【恋に落ちた海賊王】激情②(リュウガ) | 恋に落ちた☆妄想女子

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読んでも何の得も無し。


『…姐さ…っ!!』


男を連れて店に帰ると、店の入口でアタシの可愛い女の子達が、心配そうに駆け寄って来た。


『…ああ、悪かったね、みんな…。

アタシは大丈夫だよ。

みんな仕事に戻っとくれ。



…リズ。

この兄さんを、部屋にお連れしておあげ。』


『はい、姐さん。』


『…悪いね、兄さん。

まず、着替えさせとくれ。

…リズ。

この方がね、助けてくれたんだよ、アタシを。

丁重にしておくれね?』


『…はいっ!』


男は、大人しくリズに手を引かれ、店の奥へと消えていった。





アタシは、自分の部屋で、破かれた布きれを脱ぎ捨て、


ドレッサーの前に座った。




…口の端の青いアザ。


…化粧で、ごまかせるかねぇ…。

やれやれ。

頭の悪い情夫を持つと、苦労するよ。



…商売道具の顔に、傷を付けやがって…。


乱れた髪をとかして、結い上げる。


…朱い髪。

昔から、この髪の色が、大嫌いだった。

染めても染めても、金色にも黒くもならなくて。


…瞳は好きだね。

ちょっと深い、ダークブルー。


サファイアみたいだとか、男は言う。


…泣きボクロも、気に入ってんだ。



『…姐さん?』


コルセットやらメイクやら、格闘していたら。

怖ず怖ずと、リズが部屋にやってきた。


『…姐さんを、連れて来いって、あの兄さんが。


…プライド傷つきます~!』


ふぇぇんっ、と可愛いく泣きながら、リズがアタシの手を引く。


…ウチの1番人気を、蹴るとはね…。


しかも、アタシみたいな擦れた年増を指名かい。


『そうかい、リズ。悪かったね…。

…泣くのはおよし?

可愛いカオが台なしじゃないか…。』



アタシは、リズを抱き寄せると、…深く。



…口付けた。



『あ…ん…ッ、姐さ…っ!』




アタシにメロメロのこのコは、すぐ濡れた声で反応する。



『アトでたっぷり、慰めてあげるからね?』


そう言って、リズを部屋に残してあの男の元へ向かう。


両刀なんて、この世界じゃ珍しくも何ともない。






男の部屋に向かいながら。




…やけに高揚した気分なのは、何故だろうね。





そんな事を、思っていた。










『…待たせたね。』


個室のドアを開けると。

部屋のテーブルの前に置かれた、赤いベロアの椅子に、


ゆったりと腰掛けた、男がアタシを見て笑った。



…その、笑顔に。


やっぱり、ドキリと、心臓が脈打った。



…ヤバイ。



この感覚を、アタシはもう何度だって経験している。




…その後にくる、辛さも。



『…見違えたぜ。』



男が、優しい声で言った。

さっきの、カイルに凄んだ声とは、全く別の…。



甘い、声…。


『…な!

…よしとくれよ、こんな年増をからかうのは!』


ヤバイ。


カオが、赤くなるのが…解る。



『さ、飲もうじゃないかっ!

それとも、スグ始めるかい?


…アンタの望むようにしていいよ。』


アタシは、男の視線から逃れるように、隣のソファーに座った。



『…俺の、望むように?』



男の瞳が、妖しく揺れる。



…なんてチカラ。


引き寄せられるように、魅入られる。



『…ああ。

…好きに、して。



…いいよ…。』



アタシは、目を閉じた。


キスがくるのを、待って。



…でも。



男は。



死ぬ程優しく。



アタシを、抱き締めた、だけだった…。




『…少し、こうしてようぜ…?』


頭の上で、声がした。

…ぽん、ぽん、って。

背中を叩きながら。

小さい子供を、あやすように。



それは、不意打ちだった。


…ちくしょう…。


男の背中に回した手が、ぎゅうっと肩の辺りで服を掴む。






『…怖かっ…たっ!』





口をついて、出てしまった本当のキモチ。


『当たり前だ。』


『…あいつ、馬鹿にしやがって…っ!

オンナを、アタシを何だと思ってんだよっ!

来れば、無理矢理抱くか殴るか…っ!



あんな男なんか…っ



…殺してや…っ』


殺してやる!


叫ぼうとしたその瞬間だった!



男の唇が、アタシの唇を塞いだ。




抱き締める腕に、チカラが込められる。


息が、出来ない…っ!



『…んん…ッ!』



『…リディア。』


唇が、離れて。


男のカタチのいい唇から漏れたアタシの、名前。


『…そんな事、言うモンじゃねぇ。

…殺して気が済むなら、



…俺が殺してやるよ。』



アタシは、男の胸の中で、わんわん泣きながら、首を振った。


『…よしとくれよ、冗談だよ…っ!』


『…人を殺すなんて、簡単なんだぜ?

…俺みてぇな、傭兵はよ…。』


『…バカだね。

そんな事したって、アンタに何の得も無いじゃないか…っ!

それに、アタシはいいんだよ。


慣れてんだから…。』


『慣れるような事じゃねぇだろうが…。』


『…じゃあ、頼みを聞いてくれるかい?』


アタシは、カラダを離して、男を見上げた。



『殺してなんか、くれなくったっていいよ。

そのかわり。


…アンタが、この街に居る間は。




…アタシを抱いて。






…忘れさせて。』







…バカな事を…。


言ったって、解っていた。




抱かれたら。




きっと、本気になる。



そして。



想いは、絶対に報われないだろう。




でも。



『アンタが、欲しいよ…。』



泣きそうな声で、呟いて。


…アタシは、男の胸に、身を任せた。




ふわりと、まるで。



…お姫様みたいに。



男がアタシを抱き上げると、…ベッドに。



優しく、下ろす。



見下ろした、真剣な瞳。

灼けるような、熱。



…でも、そこに愛はないんだろ…?



…でも、いいんだ。




『…忘れさせてやるよ。』



ゆっくりと言った男が、シャツを脱ぐ。




見惚れる程、逞しいカラダ。





…ああ。



また、涙が溢れた。



・・・抱いてくれるんだね。



…こんな、アタシなのに。




…目を、閉じる。






初めてした時より。




…緊張していた。






【激情③へつづく】






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リディアのイメージは、


真木 よう子さん。


で、お送りしております。