「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」について。 | …

i am so disapointed.

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」は2019年にアメリカなどで公開されたのだが、日本でも公開されたらぜひ観に行こうと思っていたところ、バタバタしているうちに公開されて終わってソフト化もされていた。それで、12月21日からはNetflixでも視聴できるようになっている。

その日になったら今度こそ観ようと心に決めていたのだが、殺伐とした気分でワーク(「哀しい気分でジョーク」的な感じで)の最中、すっかり忘れたところ、現実逃避のために開いたTwitterで秋元才加が「元気出た。もう一度観たい」とツイートしていたのですっかり思い出した。それで仕事が終わったら帰って観るぞと意気込んだものの終わらず、それからゴチャゴチャやって一旦寝て、起きるとすでに午前4時少し前であった。それでも強引になんとか観たところ、とても良いのではないかという結論に至った。

真面目なアメリカの女子高校生2人が主人公で、卒業を目前に控え、勉強以外にやり残したことがあるのではないかという疑問を本格的にいだく。それで遊んでいるタイプの学生たちが開くパーティーに参加して、楽しかったり悲しかったりする初めての経験をいろいろとして、最後にはちょっとした感動もあるという、青春映画にはいにしえの頃よりよくあるタイプの作品だといえる。

とはいえ、最新型にアップデートされているところが新しく、たとえば同性愛であったりフェミニズムがごく普通に取り上げられているところが、過去のこのタイプのクラシックスとは一線を画すところだろうか。

カラオケでアラニス・モリセット「ユー・オウタ・ノウ」が歌われるなど、音楽も良い。主人公の2人を演じた女優たちの演技も素晴らしく、青春期特有の絶妙で微妙な心の動きのようなものが上手く描かれていると思った。ラストシーン近くのシーンには特にそれを感じた。

アメリカのこういう映画を観ると、やはり学期の終わりが夏のはじまりというのが私などとの感覚とは決定的に違っていて、そこに憧れをいだいたりもする。その最たる作品が「アメリカン・グラフィティ」だったり「バッド・チューニング」だったりするのだが、青春映画としてそれらに匹敵するぐらいの良さがあり、それでいてLBGTQやジェンダー・イコーリティについての意識が今日のものにアップデートされているという点で、素晴らしい作品である。