蕪村さんには 秋たつや何におどろく陰陽師 句集459 との有名な句がありますが、
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」を下敷きにしています。
ですから、「何におどろく」と言ってもギャ~ッと驚いたのではなく、「ふと気づいた」様。
祈祷の最中に集中できないのでは、この陰陽師は偽者かもしれない、それを蕪村さんは知っていたか。。
蕪村さんは「何におどろく」を使って 麦秋や何におどろく屋ねの鶏 遺稿集181とも作っていますが、
鶏が「ふと気づく」のはムリっぽいので、こちらはギャ~ッとでしょうか。嫌いな雄が必死な形相で上がって来たかな。
(今朝、枯れかかっているのに花は瑞々しく生気に満ちていた)
「おどろく」だけでしたら、斧入て香におどろくや冬こだち 句集812 がありますが、
これは「冬の木に斧を振り下ろしたら、新鮮な生きている木の香りがした」のですね、ギャ~ッとは絶対に驚かない。
蕪村さんではありませんが、その他に
行年や何に驚く人の顔 尾崎紅葉 面白くないけど、年末の気ぜわしさを詠ったのでしょうか。
「何におどろく」とそっくり使ってらっしゃるので、狙いすまして って感じですね。
七夕や夢に驚く斧の音 正岡子規 子規先生はさらに斧も持ち出された。
ただ「斧の音」とは何でしょう?杣が木を打つ音かな。七夕、夢、斧とは盛沢山な。
驚くや旅地に早き梅柳 正岡子規 「や」で切った句もお作りのようですが、到底真似はできません。
「おどろく」に別の言葉を探したくなりそうで。
雲かぶる不二におどろく二月かな 久保田万太郎 二月なら晴れも多いのに、この日は雲が掛かっていた。
真っ白い姿を期待してたのに、ぶったまげた。だって二月だよ、、って。
はつ猟や暑さおどろく不猟端山 飯田蛇笏 よく分からないな。
「驚く」ほどの不猟で里山の暑さがなおさら身に染みたってことか。
(今朝のさいたま市彩湖から東京遠望)
鋏入れて香におどろくや冬のカニ
…相変わらず阿呆やなぁ


