昨日、無事に朗読劇「いやなんです あなたのいってしまふのが―智恵子抄より」全12公演、終演いたしました。
二人芝居自体は三年前からやりたいと思っておりましたが
途方も無いプロセスなので今まで踏み出せずに居ました。
まず二人という圧倒的少ないキャストでは、
スタッフ代(私の分は抜きにしても当日スタッフ、脚本料、音楽提供料)、会場・稽古場代、大道具小道具や電球・照明音響装置・客席、消耗品など備品代、皆のギャラ分、
どう考えても厳しいものがありました。
次に芝居力、
二人で一つの作品を、観た人がお世辞抜きに満足できるものに作り上げるのもかなりハードルが高いのでした。(今回は二人で80分の作品)
よって、この2つをカバーできるキャスティングをすることが、まず一つ目の難関でした。
集客力が有って、演技力が有って、
私にとってはゆずれない大好きな美(アート)を持ち合わせる人間(笑)
最終キャスティングが完了するのに、顔合わせ当日まで掛かりました。
また今回は原作が急遽変わったこと、テレビ局へご挨拶に行ってきたし、
事務所様やキャストさん、お客様にも謝ってご理解頂き、
SAKURAさんに連絡してイチから作品について考えました。
SAKURAさんはいろんな本を買ってきてくれたり、自分のこれまでの作品を見せてくれて、実際に読み聞かせてくれましたが、
私が個人的に生々しい作品をまだ主催したくないと思っていたり、
もともとやる予定だった作品からテイストがかけ離れ過ぎるとキャストや皆さんを困惑させるのではと懸念していて、
日が暮れるまで試行錯誤した挙句、
何回か私が話題に上げた智恵子抄を、
ついにSAKURAさんがオリジナルで書き下ろそう!と、言ってくれました。
智恵子抄はSAKURAさんも好きな作品で、
私は5年前に男女20人用の演劇芝居として自分でも書き下ろしていましたが、語彙力と文章力の拙さ、勉強不足な点から実現を断念していた作品でした。
(自身で書いた作品では狂った智恵子の頭の中の世界を他キャストが和紙や銀紙を着てマスゲームのように動く、幻想的なムーブメントのシーンを入れるつもりだったの。笑)
なので、こんなところでやりたかったことの一つの夢が叶うなんて驚きでした。
今回は4ペア5チーム、各ペアごとの稽古時間は
5日間×各4時間+ゲネ
私自身は約90時間の稽古監修、
稽古時間外で制作、美術・照明・プロジェクター作り、楽曲提供に関しては初日を迎える前夜まで打ち合わせして曲を修正してもらっていました。
本当は各チームもっと時間を割いてスケジュールを組むことはいくらでも可能でした。
でも、あまり時間を費やしすぎると、
やはり経費と見合わなくなって、皆のギャラもどんどん見合わなくなって、
企画の継続が難しくなってしまう
時間との戦いです。
私は今回経費の都合上、初めて自ら演出をさせてもらいましたが
演出する上ではここが今後も最も大きな課題だと思いました。
「時間内にどれだけ密度の高い芝居に仕上げるか」
幸い今回のキャストは全員、芝居に対して前向きで熱心で、意欲のある方しか居なかったので
一度伝えたことは次までに必ず何かしら対策し、
各自おうちで試行錯誤してくれるメンバーだったので、
こんなに限られた稽古期間でも
それぞれがそれぞれに被らない自分の解釈のキャラクターで
素敵に演じてくれました。
ただ、キャストがこれだけ素晴らしくてもまだ余地はある、
それは私の技量不足だと反省している
あーあと、優しいから誰も突っ込まなかったけれど(笑)、メインビジュアルがダサかったこともこっそり反省している😭
お客様は基本応援してくれているから褒めてくれるといつも思っていて、
浮かれ過ぎないように気を付けているのだけれど(笑)
その言葉の中にちゃんと真実がこもっていることも本当に伝わって
今回の企画を、喜んでくれたキャスト、お客様、関係者の声が
私のご飯で、生きる活力で、
本当にやって良かったと思うの💕
初めての試みだらけだったけれど、
皆が喜んでくれて、
作品的にも良いものが出来たなら最高に幸せだ
出てくれた優しい楽しい大好きな素敵なキャストの皆に、
はるばる時間を割いて来てくれたお客様に、
お母さんのようにいつも私を案じてくれた脚本家さんに、
私の厳しい指摘にも真摯に向き合い熱心に曲を作ってくれた楽曲提供さんに、
企画スタート時から支えてくれて、いつも私の雑な、ああしたいこうしたい、時々プンスカしていることにも一切愚痴を漏らさずに丁寧に応えてくれて、今回熱で倒れた私の代わりに何でもしてくれ、技術スタッフとしても全力で入ってくれた赤羽に
ただただ感謝しています。
偉そうではありますが、
キャストひとりひとりについてもコメントさせてください(笑)
今回、何度でも言いますが、
本当に協力的で理解のある
人間として落ち着いた素敵なメンバーしか居ませんでした(笑)
大好きです😊
文句を言ったり、疑心を醸してきたり、うまくいかないことを誰かのせいにするような輩は居ませんでした。
皆との稽古の時間は、勿論必死だったけれど、
対人としてのストレスは無く、今回はほぼ稽古しかしてないけれど
個人的にこれからも宜しくー!!!!
と、言わせて頂きたい方しか居なかった😂
木村優良くん
20とは思えないルックスだけで無く、既に芝居に対して熱く、現実的具体的にいつも全力で向き合っていました。
おうちで頑張ってることも顕著にわかりました。
とても綺麗な発声で、SAKURAさんから指摘のあった若い俳優さん特有の、文末で息を吐く癖も本番中の最中にも凄い勢いで激減していきました。
関西出身メンバーの中でも訛りが直るのが一番早かったです!
私自身もまだ体得しては居ないけれど、これから一層更に「間」と「心」の魔術師になっていくでしょう♫
愛嬌があって、若いのに既に安定した芝居が出来る子。その読みは聞く人を安心させます。
場所を問わず見せるその一生懸命さはとても愛おしい存在でした。
役者さんとしても若いうちにこのポテンシャルは素晴らしく、
今後がとっても楽しみ😊
皆で今のうちにコネを作っておこう!(笑)
素敵な光太郎をありがとう💕
浜田由梨ちゃん
由梨ちゃんは自分に正直で、とても感の良い人間です。
賢いのでもっと八方美人にうまく生きることだっていくらでも出来るけれど、あえてそれをしない人。
「私は自分というものをどんな時にも捨てられません」
今回のこの台詞がとても染みました。
人前では努力をみせないけれど、家できちんと自分で解釈してきて、
私がなにか言うとまず自分がどうしてそう演ったかを伝えた上で私の弁明を求めます(笑)
綺麗な発声と器用さとセンスで圧倒的に魅せてきます。
最初は正統派ヒロイン寄りでしたが、私が「もっと素の由梨ちゃんを出して良い」と言ったら、
人前では弱さをみせない「ポーカーフェイス智恵子」が成立して、
それはどこか由梨ちゃん自身をみているようで
崩れていくときのギャップがとても素敵な智恵子でした。
由梨ちゃんと私が話すと正直者同士、そしてこじらせた人間同士の会話になるのでとても楽しいです(笑)
とても素敵な女優さん😊✨
今回一緒に出来て良かった💕
東出有貴さん
自身も規模の大きなイベントや公演を主催されている忙しい中で今回参加してくださいました。
ご不幸により、顔合わせ不参加で皆より一日稽古が少ない中で
この方だけ唯一、本番用の台本にほぼ書き込みをせずに綺麗な本のまま挑んでいました。
うちの母や脚本家のSAKURAさんがそれぞれ同じことを言っていたのですが
「彼の声は 自然と詩の意味が頭に入ってくる」と。
楽曲提供の方も若者とは思えないと言って、熟年並みのその声の深みに感動していました。
東出さんも本当に次までにしっかり仕上げてくる方で、その意識の素晴らしさに常々感動しました。集中力が素晴らしい。
関西出身でこれまで長く地方公演をされていて関西弁の訛りに誰よりも悩まされていましたが、それでも着実に直してくる、本番期間中も最後まで気を付けて集中して凄い勢いで直してくる。
舞台裏では控室をあやかちゃんに譲ってご自身はずっと通路に立っており、
そのジェントルさと落ち着きの間で時たま見せるおちゃめさに キャ─(´∩ω∩`)─♡ と、とっても嬉しくなりました(笑)
どうかどうか、今後共宜しくお願いいたします🙏✨
尾崎礼香ちゃん
あっかちゃんは大昔にFlashのグラビア枠争奪バトルの撮影会で私に赤メガネを貸してくれた気さくで明るいイメージの子でした(笑)
現実的、具体的な意識をもって着実に取り組んでいく、
羽場っち❣またご一緒したい😆
やたら動作が下手、不器用である(笑)
わー、超長くなった;;;;;;;;
今回は詩が折り込まれる構成上、どうしてもどちらかというと光太郎の方が作品の進行のベースになりがちでその負担と朗読の難しさは、想像を絶しましたが、
それぞれの男女二人の見事なサポートが本当に見事で素晴らしかったです!
二人しか居ないからこそ、どちらかが不調だとそれが顕著に現れて作品が終わる(笑)
本当によくぞやってくれたものです😊
私はこんなに出来るかなー、なんて本当に感心してしまいました☆
ありがとう💕
見届けてくれたお客様、
皆様が居るからこんな機会を得ることが出来ています。
まさかの12回全部来てくれた方も一人だけ居ましたね(笑)
これからも頑張ってまいります。
引き続き応援して頂けたら幸いです💓