【恋に落ちた海賊王】激情⑦~Another Sirius~(リュウガ) | 恋に落ちた☆妄想女子

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読んでも何の得も無し。



それから、また一ヶ月もしただろうか。


男がひとり。

昼間、店に尋ねて来た。


男は、アタシがやってる店の、建物の持ち主なのだと言う。


そして。


とんでもない事を、言った。



『…アタシが、この建物のオーナー?


…はぁ?


ナニ言ってんだい!

…嫌がらせかいっ?

家賃は毎月、キッチリ耳揃えて、払ってるじゃないか!』




『違いますよ、リディアさん。

ですから、この建物を丸ごと買い取った旦那がいましてね?

その旦那のご命令で…。

建物と店の権利書は、全てアナタに渡すように、と。』


『……はぁ?』



『この辺を仕切る、ヤクザ連中にも話しは通してあるそうですよ?

…私は、願ってもない申し出ですから、2つ返事でOKしましたよ。


…法外に高い値を付けて下さいましたからね。』


『……………。』


『…海賊王、リュウガ。



…アナタ、いい情夫をお持ちだ。』



『~~~~っ!!』


男は、カウンターに書類の束を置いて行った。


…店を、出る間際。


振り返ると、こう付け加える。





『…妙な事を、おっしゃっておいででした。


…アナタが、もし、受け取ろうと、しなかったら。

…それは、椅子のお代だから、と。


…もちろん、椅子ひとつがこの建物と同じ価値なハズがありません。


…ですが、あの旦那さんは。


あの椅子が置いてあった部屋には、これだけの価値があると。


…おっしゃっていましたよ…。』



そう言い残し、パタンと、店を出て行く。





…どんだけアタシを泣かせる気だい…。


涙で、何も見えやしないじゃないか…っ。




それでもアタシは、今日も、店を開ける。



…いつか。


あのドアから。


懐かしい笑顔を。


…見せてくれるんじゃないかって。




…そんな夢を見れるから…。



愛しているよ。


アタシの、最高の情夫。



もう二度と逢えなくても。


アンタが、アタシを忘れても。


アタシが、一生、忘れない。



…愛してる。



何度も、繰り返す。




…アタシだけが、知ってる。

二度と呼べない名前を、胸に抱いて。

また今日から。



…生きていこう。







『ちょっとアンタ! いいかい?』


あたしは、雑貨屋の店先で品物を見ていた、


抜け殻の様な若い娘に、声を掛けた。




…あれから、10年は軽く過ぎた。



『…アンタ、船の上にいた女だろ?

…リュウガの女かい?』



海賊王の、船が来たと。


…街中が、大騒ぎだったあの日。


アタシは、港を見渡せる店の、オーナーになっていた。


目の前に停泊している、シリウス号。


その、甲板の先に。


…少し、歳を取ったね。


…リュウガを見た。


そして、隣に立つ、小さな若い娘も。




…ああ。



…やっと、…終わる。



アタシの、長かった…、



…恋。




『…違いますよ?

船長は、私みたいなコドモっぽいのは、


シュミじゃないと思いますっ!』

わたわたと慌てながら。


…そう言って、笑おうとした、その瞬間。


ボロボロッと、涙をこぼした、娘。



…ああ、アンタも。


…アタシと、同じ想いを、抱えてるんだねぇ…。




『…泣くんじゃないよ?

…リュウガは…。


誰にでも優しくて…。


…誰にでも、残酷なんだ…。』



アタシは、10年前のアタシを抱いた。


…素人に手を出しやがって…!


飽きれたのと、嫉妬と。


ないまぜになりながら、小さな肩を抱く。



『話してごらん?

…聞いてやるよ。』



鼻をすすりながらポツリポツリと語る娘。



…可愛いコ。


…きっと、メロメロなんだろうねぇ…。


ひとしきり聞いて、イロイロ教えて。


また、船へと見送った。



その、背中を見ながら思う。


…アンタは、きっと。


あの海賊王を、手に入れる。


…心も、カラダも。



…人生の、全てを。



だから、いいだろ?



ほかになんにも、要らないから。


あの日。


アタシの耳元に囁いた。


…本当の名前ぐらいは、アタシにおくれよ。


海賊王でも、


リュウガでも無かった。


…ただの男の。



たったひとつの、形見にするから。



…狂おしい程の激情は、十年越えて、優しく、穏やかに。


…いつまでも、アタシの心の奥で輝く。




…まるで。




アンタが、故郷で。



そして、戦場で見ていた。




…たったひとつの、




シリウスみたいに・・・。








『…さて、と。』


夕暮れの港街。

賑やかな、人の群れ。


そろそろ、開店の準備をしなくちゃね!



そう思い、振り返ると、



…リズがいた。



『…姐さぁん…っ、

…長かった…ね?』



そう言って。


アタシより先に、涙を流すもんだから。




『…ああ。

長かった…、よ。』



…泣けないじゃないか。


やっと、終わった。


…アタシの、恋。




港を離れて、だんだんと小さくなってゆく、シリウス号を。




…アタシは、見えなくなるまで。



見えなくなっても。






ずーっと、見送って、いた・・・。





【激情⑦~Another Sirius~ END】



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この後、【灼熱】で、ヒロインちゃんと恋に落ちるまで。


リュウガは、二度と同じ女性を抱かなくなるんです。


しかも、【続・灼熱】で、リディアのいるこの街に寄った時。


リュウガが、あの酒好き・女好きが、船を下りないんですよ。


降りれなかったんでしょうね。



リュウガの部屋にある、赤いベロアのイスの由来。


リュウガ(弟)が心底惚れた、お姫様。


リュウガの故郷。



こんだけ好き放題妄想して、



さすがに本名は、作れませんでした。


いろいろ考えたんですけどね。



ヒロインちゃんがほとんど登場しないこのお話を、


読んで下さいました、アナタ。


本当に、ありがとうございました。



また、エロぽちょに戻りたいと思います。