MT-09は歴代お尻が痛いシートとして言われている。
2024年型もそれにたぐい漏れなく痛いシートだ。
お尻が痛い人と痛くない人がいるのでちょっと調べてみた。
それには人的要因と物的要因があるようだ。
まず人的要因には2つある。
1.お尻の筋肉が薄い
骨盤の下に坐骨があってその下の部分(坐骨結節)がシートに当たる部分だ。
この坐骨結節の痛みがお尻が痛いということになる。
また尿道部は骨ではないので圧力に非常に弱く長時間引っ張られると痛くなってくる。
しかしこの周辺にはお尻の筋肉と太もも裏の大きな筋肉が付着しているので、筋肉がしっかりあれば痛くならない。
自転車乗りは筋肉でお尻をコーティングしてクッションのないサドルでさえOKにしている。
つまりお尻が痛くなる人は坐骨の下にクッションとなるお肉が付いていないからである。
2.同じ姿勢でずっと乗る
お尻が痛くならない人は常に体重移動してシートの同じところに座っていない。
クルーザーなどは特にお尻をどっしり置いてステップやハンドルへ荷重を逃がすことができないのですぐに痛くなる。
そして物的要因は2つある。
1.クッションが硬い
最近のバイクはデザイン重視でクッションを薄くするから必然的に硬くなってしまう。
昭和の頃は柔らかいスポンジで痛いと思ったことはなかったが、最近は硬い高反発ウレタン素材が使われていて、坐骨をピンポイントで強い刺激を与えてしまう。
2.シートの形状が悪い
これもデザイン重視で、前下がりだったり、幅が狭かったり、角張っていたりしているからだ。
前下がりだとパンツが後ろに引っ張られ尿道部を圧迫する。
幅が狭いと坐骨がシートの平なところに乗らないので余計に刺激が強くなる。
人的要因の部分は頑張れば変えることができるが乗るが、バイクの性格によっては無理だったりすぐに変えれるものではない。
なのでお尻痛い族はシートを柔らかく形状の良い物にカスタムするしか方法はない。
YouTubeを漁ると自前でゲルをシートに内蔵するカスタムをする人が多い。
幸いMT-09にはコンフォートシートというオプションが用意されている。
お尻痛い族にとっては救いの女神である。
これで痛かったら「やまちゃんのバイクシート工房」にお願いしようと思う。
前モデルのコンフォートシートは5cmもアップしているらしいが、このシートはノーマルとほとんど変わらない。
中央の凹みが少しフラット形状に見えるのは表皮にパッドが埋め込んであるからだ。
このパッドは低反発ウレタンと思われ押した後も暫く形状を保っている。
もしかしたらジェルかもしれないが分解していないのでわからない。
このパッドが坐骨の刺激を和らげてくれて、3段階にしていることで前滑りを防いでくれる。
要は坐骨が当たる部分だけ柔らかければいいのだから。
またシート前部が絞り込まれているので足が出し易く、足付きはコンフォートシートの方が良い。
シート高を上げずに低反発なクッションパッドを貼り付けることでお尻に優しくし、おまけに足付き性も良くするなんて今回のコンフォートシートはやるじゃないか、と思ってしまう。
台風10号で今日は乗れかかったのでまた今度レビューすることにする。