スキーは膝の痛みが残っているので自粛しているけど、通い続ける湯沢高原スキー場をライブカメラで見たら、かなり降っているようだった。4月まで雪の量はなんとかなるかも。

 

荒天に戯れきれぬ春スキー

 

先日さいたまに降った雪は、梅をより美しく飾ってくれた。でも慣れない雪に若い花はすこし驚いた。

ひんやりと濡れた幹が生き物のように美しかった。

 

木の肌を爬虫類と化す春の雪

 

朱い萼にも雪が積もり、その端から冷たい雫が落ちた。雫にはくるくると世界が逆さまに映った。

 

清く赤き萼から雪解雫かな

 

雪は朝の内に上がって、その日の昼過ぎにはウォーキングに出られた。

ゆるい日差しの中で、鴨が水浴びをしていた。いつもなら泳ぎ去る川面に留まって、気持ち良さそうにぱしゃぱしゃと。

 

水浴びを旅の支度に鴨帰る

 

そのうち水に潜ったりしながら、すーっと移動してしまった。ずいぶんと活発な鴨だった。

旅立ちも近いのかな。

 

鴨一羽潜って浮いて飛び立たず

 

 

雪の翌日、荒れ模様の天候が続いているので、自転車は止めてまた10㎞のウォーキングに出た。同じ川に鴨が居た。

夫婦なのかな、仲良しの友人か分からないけど、「そろそろ行こうか」「もう少しここに居たい」みたいな会話がありそうな。長旅への決心がつかないのかな、川はおだやかに流れている。

 

「まだいや」と飛ばぬを誘ふ帰る鴨

 

二人のやりとりをずっと見ていたかったけど、ウォーキング路の先を急ぎ荒川土手へ向かった。

途中の桜並木では、ソメイヨシノはまだだけど、唯一の河津桜が満開だった。

 

誰彼に明るき彼岸桜かな

 

土手に上がっても遠い山々の姿ははっきりしないけど、富士山は朧げながら見えた。目を凝らすと、ずいぶんと雲が乱れて暴風雪っぽい。

 

春疾風富士に憤怒の雲の湧き

 

休憩ポイントの公園に着いたら、鶸ヒワにしては若干大きく思える鳥が遊んでいた。色合いからすると鶫ツグミだろうか。

鶸も鶫も秋の季語らしいけれど、意味がワカラン。

 

囀やキャラ弁妻に持たせ終え

 

今朝の庭には最後の山茶花が咲いていた。

枯れた花を摘まむと、かさかさと崩れてからからと落ちた。

咲き誇るこの花もやがて乾ききる。

 

春光に散り急ぐ花のありにけり