サイクリングの安全祈願の月読神社の桜が咲いた。20㎞走る途中の坂で自転車のギアが混乱したらしくて足が滑り、右わきのフェンスにぶつかってしまった。幸いなことにビニールでコーティングされた網目だったので軽症で済んだけど。
月讀社の桜は開花宣言を通り越して、すでに五分咲きかも。
戦死者の碑へまず一輪の初桜
サイクリングは久々の遠出が快適で、と言っても弁当は持たず1時間半の気晴らしなんだけど、通り過ぎる田んぼには水が引かれていた。「田水張る」は夏の季語で今朝見たのも田植準備完了ってことでいいのかな?
気にしていても、ある日いきなり緑の田が登場するほど機械化の効果は絶大で、田植えに何日も要するほどの巨大な田んぼは近くには無くなった。
昔は大変な作業だったから、離縁した元嫁も村中総出の田植には参加したそうだ。嫁が自由を手に入れる手段として離縁してもらう時には、まだ夫婦の夫を説得して三行半を書かせた。そんなごちゃごちゃの後でも、田植えは別物だった。
トラクターの浅き轍や田水張る
サイクリング途中で秋ヶ瀬公園の脇道に入って、プチ森林浴。見通しも風通しも良すぎてオゾン少なめ。
草萌に自転車降りる森の路
やがて休憩のさくら草公園に着いたら、桜がちらほら咲いていた。桜と知って見ているから桜だけど、この姿はまだ桜じゃないな。
桜狩眩暈の残る二日酔
小さな蕾を付けてはち切れそうな若さを自慢する樹もあった。
明日は咲くだろうな。一輪咲いたら一気呵成に咲くのだろうな。
ぬうと出て不意に咲き出す桜かな
桜の開花寸前に杏もとても美しかった。
桜が勢いをつけ出したら、杏は忘れ去られてしまうことを知っているかの如く、健気に必死に咲いた。
花杏やがて寂しき墓仕舞
そうそう、先日麗しさに仰天した花の名は榠樝(カリン)だった。木蓮にしては葉がとげとげしいけど、枝から天へと花開くさまが木蓮かなと思っていた。
果物屋さんの前を通るとよく購買意欲をかきたてる良い香りが漂っているけど、あれはカリンの匂い。
そのまま食べるのは無理なので売り物ではあるだろうけど、匂いをご縁のお商売のために置いている。
まぁ客引き榠樝とでも。
葉の棘の守る深窓の花榠樝