へうへうとして水を味ふ 山頭火

読み方は ヒョウヒョウトシテミズヲアジワウ 

 

山頭火句集ちくま文庫の索引※へには兵隊さんが・へそが汗ためて・糸瓜ぶらりとの三句のみで見当たらず、

へうへうは索引※ひにあり、ひよいとのぞいてひらくよりとの間でした。

 

表や票の歴史的仮名遣いがへうなので ここは飄々としてですね。

 

べしの連用形べくのウ音便であるべうも読みはビョウ

びゃうと書いて読みはビョウ、ややこしいです。

 

ほろほろ酔うて木の葉ふる 山頭火

読み方は ホロホロヨウテコノハフル

酔うては酔ひてのヒ→ウのウ音便の簡単な形式。

 

酔ふゑふの転じた言葉で、

縁側の日にゑひにけりお元日 村上鬼城

エンガワノヒニエイニケリオガンジツ 

ゑひ酔いとすぐにはワカランかった。

 

ちなみに酔ふにはエウ・ヨウと読みがありますが、名詞としてのゑひ(酒などに酔うこと、何かに夢中になること)にはエイしか記載がありません。(俳句古語辞典・宗田安正・学研)

 

夕焼けやあさき夢見てゑひもして 平井照敏

ユウヤケヤアサキユメミテエヒモシテ

この句は作者の言葉遊びが優先された駄句(笑)

あさきゆめみし ゑひもせす

浅き夢見じ  酔ひもせず

 

再掲 へうへうとして水を味ふ 山頭火

味ふ(あじわ(お)う)味はふと書くべきかも。

 

句集鉢の子には他にも好きな句が多い。

分け入っても分け入っても青い山 山頭火

 

明治15年生まれで大正15年に四十代で放浪を開始しているので、感動的な俳句だけれど分別盛とは思えないな。

もちろん分別してたら芸術は成り立たないかもしれませんです。

 

鴉啼いてわたしも一人 山頭火

放哉居士に和して と前書きにあり、同志というか先達というか畏怖の念さえ御持ちだったかも。

咳をしても一人 放哉

 

以下同様に草木塔の中の鉢の子より好きな句を

落ちかかる月を観てゐる一人 

まつすぐな道でさみしい 

どうしようもないわたしが歩いてゐる

涸れきつた川を渡る

すべつてころんで山がひつそり

まつたく雲がない笠をぬぎ

酔うてこほろぎと寝ていたよ

 

うしろすがたのしぐれてゆくか

 

 

 

鉄鉢の中へも霰

 

ここまで図は全て上記山頭火句集より

 

へうへうとから色々勉強になりました。

 

 

本日はさいたまの空を自衛隊の飛行機が南西から北東へ通過していきました。

 

立春ですね。さいたまの田圃は春の景色のようでした。