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i am so disappointed.

1985年6月28日に放送された「ザ・ベストテン」では、1位の近藤真彦「夢絆」を2位のサザンオールスターズ「Bye Bye My Love」が追っているという状態であった。3位の「ボーイの季節」を歌っていた松田聖子は6月24日に神田正輝と結婚したばかりで、「聖輝の結婚」などとも呼ばれてワイドショーなどが盛り上がっている感じであった。

 

私は高校を卒業し、東京で一人暮らしをはじめた最初の年で、文京区千石の大橋荘という日当たりの悪いアパートの一室で暮らしていた。実家から持ってきたラジカセを810kHzにチューニングして、FENから流れる全米ヒットソングを聴きながら、朝にトーストを焼いたり、夜は味の素HOT!1という冷凍食品のチキンライスやエビピラフなどをフライパンで炒めて食べたりもしていた。西友巣鴨店の2階で小型扇風機を買ったのがこれよりも先だったか後だったかは、よく覚えていない。

 

そんな時代の全英シングル・チャートから好きな10曲を選び、ランク付けしてみた。

 

10. Money For Nothing - Dire Straits

 

ダイアー・ストレイツの全米NO.1ヒットで、イギリスでは最高4位だった。スティングがゲスト参加していて、ソングライターとしても共作者としてクレジットされているが、実際には「I want my MTV」というところをつくっただけに過ぎず、しかもそこはポリス「高校教師」にとても似ていた。テレビなどを売っている店の店員たちが画面に映るミュージックビデオに対し、辛辣な愚痴を言っている様をテーマにしているらしい。コンピューターグラフィックを用いたビデオも話題になった。

 

 

9. There Must Be An Angel (Playing With My Heart) - Eurythmics

 

イギリスではユーリズミックスにとって、唯一のNO.1ヒットである。エレポップからよりオーガニックになったような印象も受け、この曲は日本のテレビでも後によく用いらていたような気がする。スティーヴィー・ワンダーのハーモニカがフィーチャーされている。まったくの余談だが、この年の大晦日に渋谷のディスコでナンパに失敗した時、たまたまこの曲がかかっていた。

 

 

8. Money's Too Tight (To Mention) - Simply Red

 

シンプリー・レッドはこの翌年に「ホールディング・バック・ザ・イヤー」が全米NO.1になって、一気にメジャー化した。この曲はヴァレンタイン・ブラザーズというグループのカバー曲で、お金がなくて家族に借りようとするが家にもないというようなしんどい状況がテーマになっている。バンド名はボーカリスト、ミック・ハックネルの髪の色が赤いところから付けらているというような話だったような気がするが、もしかすると違っていたかもしれない。

 

 

7. Walking On Sunshine - Katrina & The Waves

 

この曲は現在に至るまで様々な広告などに使われ、かなりのお金を稼いでいるらしい。それはそうとして、陽気でご機嫌なサマーポップである。

 

 

6. I'm On Fire - Bruce Springsteen

 

ブルース・スプリングスティーンの大ヒットアルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」からシングル・カットするにはちょっと地味なのではないだろうかとか、もっとシングル向きな曲が他にあるのではないか、というような感想を持っていたのだが、これはこれで大人の欲望を表現したような感じがとても良いのではないか、と思えるようになった。ストーリー仕立てのミュージックビデオも素晴らしい。

 

 

5. Crazy for You - Madonna

 

マドンナはこの前の年に「ホリデイ」「ボーダーライン」「ラッキー・スター」がヒット、秋にリリースされた「ライク・ア・ヴァージン」でポップ・アイコン化したばかりの状態だったが、シングルで初のバラードとなるこの曲が全米シングル・チャートで1位に輝いたことによって、このタイプの曲もいけるのかと評価を高めたような印象がある。

 

 

4. Freeway Of Love - Aretha Franklin

 

ポップ・ミュージック史におけるアレサ・フランクリンの偉業を当時はまだちゃんと把握できていなかったのだが、この曲は単純に80年代的なサウンドとパワフルなボーカルとの組み合わせが素晴らしい、と思って聴いていた。サックスはEストリート・バンドのクラレンス・クレモンズである。

 

 

3. Come To Milton Keynes - The Style Council

 

ザ・スタイル・カウンシルの2作目のアルバム「アワ・フェイヴァリット・ショップ」は全英アルバム・チャートで1位に輝き、この曲は「タンブリング・ダウン」に続くシングルとしてカットされた。新興住宅地であるミルトン・キーンズについてウィットにとんだユーモアで歌っている感じで、このセンスはブラー「カントリー・ハウス」辺りにも継承されているような気がする。

 

 

2. Paisley Park - Prince & The Revolution

 

「パープル・レイン」の大ヒットから1年もしないうちにリリースされたアルバム「アラウンド・イン・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」から、アメリカでは「ラズベリー・ベレエ」が先行シングルだったが、イギリスではこの曲であった。サイケデリックな感じがなかなかカッコよかったのだが、ペイズリー柄は当時のメンズファッションでも流行っていて、私も池袋の西武百貨店でそういった柄のシャツを何着か買った記憶がある。この曲が収録されたアルバムは、その隣の池袋パルコにあったオンステージヤマノという輸入レコード店で買った。

 

 

1. The Word Girl (Flesh & Blood) - Scritti Politti

 

スクリッティ・ポリッティの「キューピッド&サイケ85」というアルバムは、当時における最新型のポップ・ミュージックだということができ、「ミュージック・マガジン」で中村とうようが10点満点を付けていたかと思えば、とんねるず主演の若者群像テレビドラマ「トライアングル・ブルー」の六本木のカフェバーのシーンで流れていたり、中心人物のグリーン・ガートサイドは美少年としても知られ、日本の雑誌広告のコピーが「この美しい生き物は一体誰?」だったりと、全方位的にほぼ非の打ちどころがないような状態であった。1998年に出版された「80sディスク・ガイド」という本で対談するコーネリアスと常盤響が共に80年代の10枚のうちの1つとして挙げていたのも、このアルバムであった。その1曲目に収録されていて、いきなりつかみはオッケーという気分にさせてくれるのがこの曲である。