10. 雨は毛布のように/KIRINJI (2001)
シティ・ポップがほとんど流行っていなかった時代からシティ・ポップ的な音楽をやっていたKIRINJIの、とても良い雨ソング。バックコーラスでaikoが参加している。
9. 天気読み/小沢健二 (1993)
小沢健二のソロデビューシングル。当時、ローソンの店内放送でもよく流れていた。「渋谷系」の王子様として神がかる前の、比較的まだ等身大的に感情移入が可能なところがとても良い。本当のことを知りたいだけのまま夏休みはもう終わっていたとしても、本当は何か本当があるはず、というようなことを感じたり感じなかったりしていたような気もする。
8. だいすき/岡村靖幸 (1988)
「DATE」と「靖幸」の間にリリースされたシングルで、「かなり可愛い車さ」と歌われているように軽自動車のCMソングであった。とにかくハッピーでラッキーなラヴ・ソングのようでいて、「劣等感」という単語が歌い込まれているところがポイントであるようにも思える。ピースフルな子供のコーラスも最高。
7. ユー・メイ・ドリーム/シーナ&ザ・ロケッツ (1979)
80年の夏にヒットしたが、リリースされたのは70年代の終わりだった。ロックンロールバンドによるオールディーズ的な楽曲が、テクノポップ的な要素を取り入れることによって、とてもユニークなポップスになっているような印象。それにしても、いつもは憂鬱な雨がサンバのリズムに聞こえるというのは、よっぽどのことではないかと思うのである。
6. 12月の雨/荒井由実 (1974)
日本のポップスを代表する名盤アルバム「MISSLIM」からのシングル・カット曲で、山下達郎、大貫妙子らシュガー・ベイブのメンバーもコーラスで参加している。それにしても今回、梅雨だけではなく様々な季節の雨をテーマにした楽曲があることを改めて認識した訳だが、さすがに12月あたりは雪の方がテーマにしやすいだろうと思いきや、ちゃんとこのような名曲も生まれているのだった。
5. 土曜の夜は/Negicco (2016)
新潟を拠点に活動するアイドルグループ、Negiccoはいわゆる「楽曲派」アイドルポップファンにひじょうに人気があるだが、特に音楽的にクオリティーが高いと思われるのが、至福の大人ポップアルバム「ティー・フォー・スリー」である。山下達郎「土曜日の恋人」やシュガー・ベイブへのオマージュも感じられるこの曲はアルバムに先がけて7インチ・シングルがライブ会場などで販売されていたが、ジャケットにはナイアガラレーベルのそれによく似た、「Niigata」というロゴが印刷されていたことが思い出される。
4. 瞳はダイアモンド/松田聖子 (1983)
「映画色の街」を舞台にした松田聖子のヒット曲の中でも、特にシティ・ポップ的な楽曲。作曲は呉田軽穂こと松任谷由実で、ちゃんと数えてはいないのだが、もしかするとこのリスト中、作家としては最も多くの曲がランクインしているのではないだろうか。か弱いだけではいられない、強く生きることも必要、というようなところも含め、いろいろ象徴的でもあるような気もする。
3. 雨あがりの夜空に/RCサクセション (1980)
RCサクセションがロックバンドとして知名度を上げはじめ、ひじょうに勢いを感じさせていた頃の代表曲。当時の忌野清志郎の愛車のことがモチーフになっているといわれているが、性的な意味合いとのダブルミーニングはロックンロールの伝統に継承しているのと同時に、いたいけな中学生ぐらいの少年少女達をドキドキさせたりもした。スタジオバージョンもシングルとしてリリースされたが、真骨頂はライブバージョンの方だと思う。
2. 雨のウェンズデイ/大滝詠一 (1981)
日本のポップス史上ひじょうに重要だとされている大ヒットアルバム(1981年オリコン年間アルバムランキング2位)「A LONG VACATION」から、「恋するカレン」とのカップリングでシングル・カットもされた曲。「壊れかけたワーゲンのボンネットに腰かけて 何か少し喋りなよ 静かすぎるから」という歌い出しからすでに情景が目に浮かび、別れの予感を感じさせる大人のポップスとして、憧れをかきたてもしたのであった。
1. こぬか雨/伊藤銀次 (1977)
伊藤銀次がごまのはえというバンドに在籍していた頃に作った曲で、一時的にシュガー・ベイブに在籍していた時には山下達郎と共作した歌詞で歌われていた。その後、伊藤銀次のソロ・アルバム「デッドリイ・ドライブ」が発売される際に、歌詞を書き換えたバージョンが収録され、シティ・ポップ・リバイバルによって再評価されたりするようになった。個人的に熱心なナイアガラ・サウンドファン、いわゆるナイアガラーなどではまったくなく、単なるミーハーで野次馬的なポップスファンに過ぎないのだが、結果的に大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次、佐野元春、杉真理というナイアガラトライアングルの歴代5アーティスト全員がこのリストには名を連ねることになったので、薄っぺらくて浅いにしてもわりと好きではあるのだろうな、ということに気づかされたりもした。