ヒトとヒトとを結ぶ「縁」づくり、状況を柔らかくつくりかえる必要性と可能性をわかりやすく説明できる「演」づくり、トラブルをエネルギーに変える「円」づくりの三つの「エン」をつくることができるコーディネータの重要さが書かれている。自分が何かとつながるためにはどうすればいいかという問いに対するヒントが得られた。(ティモン)
小1プロブレムを防ぐために、京都市では保育園・幼稚園、小学校、更に中学校までも含めた連携推進事業が中学校区単位で転換されている。京都市の取り組みを学校長や所長・園長の感想を含めてレポートされている。京都市での小1プロブレム防止の手立ては公立、私立、民間の保育所や幼稚園の所長・園長と小中学校の校長が定期的にお互いに顔を合わせ、子どもの育ちや学び、学校や園のあり方について意見交換するというものが主である。また、小学校では就学前児童を対象として「小学校就学体験」も行われているようだ。更に、中学校の職場体験では体験活動先として保育所・幼稚園があり、配属される生徒は多くいるという。
http://benesse.jp/berd/center/open/berd/backnunber/2008_16/fea_kyoto_01.html
(なつき)

 幼児期の教育・保育に関する現状と課題、改革の方向について、無藤の考えが書かれたものである。こ こでは、幼児教育・保育の現状の課題として大きく、「幼稚園・保育所の並列」、「家庭の費用負担額の高さ」が挙げられている。政策として、認定子供園の充実、社会の幼児教育・保育への関心を高めること、小学校との連携の促進、母親へのサポート、幼児教育・保育の無償化などが考えられている。(あかね)http://benesse.jp/berd/center/open/berd/backnumber/2008_16/fea_mutou_01.html


静岡県掛川市出身でアフガニスタンの農業支援をおこなった伊藤和也さん。彼は、2008年にアフガニスタンのダラエールで武装グループの凶弾によって命を奪われた。彼が農業支援に参加しようとした理由、現地に行ってからの様子が彼の日記をもとにして書かれている。また、家族や友人、共に農業支援をやってきたワーカーたちからの追悼文章が載せられている。
和也さんは写真を撮ることで現地の人々とコミュニケーションをとり親しくなっていった。彼が撮った写真も多く載せられている
なつき

レイチェルと甥の幼いロジャーは自然を探検することを楽しんでいた。それは、昼間晴れた日の探検だけではなく、夜の世界に飛び込んだり、嵐の日でも出掛けていった。夜だから、雨の日だからこそ、感じることができるものが自然の中には多くある。そんな世界を感じる感性である「センス・オブ・ワンダー」をいつまでも保ち続けてほしいという想いが伝わってくる本である。(あかね)


韓国では「子どもをよりよく育てなくては!」というプレッシャーを抱えながら保護者は子育てをしている。その「よりよく育てる」ゲームに乗り遅れないように、勝ち残るために保護者は必死になる。母親は、教育ママになる。父親は「ギロアッパ」と呼ばれ妻と子が早期留学で外国に行ってしまったので生活費や学費を送り、雁の父親のようにひたすら働く。それによる過労死や孤独死もおこっている。こうした、加熱した早期教育が韓国では問題となっている。また、親の収入の違いが子どもの就学前教育の差につながり、早期教育と親の経済力からくる教育の不平等も大きな問題として挙げられている。これらを改善するために、韓国ではどのような幼児教育・保育改革が進められているのか。また、どのようなジレンマに陥っているのかがまとめられている。
なつき

本章には、幼児教育・保育に対するOECDの行動が主に書かれている。OECDは就学前の保育・教育に熱いまなざしを注ぎ、幼児教育・保育についての調査をしたのである。ここの章では、世界においての保育に関する動きに対して、日本での保育のやり方について指摘し、これからの日本での保育のあり方についても述べられている。また、世界の保育について、OECDだけではなく、ユネスコやEUなどにおいても重要視されているのだ。そして、重要視されているだけではなく、改善のために多くのことが考えられている。(あかね)

第一章では、幼児教育・保育がPISAの学力問題や男女平等の国際的な動き、OECDから提唱された「万人のための生涯学習」によって注目をあびるようになった。学力問題や国際的な動きによって幼児教育・保育のあり方が考え直され、各国で様々な政策や改革が進められている。
質の良い保育を目指すためには、政府がどのような政策をとり幼稚園・保育所がどのような保育サービスを提供していけばよいかが著されている。
なつき

「ずっと長いあいだ、私たちの社会は“貧困”というオバケから逃げ回っていた。」

 人々は長いあいだ、この“貧困”という問題と向き合うことを避けてきた。その結果“貧困”の問題はどんどんと大きくなってきている。世の中にはいま、過労死しそうなくらい猛烈に働かざるを得ない人たちと、働けない、働いても食べていけない人たちが増えているのだ。これを「仕方ない」と思うのではいけない。今こそ、“貧困”に立ち向かえる社会を作る時ではないだろうか。私たちの社会は、私たちの手で、生きやすくしていくべきだ。(しゅん)

「子どもの貧困」とは決してごく一部の特殊なケースに限られた現象ではなく、すべての人の身近にある問題なのである。「貧困」と一言で表されるが、その言葉には、時代背景、周りの環境、学力格差、健康問題など様々な事柄が内包されている。その一つ一つから分析していくと、「貧困」は世代間で連鎖していくことが分かった。データによって現状や問題点を認識し、政府の政策を吟味することを通して、「今、子どもたちにとって何が必要で、何をすべきなのか」を提言している。(しゅん)