20歳で務め始めた本院に
気付けばもう8年もいることになる。
ペットの寿命を考えれば半分は関われたことになるのか。
思い入れの強かった患者さんたちもだいぶ旅立った。
また一人旅立とうとしてる。
数年前に腫瘍を摘出。経過もよく良性だった。
数ヶ月前に再発。摘出。
他のしこりもついでに。
全て極めて悪性度の高いものだった。
そして、また再発。
年齢と前回の術後経過を考えると、手術は得策ではない。
治療は出来ない。
してもいい結果は出ない。
もう残された時間は少ない。
病気の展開としては獣医学的には一般的。
そんな事実を普通に受け入れる。
もう、この子の命は終わりかけてると。
この子の主治医は私ではなく院長。
私は最期まで看護師として、トリマーとして関われればいい。
また一人大好きだった子がいなくなる。
獣医になった時も結婚した時も、喜んでくれてた
大好きだった家族に会えなくなるのかと。
また一つ信頼を失った気がした。