、素揚げした桜海老です。椎茸のクリームスープの味わいに香ばしい桜海老がとっても美味しい。トロトロのフランにはシャクッとした大根と苦味と酸味を緩やかに与えてくれるグレープフルーツ。
的鯛のフィーヌラーム かつおだしのジュレ マスタードのフラッペ添え Fines lames de St-Pierre, gelee de dashi et moutarde frappee
ピーナツオイルでマリネした的鯛です。薄い桃色で透き通った短冊状の的鯛はしっとり美味しい。周りのスープは鰹だしのジュレです。スプーンですくって食べると、おお、確かに鰹だしです(笑) これに削りおろしたライムの柑橘系の酸味と香りがとても効いています。
中央にのせられているのはフロマージュブランのアイス。酸味と辛味が効いていますが、粒マスタードが使われているそうです。その真ん中はわかめだそうです。面白いですね。アイス自体もとても面白い効果を。合わせて口に入れると、アイスの冷たさが味覚を刺激します。
フォアグラのポワレ ルバーブと生姜のコンフィ Foie-gras poele a la rhubarbe et au gingembre
シンプルに表面をカリッとソテーしたフォアグラに生姜を利かせたルバープの赤いソース。ソースにはライムも加えてあるそうです。付け合せは美しく、白い大根、赤いルバーブ、生姜の薄切りが添えてあります。。
スズキのヴァプール 軽いスモークの香り 白アスパラガスとフヌイユ添え Bar de ligne a peine fume, asperge blanche et jeune fenouil sarfrane
淡白なスズキのソテーで焼き目が見当たらない~と思ったら蒸したものなんですね。中はしっとりと火が通っていますのでたいした手間をかけているよう。軽くスモークをかけた香りの良いスズキ自体美味しいのですが、気に入ったのはそれを皿の傍らに盛ってある塩と砕いた黒胡椒で食べて良いということ。また、艶やかに光る小鍋でジュ・ド・ポワソンという魚と香味野菜で作り上げたアメリケーヌソースにも似たソースを自分でかけて食べるという選択肢もあります。周辺のグレープフルーツの砕片は酸味のアクセントに、飾りにも使われているイタリアンパセリをかけて食べるのもありですね~。
上にのっているのはウイキョウをサフランで煮たものです。絶妙な食感を残しています。
右に添えられているのは白アスパラガス。野菜やアンチョビを使ったオレンジ色のソースをかけているとのことでした。
小鳩のロ-スト サルミソース Un pigeon voyageur ...entre Istanbul et Tanger
小鳩のローストで、脚1本と胸肉。脚はコンフィのように中までしっかり火が通り、ソース無しで十分に香ばしく美味しい。レモン入りののフィンガーボウルも出してくださいますので、手づかみでいけます。これに内臓まで使ったややスパイシーで重厚なサルミソースたっぷりの胸肉。切ると切断面は赤く、しっかりした肉です。肌理の細かさがやはり秀逸で、小鳩という素材の持ち味が十分に堪能できます。
左はパート・ブリックみたいです。シナモンが香るパリパリに焼いた極薄の生地。その下にはエシャロット、人参、松の実、レーズン。
手前にはねっとりした食感のアプリコットです。枝豆が飾られています。
フロマージュ[エルベ・モンス氏熟成] Assiette de fromages [Frais et affenes par Herve Mons]
ハード系のコンテ、青カビチーズのフルムダンベール、白カビのチーズ…はなんだか忘れました。普段自分で選ぶときはハード系をコンテはミモザほど硬くありません。外側に熟成の乾燥した香りが強いですね。
合わせるのは左から、エシャロットの白ワインビネガー漬け、オレンジピール、刻んだマンゴーです。一番右のソースはストロベリーかな?
奥に見えるのはカリカリのパン・デ・エピスのトースト。超薄切りです。
メニューにはのっていない第1のデザートです。
バナナとパイナップルを同じ小さなサイコロ状に切ってライムでマリネしたもの。しっかりしながら柔らかく美味しいバナナと固い筋の無いパイナップルはとても美味。
マリブというココナツミルクのリキュールで風味付けした生クリームにココアパウダーをかけて、チョコレート味のクッキーの匙を添えています♪
シードルヴィネガーの香り 柚子のグラスとショコラのクネル ・・・Quelques fraises, fraicheur de yuzu et chocolat onctueux
左上から、シードルビネガーに漬け込んだ苺の上にチョコレートのアイス。チョコレートアイスの味わいはとても本格的。パティスリーとしても十分一流。飾りのソースも同じですね。
中央は柚子のアイス。下は砕いたクッキー、上は薄焼きのクッキーです。
右はライムで香り付けしたヤギのチーズのソースの上にフレッシュな苺。
コーヒー、小菓子 Cafe et Mignardises
コーヒー、紅茶、ハーブティーからの選択です。
コーヒーを注文しました。表面をカカオの泡が被うとてもビターで上質なコーヒーです。最後まで最上質。大満足です~(^ε^)♪
小菓子は4種。ナッツの下にヘーゼルナッツのムースとサクサクのクッキー。チョコレート風味の焼き菓子。バジル風味のカラメル。金箔をのせているのは薄いチョコレートとクッキーで間にはストロベリーのジャム。
接客は素晴らしいの一言に尽きる。スタッフは多いが、適切にテーブルに目を配り、サーブは完璧。私語も一切無い。皿の出てくる間隔もぼくのすばやい食べ方に即応する形で実に適当だから、ホールとキッチンとの連携がとても上手く取れているということですね。
デザート前にテーブルの上のパンくずなどを片付けるときに、ぼくがつけてしまった染みを小さな布切れで被ってくれるところに良さを感じてしまいました。
オープンキッチンであるが故、その調理の機械の音なども聞こえてしまいますが、一人でポツンとするまでは素敵な時間のためか聞こえもしませんでした。もちろん、聞こえていた音はぼくのためのデザートで泡立てる音でしたけど(笑)。
さながら一枚の絵画のように整然とした美しいダイニングが見れました。ゆったりした空間にきびきびして背筋の伸びた給仕。サービス料はこういう方に払うのであれば納得というものです。
総評は☆☆☆(三ツ星)です。
また1軒素晴らしく素敵なお店が増えました。子供も昼なら大丈夫みたいですので、頭に入れておかないと!!