九月二日に入院して、すぐに手術をした病魔との戦いに、ふたたび勝ったかもしれない。

 

天皇誕生日輸血休みてうれしけれ 石田波郷

輸血なほ灯して揺るる霞草 石田あき子

大好きなご夫妻の見る「輸血」。「天皇誕生日」を合せると、どこかしら戦闘モードというか荒々しい。「霞草」とは、あき子さんらしい母性を感じる、まるでσ(^^ )を見て下さっているようで、心が鎮まった。

でも我が脳みそは山頭火の澱がいっぱい、なんとかせにゃ…。

 

余裕があったようで、八月十五日に自家輸血用の採血をした。自分の貯血を使うのでより安心だ。

輸血ぽたぽたとんぼが見てゐる あき坊

 

 

術後の痛みには耐えがたい時が一瞬あって、看護師さんに鎮痛剤を点滴から入れてもらったら、すぐ眠れた。目覚めたら痛みがマイルドになっていた、痛いに変わりはないけれど。

カーテンを横切る月かげのまだ痛い あき坊

 

 

雨でも訪問者はうれしい、声無き見舞客だけど。

窓の雨のつぶつぶほの暗き病室 あき坊

 

 

残した給食のなかなか下げに来ない あき坊

お豆腐のハンバーグは美味しかったけど、食べきれなかった。ハスカップゼリーはしみじみ美味しかった。