20. Searching For The Young Soul Rebels/Dexy’s Midnight Runners (1980)
1983年にアメリカでも1位になった「カモン・アイリーン」が有名なバンドではあるが、イギリスではその前のデビュー・アルバムに収録されている「ジーノ」がすでに1位に輝いていた。ケヴィン・ローランドの特徴的なボーカルはたまらぬ味わいがあり、演奏には勢いがあってとても良い。邦題は「若き魂の反逆児を求めて」で、「反逆者」ではなく「反逆児」というのがまた素晴らしい。「カモン・アイリーン」が収録されている「Too-Rye-Ay」の邦題は、「女の泪はワザモンだ!!」であった。
19. Like A Prayer/Madonna (1989)
新世代のディスコ・クイーン的な存在にとどまらず、ポップ・アイコンと化したマドンナの4作目。曲のクオリティーもボーカリストとしての魅力も高まっているのだが、それ以上に力強いメッセージ性のようなものが印象的であり、今日のポップ・シーンにあたえた影響はひじょうに大きいのではないかとも思える。
18. Imperial Bedroom/Elvis Costello & The Attractions (1982)
80年代のある時期、エルヴィス・コステロが好きだということにしておけば、なんとなくセンスが良さそうに思われるような風潮は確かにあったのではないだろうか。このアルバムには特に大きくヒットした曲は収録されていないのだが、全体的にクオリティーが高く、バンドの演奏もノリにノッている。エルヴィス・コステロを初めて聴くリスナーには、「ディス・イヤーズ・モデル」(1978年)の次におすすめできるのではないかと、個人的には思う。
17. Murmur/R.E.M. (1983)
アンダーグラウンドなシーンからメインストリーム化したバンドのはしりともいえるのが、ジョージア州出身のR.E.M.。このデビュー・アルバムは「ローリング・ストーン」誌でマイケル・ジャクソン「スリラー」を抑えて年間ベスト・アルバムに選ばれたことで話題になった。歌詞カードがレコードに付いていないが、その歌詞はアメリカ人でも完全には聞き取れないというようなことがいわれていたような気がする。当時はこれのどこが新しいのか、はっきりいってよく分からなかったのだが、じんわりと良いと思えるようになっていった。
16. Born In The U.S.A./Bruce Springsteen (1984)
第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンでシンセ・ポップ全盛のご時世にあって、ブルース・スプリングスティーンのストレートなロックンロールは逆に新鮮であった。とはいえ、先行シングルで全米シングル・チャートで2位を記録した「ダンシング・イン・ザ・ダーク」などはシンセサイザーを強調して時代に歩み寄っていたりして、この辺りの俗っぽい感じにむしろ好感を持ったりもした。曲のクオリティーでは「ザ・リバー」「ネブラスカ」「トンネル・オブ・ラヴ」の方が良いのではないかと、それもよく分かるのだが、このアルバムをリアルタイムで聴いていたことによる思い入れを超えることはひじょうに難しいといえる。
15. 16 Lovers Lane/The Go-Betweens (1988)
これはリアルタイムで聴いていない。正直いって、90年代になってから聴いた。このアルバムがリリースされた1988年といえば、ヒップホップとかハウス・ミュージックとかこんなにも新しくて刺激的な音楽がたくさんあるのに、未だにインディー・ポップなどというものを聴いている人達の気が知れなかった。しかし、それはもう全面的に間違っていたことをはっきりと認める。その理由というのはいろいろあるのだが、こんなにも素晴らしいインディー・ポップ・アルバムが実際にリリースされていたという事実だけでも十分ではないだろうか。バンドはしばらくイギリスで活動していたが、このアルバムを最後に本国のオーストラリアに帰ったのだったと思う。
14. Psychocandy/The Jesus & The Mary Chain (1985)
ライブ会場が暴動になるというようなことが、「ロッキング・オン」などに載っていたような気がする。サーフ・ロックやガールズ・ポップといった、60年代的なポップでキャッチーな楽曲をノイジーなギターとやる気のなさそうな、というかクールなボーカルで歌い演奏するという、ありそうで無かった発明のようにも思える。プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーが、かつて参加していたバンドとしても知られる。
13. Hounds Of Love/Kate Bush (1985)
東京のわりと遊んでいるように見られがちな私立大学に入学したからには、髪にソバージュをあててユーロビートで踊っているような女子と仲よくなりたかったのだが、結局のところ、気がつくと話しているのは黒っぽい服を着た暗そうな女子で、彼女はケイト・ブッシュを崇拝していた。それで、聴いているうちに好きになったのだが、私がいろいろなものを好きになるきっかけというのがことごとくこれで、そういった事実がけして嫌いではない、というかむしろ積極的に好き。感覚的というのだろうか、絶妙なエロティシズも含め、素晴らしいポップ・アルバムだと思う。タイトル・トラックは、00年代にインディー・ロック・バンドのザ・フューチャーヘッズがカバーしたバージョンもわりと好評だった。
12. Closer/Joy Division (1980)
どちらかというと、というか確実にニュー・オーダーの前身バンドで、カリスマ的なボーカリストが自殺したことによって消滅したということで知っていた。六本木WAVEで「パンク以降最も重要なバンド」という手書きPOPが付いていたのでこのアルバムのCDを買ったのだが、暗さの奥に感じられるポップ感覚のようなものがニュー・オーダーと共通してもいるが、その暗さのようなものがさらに何ランクか上だなとも感じた。
11. Doolittle/Pixies (1989)
イギリスでは4ADというインディー・レーベルから出ていたのだが、ここの作品というのはだいたいなんとなく耽美的なものが多い印象なのにもかかわらず、これはノイジーでファナティックというのだろうか、どこかぶっ飛んだ魅力が感じられたのであった。ニルヴァーナをはじめ、後のオルタナティヴ・ロックにあたえた影響はひじょうに大きいのだが、それを考慮しなかったとしても、なんともユニークで不思議な魅力が感じられるレコードである。
