1995年6月24日付の全英シングル・チャートで好きな曲ベスト10 | …

i am so disapointed.

1995年といえば1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件と日本では暗い出来事が多かった一方で、プロ野球の近鉄バッファローズを退団した野茂英雄投手がメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースに入団するというニュースもあった。一方、私はGW(ゴールデンウィーク)に柴崎から幡ヶ谷に引越したばかりで、晴れて渋谷区民となった訳だが、DJイベントに行ったりDJ感覚でレコードを買うようなこともなく、「渋谷系」とはほとんど関係がなかった。京王線で平日は毎日、明大前の広告代理店に通っていたが、約2ヶ月前にアルバム「若者たち」をリリースしたばかりのサニーデイ・サービスの曽我部恵一もその街で暮らしていたといわれているようだ。幡ヶ谷の文華堂はまだ書店の奥の方でレンタルビデオをやっていて、それほど量は多くなかった。その手前のビルの2階にあった(いまでもあるらしいのだが)居酒屋呑兵衛にはニンニクを焼いたものなどがメニューにあったような気がする。そんな時代の全英シングル・チャートからピックアップしてカウントダウンしていきたいのである。

 

10. On Your Own - The Verve

 

ザ・ヴァーヴは当初、バンド名にザが付かないヴァーヴだったが、ジャズのレコードなどで有名なレーベルのヴァーヴからクレームが付いたか付かなかったかでザ・ヴァーヴになったというような話があったような気がするが、デビュー当初はスウェード、アドラブルと並んでネオ・グラムなどと「NME」がまとめようとしていたがまったく浸透せず、そのうちブリットポップが盛り上がるとそれっぽい感じになってもいくのだが、この曲を収録したアルバム「ノーザン・ソウル」を発表した後、一旦は解散したのではなかっただろうか。

 

 

9. Back For Good - Take That

 

テイク・ザットといえばアイドルグループとしてものすごく人気があり、この曲は確かイギリスだけではなくアメリカでも売れたはずである。若者のみならず大人にもアピールするようなとても良い曲で、私の現在の妻も当時、純粋に曲が好きでCDを買っていた。

 

 

8. Staying Out For The Summer ‘95 - Dodgy

 

ブリットポップバンドの中でもそれほど華はないが、とにかく曲はとても良かったバンドがドッジーという印象。現在の妻と渋谷のタワーレコードにいたところ、イベントがあるというので見に行ったのだが、特にボーカルの人がやたらと疲れていた記憶がある。当時、現在の妻と六本木WAVE時代からの友人と3人で渋谷にいて、現在の妻が私にドッジーのCDを買ってというのだが、私がドッジーなんて曲が良いだけじゃんというようなことを言って、友人が確かにというようなことを言った、その場面をなぜかはっきりと覚えている。

 

 

7. Are You Blue Or Are You Blind? - The Bluetones

 

ブリットポップの新世代というかニューフェイスとしてアッシュなどと共に注目され、翌年には「スライト・リターン」が全英シングル・チャートで最高2位のヒットを記録したりもするザ・ブルートーンズの、その少し前の曲。

 

 

6. A Girl Like You - Edwin Collins

 

エドウィン・コリンズといえばオレンジ・ジュースだった人だが、日本ではフリッパーズ・ギターが強く推していたことなどもあり、特に「渋谷系」の人達にはひじょうに人気があったような印象がある。この曲はなぜかものすごくヒットして、バンド時代を超えるチャートの順位を記録した。

 

 

5. Yes - McAlmont & Butler

 

スウェードを脱退したバーナード・バトラーがソウル・ミュージック的でもあるシンガー、デヴィッド・マッカルモントと組んでリリースしたシングルで、全英シングル・チャートで最高8位のヒットを記録した。タイトルが象徴する肯定的な気分に溢れた音楽で、とても良かった。

 

 

4. Reverend Black Grape - Black Grape

 

ハッピー・マンデーズ解散後、ショーン・ライダー、ベズらが中心となって結成された新しいバンドで、この曲は最初のシングルにして全英シングル・チャートで最高9位のヒットを記録した。ロック、ファンク、ラップなどの要素がミックスされた、とても魅力的な音楽であり、新宿のリキッドルームで行われた来日公演も大いに盛り上がった記憶がある。

 

 

3. Some Might Say - Oasis

 

幡ヶ谷に引越したその日に新宿でシングルCDを買ったぐらいなので、この時点でリリースされてからしばらく経っていたはずだが、この曲のみならず。オアシスの複数のシングルがまだチャートにランクインしていた。ブラーと新曲の発売日が一緒になり(というか、ブラーが合わせたのだが)、「バトル・オブ・ブリットポップ」と報じられたりするのはこの次のシングル「ロール・ウィズ・イット」である。とにかく勢いにのりまくっていた頃のシングルで、全英シングル・チャートで初めて1位を記録した曲でもある。なんとなくバラードの方が名曲とされがちなオアシスだが、個人的にこの曲はかなり好きな方である(3作目のアルバム以降はほとんど聴いていないとはいえ)。

 

 

2. Carnival - The Cardigans

 

カーディガンズはこの曲を収録したアルバム「ライフ」以前に、日本の輸入盤専門店でCDやレコードを買うようなタイプの層にはそこそこ人気があり、現在の私の妻も当時、ジャケットのワンちゃんやバンド名がなんとなく可愛いからというだけの理由でデビューアルバムを買い、部屋で「ライズ&シャイン」を口ずさんでいたりして鬱陶しかった(良い意味で)。ところがこの頃になるともっとメジャーに売れてきていて、特にこの曲などは渋谷などに限っていうならば、街で流行りの音楽レベルで認知されていたのではないだろうか。キュートなボーカルとどこか懐かしい感じもするメロディーやサウンドが魅力ではあるのだが、あの頃の渋谷あたりにとても似合いの音楽だったという印象は強烈にある。

 

 

1. Common People - Pulp

 

UKインディー好きで喫煙をしていた年上の女性がパルプの昔からのファンで、イギリスのファンクラブのようなものにも入っているというようなことを言っていたような気がする。私は92年の秋ぐらいに「ベイビーズ」のシングルを西新宿のラフトレードショップで買って、これは歌詞の内容も面白いし、どこかスター気取り的なボーカルパフォーマンスやこのご時世にあえてチープなシンセサウンドなどもかなり良いぞ、と注目はしていたのだ。その後、メジャーと契約し、この曲では全英シングル・チャートで最高2位の大ヒット、苦節の末に大ブレイクを果たしたのであった。イギリスの階級社会をテーマにしたような知的かつウィットに富んだ歌詞と、ディスコとインディー・ポップの最もおいしい部分を組み合わせたような音楽性が最高であった。