「中村孝明YOKOHAMA」(☆☆)
http://www.koumei-nakamura.net/
2代目和の料理の鉄人中村孝明。
初代道場に比べ番組中では実力を疑問視されかねない展開が多かったのですが、横浜の高島屋にある彼の店は行ってみるとその実力が本物であることが伺えます。
和食というよりもすでに無国籍料理に近いのですが、その中で出てくる和食の技量たるや和食の店の真骨頂を見せてくれる。日本人にはもっとも好ましいスタイルではないでしょうか。
住所:横浜市西区南幸1-6-31 横浜高島屋8F
電話:045-412-5656
定休:高島屋に準じる
営業:11時~15時半(土日祝~16時半)/17時~22時半
横浜高島屋ローズダイニングの右奥突き当りにすっきりとした面持ちでお店はあります。
中に入っても落ち着いた雰囲気。
パーティションで個室へと変わる場所で2回、広いダイニングで1回いただいているのですが、個室の方にはテーブルのすぐ横の壁に西の巨匠神田川の色紙が飾られています。
それ以外は西洋画の風景の絵が飾られ、和食のお店には到底思えません。
07年7月29日昼に再訪しました。
日曜日昼だけあって、さすがにどこも行列でしたが、和食は人気が無いのかここは空いていました。
飲み物は柚子フレッシュ682円と烏龍茶504円。
スタミナ膳 2625円
期間限定のものがあったので、二人ともこれを。パッと終わるものが希望だったためでもあります。
本日の小鉢
ひじきです。娘も初めて食べましたが、美味しくいただける。
本日のお造り
艶やかに透き通って光る鮪の赤身、頭まで透き通って新鮮で甘い甘エビ、白身はカンパチでしょうか? 創作が入っていないこういう刺身でもこの価格で十分良い品が出てくるところが凄い。
茶碗蒸し
小さめの茶碗蒸し。スも入っておらず滑らかにクリーミー。上には和風だしの餡。具には銀杏のみ。
季節の冷たい煮物盛り合わせ
ガラスの器に。里芋、人参、絹さや、カボチャ、冬瓜の煮物でした。柚子を利かせた和風だしのジュレが掛けられているし、味はとてもよい。
焼肉丼
陶器の皿の上にご飯を少なめに盛り、やや甘いタレを掛けて、上に焼いた和牛の薄切り肉をのせた丼です。これが肉の質が良くて美味い。やや赤身が残る焼き具合なくらいで刺身でもいけたのではないかと思うような肉質は旨味十分。甘いタレもよいし、上にのった刻んだ貝割れがまた辛味を与えてくれて引き締めてくれます。シンプルながら美味い~!!
味噌汁と香の物もついています。
ということで、大満足で帰路に着きました。
07年4月に再訪しました。
娘連れで来訪しています。可能な限り短い時間でということで、懐石ではなく、弁当の形のものを選択してみました。
フォアグラの茶碗蒸し1260円
娘のために頼んだのがこれ。派手な器で。裏ごししてフォアグラを加えたような滑らかでまったりとした濃厚な口当たり。上にかかっている和風出汁の餡以外、具は一切入っていませんし、量も少ないのですが、満足いく逸品。娘も喜んで食べていました。
松花堂 3150円
家内が頼んだのはこれ。ぼくはほとんど食べていませんので、写真だけ。
先付、八寸、造り、焼物、煮物、白御飯、味噌汁、漬け物、デザートです。
友膳 3650円
ぼくが頼んだのはこれ。
最初に胡麻豆腐というのは家内の松花堂と変わりありません。胡麻の風味と豊かな甘みを感じる胡麻豆腐。山葵と醤油ダレでいただく。
先付、小鉢、お造り、温物、合煮(?)、煮物、揚物、酢の物、白御飯、味噌汁、漬け物、デザート。
焼き物は和牛のステーキで、これも甘いタレに粒マスタード。
御飯は白い御飯。実は、この日一番美味しく感じたのはこの御飯。これだけで噛むとやさしく甘くて。
この日は御飯だけでなく、全体的に甘さが印象に残りました。良くも悪くもです。
デザートは胡麻のクレームブリュレ。
04年3月3日の来訪時の記録。
月代わりでメニューが更新されるそうです。
懐石 季の香 8000円
先付)三色湯葉の刺身 生雲丹 ラディッシュ
生ウニは新鮮で甘い上質な品。仕入れの良さを感じさせてくれます。
前菜)筍クリーム豆腐~生海苔餡 白海老塩辛
飯蛸旨煮 稚鮎(敷味噌) 桜葉砧巻き
三色団子 花びら百合根 紫花豆みじん粉
藤で編んだ籠に詰められた前菜の盛り合わせです。揚げた稚鮎は緑色の味噌をつけて美味しくいただける。筍クリーム豆腐は筍の味のするクリーミーな豆腐で生海苔の餡が面白い。
吸物)丸仕立て~スッポン豆腐 鱶鰭 白髪葱 芽葱
スッポンの吸い物でしみじみ美味しい。
造り)平目/上海蟹味噌ソース
中トロ焼き霜/おろしポン酢
車海老うるい巻き/味噌醤油
ヤガラ昆布押し/梅肉醤油
貝類のゼリー寄せ
他の皿に比べれば貝類のゼリー寄せは酸味と味付けがきつい。その分口はさっぱりとするメリハリの利いた品々。
温物)フォアグラの茶碗蒸し 鱶鰭あん掛け
フォアグラの風味の強いまったりした茶碗蒸し。鱶鰭のあんかけが面白い。
焼物)1)焼物三種 鰆柚庵焼き 甘鯛ポテト焼き鶯餡 銀鱈西京焼き
和食の真髄をうかがわせ、このお店が和食中心であることを思い出させてくれる魚料理が並ぶ。
焼物)2)シャラン鴨のステーキ~ジャガイモとえんどう豆のソース
これは洋食の鴨肉の印象がかなり強い。まだ小さいサイズの新ジャガがごろごろしているが、これもぎゅっとした美味さが。
煮物)穴子豆腐 筍 蕗 新じゃが 蕨 桜人参
酢の物)花山葵酢浸し 糸雲丹
山葵の軽い辛味が口に良く、酸味も適度。
鶏肉のだしがご飯に移り、非常に美味しい炊き込みご飯になっていました。
デザート1)ヘーゼルナッツのブリュレ 抹茶のあんみつ バニラアイス
デザート2)季節のフルーツ 紅白桜餅
懐石 陽の香 5000円
先付)ヘーゼルナッツ豆腐 芽キャベツ 海老 とびこ チャービル
ヘーゼルナッツという変わった風味の豆を豆腐にしたもの。軽い先制パンチ。この店の和食への取り組みの姿勢が初心者にもうかがえる小皿です。
吸物)えんどう豆のすり流し ~ 海老真丈 花びら人参 蕨
グレープフルーツの柔らかな酸味と甘みがこんなにも鯛を引き立てるのかと絶賛するような皿です。ここに来てこのお店の真骨頂がみられました。
温物)白子茶碗蒸し
白子の風味のする茶碗蒸しです。その口当たりは良く、素材の選び方がお客の期待感をあおりますね。
焼物1)和牛バラ肉の酒粕煮 新じゃが スナックエンドウ 赤ピーマン
これは他の品と比べるとやや塩辛い。春菊の天ぷらはそのよさを再認識させてくれました。
酢の物)花山葵酢浸し 糸雲丹
器が違います。このあたり和食の店だということを実感。
食事)山菜炊き込み御飯
タロイモアイスは紫色で紫芋?と考えさせられる。
これもフルーツのデザート。
食後のコーヒー。
蛇足ですが、親父が飲んでいたお酒です。利き酒のように飲めたみたいです。これ面白いですね。
中村孝明YOKOHAMA (懐石料理 / 横浜)
★★★★☆ 4.0