「三和楼」(☆☆)
横浜中華街にも上海料理で美味しい老舗があります。
その味付けはあっさりしながらも絶妙な塩加減で余計な手を加えない。
上海蟹をこの店ではじめて食べたのでぼくらには思い入れがあります。
住所:横浜市中区山下町190
電話:045-681-2321
定休:水曜
営業:11時半~20時45分(LO)
お店は中華街大通りから行くと、市場通りを通り抜け、関帝廟通りに入ったところで左に曲がったちょい先の場所。
外観は良くある中華街の中華料理屋さん。円形の扉の形が個性的で面白いかも。1階はテーブル席が並んでおり、ぼくらは2階の座敷に席を用意してもらいました。
日中友好蟹づくしコース 10500円
2004年11月25日に訪れました。
このメニューは12月上旬までの期間限定で、要前日までの予約。これを10人で食べようという集まりです。
鯛の中国風刺身
前菜というと焼き物と酢漬け、くらげなどの五目前菜が一般的ですが、ここでは最初から度肝を抜かれました。美しい巨大な鯛の姿盛りがドンと一匹。周辺にはナッツや白髪ネギ、春巻きの皮を揚げたもの、台湾パセリなど。目で十分に楽しんだ後にかき混ぜて取り分け食べます。あっさりした味付けは日本人の口に合う美味しいさ。むっちりした鯛、カリッとしたナッツもよく、最初からこのお店に来て良かったという気持ちになれました。
カニ肉入りツバメの巣スープ
卵白であわ立つトロトロのツバメの巣のスープ。細かな蟹肉が加えられ、甘いクコの実がアクセントになっていました。
上海ガニ肉入りフカヒレの姿煮
やや小さめのフカヒレの姿煮。それでも10枚あると壮観です。醤油ベースのソースには上海ガニの身とメスの卵巣が混ざり、蟹味噌の味もします。
タラバガニの炒め
プリッとぶっといタラバ蟹の身、アスパラ、マコモ茸の塩炒めです。味付けはしつこくなく、濃すぎずちょうど良い塩梅。
ワタリガニの黒豆炒め
ネギの青い部分とワタリガニの脚の黒豆炒め。身を穿り出し、吸って食べるワタリガニは苦労するので正直苦手だが、黒豆のソースはなかなか美味しいし、ヘルシーな印象を与えてくれる。
ズワイガニ爪揚げと排骨揚げ
蟹の身たっぷりの蟹爪揚げとこの店自慢の排骨の盛り合わせ。排骨はカリッとしていて味が染みており美味。
上海ガニの蒸かし
一人1杯。オスとメスがあるので夫婦で行くと良いでしょう。身は4つに切られているのでシェアすることも出来ます。
上海ガニは思っていたよりも大きく、メスは赤い卵巣が、オスは精巣が美味しい。
トロリとした精巣は濃厚な卵にも似て、これまた濃厚な黄色い蟹味噌が加わると、今までに体験したことのない美味しさが口を満たしてくれる。一度この味を知ってしまっては毎年食べるしかありませんね。
ところで、上海蟹ですが10月から11月一杯までしか食べられないという逸品。中秋の名月より漁が解禁される中国は揚子江流域の湖沼の蟹。正しくはシナモズクガニといい、蘇州近郊の陽澄湖や無錫太湖で取れるものを上海蟹(大閘蟹)というそうです。
蒸蟹という食べ方が有名。生きた蟹をタコ糸でしっかり結び、紫蘇の葉を巻いた蒸篭で一気に蒸し上げる。青黒い甲羅は蒸し上がりとともにその色を鮮やかな琥珀色に変えるとのこと。
カニシュウーマイ
蟹の身が上にのるシューマイで通常のものよりもシューマイの出来は良い。
カニ炒飯
フルーツ
メロンでした。上をヘタで飾るのも見目良く良いアイディア。ただ、まだ浅いもので固く甘さも不十分。急ぎすぎですね。デザートに関してはさすがに伝統的中華料理屋さんです。
それにマンゴープリンと杏仁豆腐もサービスで。
これはここで出てきたお茶と飲杯。入れ物が編みこみで作られた渋いもの。これ好みなんです!
ちなみに実は2005年に再訪しています。12月3日ですね。
上海蟹は食べた皆が忘れられない味でしたので。
日中友好蟹尽くしコース10500円を全員に振舞う。
コースの内容は昨年と変わりありません。
変わったなと思ったのは2点。
蟹チャーハンがふんわりと良い感じに仕上がっていて好評を博したこと。
それと今年の上海蟹は美味しくなかったことです(涙)。昨年のあの濃厚な雄の精巣のまったり感はほとんどなく、ほんの少ししりのほうの甲羅の隙間にあっただけ。時期? 時期はずれになっていましたでしょうか? そんなはずないな…。