江田船山古墳の象嵌の刀を主題に東博へ行って来ました。
銀象嵌銘大刀と名付けられた国宝です。
埼玉にも同様の国宝が有りますが、ただいま県立博物館閉館中で見られません。
じっくり拝見しましたのは象嵌の馬で、馬は古墳時代にどこからやって来たのだろう?
在来種とされる馬は蒙古平原を起源とするらしいけれど、家畜文化が半島南端まで来ると『去勢』が消えてしまうのです。古墳時代の日本も同じはず。
象嵌の古代の大刀や春惜しむ
その後いつものように、展示替えになった仏像など拝見に回りました。
観音菩薩坐像と周囲を囲む四天王立像がどのような関係なのかは示されていませんでした。
寄せ集めってこともないでしょうけど、像的には鎌倉から南北朝時代の力強い造形に感動しました。
半眼の千手観音暮の春
木の芽時旅は蓮華蔵世界
前回立ち寄れなかった法隆寺宝物館ではみっちり時間を使いました。
春愁やケースに守らるる飛鳥仏
祈りの対象としてではなく、冷めた目で見つめられる運命を背負わされた多数の金銅仏の中に、水瓶を右手に持つ像があると初めて気づきました。
何度も来ているのに迂闊でした。
水瓶や春光届く仏たち
左手に持たせるのが普通かと思ってましたから、、
アマチュアには発見が常にあるんです。
手のひらの優しき春の仏かな
与願印とは違うようなんだけど、分からなかった。
腰に巻く裳一枚や花衣
個性豊かな多数の中にお姿の良い像があって、百済観音を思い出させてくれました。
しなやかなS字カーブと直角に差し出された左手とが美しい。
もしかして試作模型として作られたかとワクワクさせてくれました。
花過の奈良には帰らぬ仏かな
ここまでの林のように立ち並ぶ金銅仏の背後の部屋には、意味ありげな像が陳列されています。
観音像二軀が一つの空間に置かれていますが、煩悩まみれの衆生を救おうと必死に修行される気迫が伝わってきます。
誰がために祈る観音菜種梅雨
これは三尊像なのだけれど腰かけた倚像です。
阿弥陀如来倚像
去りがたし阿弥陀を包む春の夕
銅造摩耶夫人及天人像は教科書にもよく採られています。
飛鳥時代の作品なのに、動きのある素晴らしい像です。
右の袖から顔を覗かせているのは、お釈迦様。
摩耶夫人の右隣に置かれた像は鍍金が見られないので、他の三軀とは別に作られたものだろう。
個人的には真正面から見るより、やや右寄りから見るのが好きです。
花が舞ひ歌舞の溢るる仏生会
デジタル展示でも遊んだし、疲れて一休み
春障子博物館の大ガラス
法隆寺宝物館を出ると池越しの黒門が、人工池の近代的な空間に違和感なく収まっています。
春の水江戸屋敷から移設の門
ゴキゲンだね
野遊や博物館の庭へ回る