みなさまごきげんよう。

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使い回すな




はいはい、今日も映画紹介ですよ。


[ランボー ラスト・ブラッド](2019/アメリカ)


「男の教科書」「男のリトマス試験紙」「男のカーナビ」ことシルベスター・スタローンの人気シリーズ「ランボー」の完結作と題され、公開された第5作です。

原作小説の作者が酷評したとか、アメリカ本国の映画レビューサイトで低評価とか不穏な話がたくさんありましたが、とはいえ1ランボーファンとして観ない訳にもいかないので、とりあえず観てみました。

するとまあ物申したいことが山ほど出てきまして、そいつらをここでぶちまけようと思います。ということでいつもは好きな映画について語るのに対して、今回は文句をつけまくる内容なのでその点ご了承くださいませ。



便宜上、タイトルについて以下のように表記します。


「ランボー」→1

「ランボー/怒りの脱出」→2

「ランボー3/怒りのアフガン」→3

「ランボー/最後の戦場」→4

「ランボー ラスト・ブラッド」→5


また、今回の記事は過去作の知識がある前提で書いていきます。シリーズ全作、あるいは4までを観てからこの記事を読んでください。



タイトル

1の原題は「First Blood」。「ラスト・ブラッド」はそれと対になるタイトルということでエモ。

しかし、このファーストブラッドとは「どちらが最初に仕掛けたか?」という意味。そう考えると意味が通らない気がする…と思うのはぼくだけですかね?

追記:ラスト・ブラッド=最後の血=最後の戦い?


容姿

ランボーのトレードマークといえば黒い長髪とバンダナ。


それが今回は


尤も歳をとった故の変化、イメチェンという意味では不自然では無いのですが、とはいえランボーに見えないのも事実。少々厳しいポイント。映画「クリード」の時のロッキーに見えるというか、あるいはただの今のスタローンというか。

そもそもおしっこ近そうなおじいちゃんランボーなんて見たくなかった訳ですね。


キャラ変問題

ランボーのキャラが変わりすぎです。初っ端からボランティアに参加してたりめちゃくちゃ喋ったり。これ自体は「退役した現在のランボー」としては普通と考えればギリ納得できる範囲。ではあるけど…といった印象。やはりそんなランボー見たくないに尽きるのです。

もう1つ。終盤、敵グループのボスにトドメを刺すシーン。「お前の心臓を握り潰してやる」と言って挑発し、呼び出して対峙した後、本当にナイフで胸を切り裂いて心臓を掴み出します。ハートキャッチスタキュア。

ぼく達の知ってるランボーはそんな残虐趣味は無いよ…?


義娘

本作のランボーは旧友のおばちゃんとその孫娘と3人で農場で暮らしているという設定。その孫娘はランボーにとっては義娘のような存在な訳ですが、アホで感情移入がしにくいです。

おしまい。


吹替

スタローンの吹替を務めるささきいさお氏はスタローンのフィックス(専属吹替声優)。シリーズ全作で吹替を務め、圧倒的貫禄です。

問題は敵グループのボス。昨今の大きな問題、タレント吹替です。

敵のボス2人組(兄弟という設定)の吹替を担当するのが武田真治氏(兄役)とケンドーコバヤシ氏(弟役)。

チンピラ役ということでケンコバは意外と気にならなかったのですが、武田氏は爽やかさが隠せてなくてダメ。


エンディング

戦いを終えたランボーが過去の記憶(1~4での出来事)を回想、そして馬に乗り走り去っていくというラスト。この時1~4のシーンがダイジェストで流れます。これ自体は素晴らしいのですが、どうも「こういうの好きやろ?」って言われているような気がして。


脚本

1番大きな問題なのであえて1番最後にもってきました。ここまでグダグダ述べましたが、結論そもそも脚本がつまらないんですよね。

ランボーシリーズは全て、スタローン本人が脚本を書いています(ただし単独ではない場合もある)。ですが本作は、そっくりさんが書いたのかな?と思ってしまうくらい。

ストーリーとしては「96時間」「コラテラル・ダメージ」「ホーム・アローン」の組み合わせです。何を言ってるか分からないと思いますが、本当にそれなんです。

ですが、言い換えると


退役した伝説の軍人の復活→2,3,4

大切な人を助けに行く→3

大切な人の死で怒り爆発→2

仕掛けた罠で応戦→1


とはならんか…。

この1に通ずる部分に関して、ランボーを「狩る」側であるはずの警官隊or麻薬カルテルグループが「狩られる」側に変わる恐怖という描写。1では高々逃げ出した浮浪者1人という舐め腐った態度の警官隊に対して5では殺意全開の武装集団。「狩る」側から「狩られる」側への恐怖もイマイチ緊迫感が感じられないんですよね。最初から敵意剥き出しなんだもの。


スタローンはランボーシリーズ以外でも脚本や監督を担当する作品が多く、製作側でもある人物。それ故か、「やりたいことは分かるけど観客の求めているものではない」という場面がチラホラ。今回はその悪い部分が全部詰まっているような印象を受けます。

「戦争から離れ、ようやく人並みの幸せを手に入れたランボーが義娘の死で怒り爆発」というやりたいことは分かるけど…。




ネット老人の皆さんはぼくと一緒に「1~3が良かった」って言い続けましょう。

それでは。