◇本当の強さ◇ | のーびす探検隊 ~ぷにぷにを継ぐ者~

のーびす探検隊 ~ぷにぷにを継ぐ者~

ラグナロク・オンラインの日記です。スーパーノービス 『 ちゃまる。』 の探検記録と、『 ぷにぷにを継ぐ者 』 の物語です。興味がある人は、ぜひ見て行ってください^^

ちゃまる:『おっちゃん、それって・・・』
ちゃまる:『強くなるってことぷにか?』

ちゃまるは何かに縋るようにおっちゃんの元へ歩み寄る。

おっちゃんは腰に手を当てならがゆっくりと腰を下ろした。


おっちゃん:『誰でもって訳じゃねぇが、本来可能性は誰にでもあるさ』


ちゃまる:『じゃあポリンしか倒せない僕でも?』


おっちゃん:『お前、ポリンしか倒せないのか!?』

おっちゃん:(どうやってここまで来たんだ・・・)


ちゃまる:『・・・そ、そうだぷに!』

ちゃまる:『そんな人でも強くなれるのかぷに?』


おっちゃん:『がっはっはっはっはー!』

おっちゃん:『ポリンしか倒せない奴はきいたことがねぇな』

おっちゃん:『こりゃーお先真っ暗だ』


ちゃまる:『う、うるせぇぷに!』

ちゃまる:『真面目に話してバカみたぷに!』


ちゃまるはおっちゃんに背を向け、

両の手で握り拳を作りながら階段へ向かった。

おっちゃんはその小さくも折れていない後ろ姿に、

過去の記憶の何かを重ねて見ていた。

そして天井を見上げて一言吐く。


おっちゃん:『本当の強さは力やスキルじゃねぇんだ・・・』


その言葉に自然と足が止めるちゃまる。


ちゃまる:『・・・っえ?』


ちゃまるが振り返ると、

おっちゃんは棚に倒れて置かれる写真立てを見つめていた。


おっちゃん:『本当に強いってのはな』

おっちゃん:『己を見失わず生きる強さだ』

おっちゃん:『ワシはそう信じている』


ちゃまる:(己を見失わず生きる強さ・・・)

ちゃまる:『それって自分らしく生きるってことぷにか?』


おっちゃん:『まぁそんなとこだな』


ちゃまる:『なんだ、そんなことで強くなれるなら、とっくに強くなってるぷによ』

ちゃまる:『真面目に臭い匂い我慢して聞いて損したぷに。。』

ちゃまる:『じゃあ帰るぷに。ちゃんと歯磨きするぷによ!』


ちゃまるは再びおっちゃんに背を向け歩き出した。


おっちゃん:『かつて伝説と呼ばれた英雄がいた・・・』


去り行くちゃまるにどこか寂しげでか細い声を

おっちゃんは吐いた。

そんな弱々しい言葉がちゃまるの足に絡みつき、

次の一歩を踏み出させない程の力で拘束する。


おっちゃん:『そいつは元々誰よりも弱かった』

おっちゃん:『しかし、誰よりも秀でたものが一つだけあった』

おっちゃん:『どんなに辛くても己を見失わず』

おっちゃん:『己を信じ、生き抜いた』

おっちゃん:『誰もが皆、そいつを嘲笑っていたさ』

おっちゃん:『このワシでもな・・・』


ちゃまるはその話に自分を重ね憤りを感じるも、

脳裏には逃げ出してばかりの記憶が蘇ってくる。


おっちゃん:『でも奴は諦めず夢を成し遂げた』

おっちゃん:『皆、掌を返したように褒め称えた』

おっちゃん:『己を信じ、生きるってことは、簡単そうで簡単じゃない』

おっちゃん:『己自身が壁となり甘やかす』

おっちゃん:『己自身だからこそ、誰のせいにも出来ないのさ』


おっちゃん:『お前は本当に自分らしく生きられているのか?』


心のありかを正確に見抜いたように、

おっちゃんのその言葉はちゃまるを鋭く貫いた。