では ♪恋の炎 承

 

本歌;恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば

巻四 六六一 大伴坂上郎女

 

この歌は誰かに頼まれた代作かもしれません、情が薄く整い過ぎているから。

『愛しき』は『うつくしき』と読むか。

 

お借りしてきたこの絵の女性は 坂上郎女さまと言うより 氷高皇女(ひだかのひめみこ) 後の元正天皇の気高く強い意志を感じますね。

藤原京を廃して平城京へ移り、持統天皇から聖武天皇へと繋ぐ綱渡りの季節を生き抜いた女性で、独身のまま即位されたので、もしかしたら神に仕えた時代もあったかな。

 

 

坂上郎女さんは家持や池主と同時代なので、家持の初恋の相手、それも年上の恋人かもしれない。

何故なら なんとなく彼は甘えに通って来てるし。

まぁ彼女は万葉集に 家持、人麻呂に次ぐ歌数を誇る女性歌人なので、家持とも親戚以上に気が合ったのだろう。

 

 

彼女には「神を祭る歌」が第三巻379に残っていて、万葉歌人としては本筋を行った人です。

 

現代語訳;『好きで好きで 日がなあなたの事を考えているのよ、なのになかなかお逢いできない。気休めでもいいから、せめて逢えて愛しあう時くらい親しい言葉の限りを(嘘でもいいから)掛けてください。こんなに夢中なこの恋さえ 永遠にとは願っていませんし、それは分かっております』 当然ながら 神に仕える女性(神の妻)の歌ではありません。

 

歌詞;待ち続けやっとあなたに逢えた夜 語り尽くして愛し尽くして

 

 

本歌;人妻に言ふは誰が言狭衣のこの紐解けと言ふは誰が言

巻十四 二八六六 作者不詳

誰が言(たがこと)が2回使われていて、作者である女性の甘えが心地よく伝わってきます。

『紐解く』は単に服を云々ではなくて、古代では 紐の結び目のお団子状態に魂が宿るあるいは魂そのものを感じ取っていたらしい。

だから、私の魂を解き放てと迫っているのです。人妻は現代語と同じ意味ですが、人妻は、本来なら神であるべき妻の代わりに、神に仕える役割の人間の妻の意味もあります。もしかしたら、そのような特殊な女性を口説こうとする不埒者が居たのかもしれませんね、こっちの方が面白いかも。

 

現代語訳;『あなたの妻でもない私に なんてことを言うのよ。女の魂の結びを解けだなんて、嫌なヤツ、うっふん』

 

歌詞;今宵こそ私を抱いて狭衣の この紐解けとあなたが言って

 

 画像は全部 ネットからの借り物です。