安永六年は娘さんが離縁された年ですが、その影響もあるのかな。

破調がたくさん見受けられる。

 

この年の作品で好きな 春風や堤長うして家遠し は定型ですが、

この「家遠し」は暗示的ですね。

 

(以下画像は借物)

 

 

では 破調を

 

梅遠近南すべく北すべく 

 

古駅三両家猫児(べうじ)妻を呼ぶ妻来たらず

 

春草三叉中に捷径あり我を迎ふ 

捷径;近道

 

たんぽゝ花咲けり五々五々は黄に

 

故郷春深し行々て又行々

 

月光西にわたれば花影東に歩むかな

 

などと、暴れまくってます(笑)

でも一時過ぎると 蕪村も落ち着いたようです。

 

もちろん、この年の 

恋さまざま願の糸も白きより には

親心が滲み普通に泣けます。

 

エントロピーを捨てきれない人生なら、真白き糸が変色するのは 当たり前かも。