本日は 俳句に続いて 短歌の話をしましょう。
短歌は作るより読むことが好きで、和泉式部を嫌う人は居ないと思いますが大好き、
『黒髪の 乱れもしらず うち臥せば まづかきやりし 人ぞ恋しき』 とかいいですね。
源氏物語の中で短歌を自由自在に操る紫式部もお気に入りで、
この方は和泉式部の歌の力は認めていますが 奔放な生活には冷たい目をして見ていますね。
『めぐり逢ひて 見しやそれとも 分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月影』
不思議ですが、紫式部さんのこのお相手は女性と言われています。
男性では 大伴家持に惹かれます。彼は旅人の嫡男で軍事の大伴家の大黒柱として生きました。
晩年は藤原仲麻呂の乱に加担したとかで左遷されたり(死後名誉回復されているようですが)と、大変な事になってしまうのですが、若いころ地方官時代に舟遊びに出て 実景を詠みました。美しい世界を 写し取っていますね。
『藤波の 影なす海の 底清み 沈く石をも 玉とぞ我が見る』
この歌を詠んだのは国司の越中守(かみ)として赴任中で、ここには大伴池主を掾(じょう)三等官として伴っていますが、彼とは恋仲だったとか。
で、自作の歌で好きなのは 昨年2020年秋
『我が身より 高き芒の 原に入り 南中の日に 我が魂放つ』
コロナ禍で行動の不自由な秋の日に、いつもの散歩の途中で 銀色に光るススキの原に立ち寄った。
散歩用の自転車を止め、私は 神々しい世界に溶け込んだ。
言葉としては 我が身と我が魂とを対比的に配置しています。
真昼間の金色の太陽、反射する芒は銀色、その眩しい世界に立てば 委縮しがちな魂を そこに投げ出すしかない。
助けてくれとは 思いませんでしたけど。
偉大な上掲お三方に比するワケではありません、歌の表情もまるっきり違いますし。
好きな鑑賞をするのも、稚拙ながら詠むのも どちらも好きと 示したかっただけですので、ご容赦を。


