写真は、伊豆高原に行く 途中で食事に寄った「酪農王国オラッチェ 」でのひとこま。本文は、写真とは全く関係ないシモの方の話になりますので、そちら方面がダメな方はスルーして、華麗に竹馬をあやつるとおちゃんと、それを無視してじじの回すコマに夢中な薄毛ちゃんの写真をお楽しみください。




それは昨日の夜、風呂へ入る前に起こった。


とおちゃんはトイレへ。バタンと閉めるのがイヤなので、いつもドアは半開きだ。


当然のごとく立ったまま小用を足していると、後方よりペタペタと近づいてくる足音がする。ヤツが来た。


開いているドアやタンスの引き出しを閉めることを趣味としている薄毛ちゃんにおかれましては、ドアを閉めることはあっても、まさか開けることもあるまいと高を括っていたが、さにあらず。なんと後ろでドアを開ける気配がし、ヤツが進入して来る...


しまった!と思ったがもう遅い。一度ひねった蛇口は閉めることができない構造になっている。タンクが空になるまで放出は続く。タンクは満水に近い。人様のブログを巡回するのに専念するあまり、ギリギリまで我慢していたからだ。そして、まだ放出し始めたばかりだった。


薄毛ちゃんをブロックしようにも、あいにく両手はふさがっている。ふさがっている理由はご想像にお任せするが、さらに身動きも取れない。なぜなら、移動しながら放出点を一定にする技は練習したことはないし、習得もしていないからだ。


どう対処するか考えをめぐらせている内に、薄毛ちゃんはとおちゃんの両足に手をかけた。いわゆる「ダッコして」のポーズ(後方からリクエスト)だ。すまん、今はそれどころじゃないんだ。というか、来ないでくれー!


絶望的な気分がとおちゃんを支配する。ああ、もうダメだ。万事休す。うーん、いやあきらめるのはまだ早い。薄毛ちゃんを体を張って阻止するのだ!わが子を今そこにある危機から救え!


とっさに腰を落とし姿勢を低くする。これでブロックしきれるだろうか。不安が頭をよぎる。


しかし、腰を落とすにも限度がある。蛇口とかホースとか関連するそれらのもの付いている高さ、受けるところの高さ、放出する放物線のカーブの具合などもろもろのパラメータを考慮して総合的に判断した結果、この高さが限界だ。ブロックしきれるのか?!もうただ祈るだけだ。助けは呼んだ。四十を過ぎたとおちゃんの脚力にも限界がある。早くかーちゃん何とかしてくれー!


恐る恐る下を見ると、ああ、ダメだ!とおちゃんの股下から両手がのぞいている。


いかん。ブロックしきれていない...


ああ、そうだ。ヤツは水道から出る水をばじゃばじゃするのがたいそう好きだったな。やけにのんきにそう思った。もうどうでもいいや(笑)


再び下を見ると、案の定、ガニ股になった自分の両足の間から差し出された小さい両手がバタバタしている。


ああ、見つけてしまったか。蛇口から放出される水柱を。


もう終わったな。許してくれ、わが子よ。俺は最善を尽くした。


じょぼじょぼじょぼ。

ばしゃばしゃばしゃ。



遠のく意識の中で、かーちゃんが笑いながら薄毛ちゃんを確保するのを見たような気がする。本物の蛇口がある洗面所まで連れて行ってくれたのだろう。


かーちゃん、遅いよ。