添乗の疲れもふっ飛ぶ | 添乗員のゆく地球の旅!

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メキシコ滞在とひとり旅とツアー添乗中に起こった体験話&
 首のくびれた保護犬・黒豆柴まるちゃんとの愉快な日常

前回の記事に対するとても温かいお言葉をたくさん頂きまして心よりありがとうございました。こちらのブログではコメントの返事をお休みしたりご訪問があまりできなかったりしていながら(汗)とにかく失礼の数々すみませんでした。

まるちゃんブログも覗いてくださっている方々、プレゼントをくださった方々、メッセージをくださった方々、ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願い致します^^

こちらのブログはこれまで通りで何も内容に変化はありません。まだまだネタはいくらでもありますので~ 

さて、今回は添乗の往復の小話です。

最近は羽田空港からも海外へ飛べるようになったので、神奈川県在住の私にとってはとても便利になりました。が、今のところほとんど羽田からは飛んだことがなくてやはり添乗の際は3時間ほどかけて成田空港へ行きます。行きは事故や渋滞のことを考慮して必ず電車で、帰りはリムジンバスでということが通例です。

添乗に行く日、たとえ何があろうとも、添乗員は絶対に時間に間に合うようにお客さんの集合場所へ辿りつかねばなりません。実際に大地震のときなどはそれも不可能となるケースがありますが、道路や電車の事故などの場合は、もしそのせいで集合場所に間に合わなくなってしまったとしたら、ケースバイケースですが基本的に添乗員の不手際と見なされることも少なくないのです。

成田空港へのリムジンバスに乗って出発し、事故渋滞で添乗員のスタンバイ時間(通常は集合時間の1時間前)に間に合わなかったら、そのような不確かな乗り物を選択した添乗員の罪。

電車が人身事故などで30分ほど送れてしまったという場合は、リムジンバスと比べれば事故発生率が低いので罪は軽いのですが、これまた、早朝でない限りは事故などのケースを想定してもっと早めに余裕を持って家を出るべきだったという添乗員の罪。

空港まで遠い上に出発時点でそういう責任が圧し掛かってくるので、今では成田空港までの電車の旅を忌み嫌っている私。現在はできるだけ電車に乗りたくないので、添乗からの帰着後は必ずリムジンバスで帰ります。

しかし実は5年ほど前までは、私の勤務していた旅行会社では帰りもリムジンバスの利用は不可でした。その理由は、リムジンバスの方が電車利用よりも交通費が高いから。ツアー代金の格安価格はこういう点をケチるだけケチって生まれているということです。

そんなリムジンバス禁止時代のこと。

南米からの添乗帰りでしたので時差ボケ気味で、成田空港駅からJRに3時間ほど乗りっ放しでいる内に、いつものことではありますが熟睡してしまいました。電車が千葉県から都内を通過し、神奈川県内に入った頃に一応はっと目が覚めたのですが、目的の駅まではまだあと10分ほどはありそうでしたので、再度目をつぶってしまいました。

と、次の瞬間

「○○駅を発車しまーす」

というアナウンスとプシュッというドアの閉まる音でガバッと頭を上げた私。

「え? ○○駅って、私の降りる駅なのに?」

ほんの5秒くらい目を閉じていただけのつもりで、いつの間にか乗り過ごしてしまったのでした。

ただでさえ早く帰りたいのに、このような回り道をしてしまうと時差ボケの激しいときにはことさらに気持ちが落ち込んでしまいます。

「あああ、何やってるの、私? 次の駅で下りてもホームを移動しなきゃならないし、最低な気分だわ……」

こんなときに限って必要書類が多くてスーツケースも空港から送らずに持ち帰っていたため、さらに気分はやさぐれながら次の駅でホームを移動。しかも上り階段をスーツケースを抱えてです。

梅雨の時期で、スーツ姿のままスーツケースを運んでいたらじわっと汗がにじんで来るのを感じました。ふて腐れた顔で駅構内を移動している私の目にコンビ二が写ると、無意識に冷たい飲み物でも買おうと店内へ。

眠気と疲れと暑さでぼんやりした頭のまま、飲み物を持ってレジへ立った私は、レジの店員の胸に着けられている四角い紙を見た途端に一気に目が覚めました。

「おかえり」

驚きのあまり無遠慮に店員の胸をじっと見つめ続ける私。どうして「おかえり」なんて書いてあるのだろう? まさか私が南米から戻ったばかりなどとこの人が知る訳もないし、第一なぜ胸に貼ってあるのか?

そう思って「おかえり」店員の隣に居た別の店員の胸を見ると「たなか◎●△」と。

「ああ……!」

合点がいって思わず声に出てしまいました。つまり、この店員の名前が「おか えり」さんだったのです。それに気付いた時にはすっかり目が覚めてふて腐れた気持ちもどこかに消えてしまっていました。

しかし、何と癒し系の名前なのでしょう? おかえりさんに感謝です。