ここのところ、かーちゃんは、薄毛ちゃんが手づかみ食べし易いように、おかずを工夫し、ご飯も一口サイズに丸めて出している。大人のご飯を作るより時間と手間がかかっていることを、とおちゃんは知っている。
昨日の夕食時のこと。
いつものように、薄毛ちゃんを座らせて、いただきますをコールして手を合わさせ、大人より一足先に食事をスタート。
最近、おかずは食べるものの、ごはん(米の飯)をイヤがる薄毛ちゃん。今日もおかずだけ先にパクパクとほとんど食べてしまって、あとはごはんだけになった。ごはんを口には入れるものの、べぇーと吐き出してしまう。そのうち、手に取ったのがごはんだとわかると、床にポイ、何度もポイ。だんだん、その行為自体が楽しくなってきたのか、ケラケラと笑いながらポイポイしている。
せっかくかーちゃんが作ってくれたものを、という気持ちと食べ物を粗末にして、という気持ちが瞬間的に怒りになってこみ上げてきた。大声で叱りつけ、薄毛ちゃんの頭を叩きたくなる衝動をなんとか抑え、立ち上がってぎゃーぎゃー言っていた薄毛ちゃんを押さえつけ座らせることに専念する。でもやっぱり、少し声を荒げてしまった。薄毛ちゃんに対して、初めて怒りを感じ、態度に出してしまったことを猛烈に後悔した。
わかっている。赤子には何の悪気もない。悪意自体がまだ存在しないから、赤子のいたずらに腹を立てても意味がないんだと、頭では分かっていても感情が先に爆発してしまうものだと身をもって体験した。自分はそうならない、大丈夫だという自信がなんとなくあったが、やっぱりダメなんだなと、怖くなった。
ぐっと我慢できた自分を客観的に見られたような気もしたが、収まりがつかなくなった気持ちがどうにもならず、薄毛ちゃんにはしばらく退場してもらうことにした。
台所のベビーゲートの外側に立たせて、しばらく泣かせておく。その間に、かーちゃんに今自分の中で起こったことを恐る恐る告白した。かーちゃんは「抑えられたんだからいいんだよ」と言ってくれた。「自分だって何度もそういう気持ちになったことがある、そういう時は傍観者になってみると気が落ち着く」とかーちゃんは言った。ちょっと気が楽になった。
食事が終わった後、薄毛ちゃんを膝にのせてダッコしながら、テレビのニュースを見た。その間にかーちゃんが食事をする。最近はいつもこうしている。
いつもは薄毛ちゃんもテレビを眺めて大人しくしているけど、今日はとおちゃんに顔をうずめてじっとしている。ごめんねと言いながら何度もおでこにチュウしてたら、そのうち薄毛ちゃん、寝ちゃった。眠かったみたいだ。
もうすぐお風呂だから30分で起こすよ。それまでとおちゃんと一緒に居よう。