1986年5月17日付の全米トップ40で好きな10曲。 | …

i am so disappointed.

1986年5月17日付、つまりいまから34年前の全米シングル・ランキングで40位以内にランクインしていた曲の中から好きな10曲を選びカウントダウンしていくことによって、老いたる者には過ぎし日の郷愁を、若人には呼べど戻り来たらぬ古(いにしえ)の幻を(「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」の「ミッドナイトストーリー」オープニングより)呼び覚まそうというインスタントな企画である。それでは、いってみよう(「オレたちひょうきん族」で山田邦子がやっていた「ひょうきん絵かき歌」のかけ声より)!

 

10. NEVER AS GOOD AS THE FIRST TIME/SADE

 

シャーデーの2作目のアルバム「プロミス」からのシングル・カットで、全米シングル・チャートでは最高20位を記録した。サウンドとヴォーカルがおしゃれでヴォーカリスト、シャーデー・アデュがファッションモデルでもあったということで、日本でも西麻布のカフェバー的な流行最先端な人たちなどにひじょうに人気が高かった印象がある。

 

デザイナーズ・ブランドのショップで働く女性店員のことをハウスマヌカンと呼び、憧れの職業にもなるが、実は収入がそれほど高いわけではないうえに、社販で割引になるとはいえわりと高価な自社の洋服を買うために食費を切り詰めているというようなペーソスを描写した、やや「夜霧のハウスマヌカン」(作詞はいとうせいこう)が話題になったりもした。私は「プロミス」を発売されてわりとすぐに六本木WAVEで買い、当時、住んでいた4畳半風呂なしのアパートで聴いていたわけだが、このタイトルと深夜のテレビでよくCMが流れていた消費者金融の社名とがダブって仕方がなかった、というのは完全な余談である。モノクロの映像でシャーデー・アデュが乗馬するだけというミュージック・ビデオがただただ美しくて尊い。

 

 

 
 

 

9. GREATEST LOVE OF ALL/WHITNEY HOUSTON

 

渋谷駅のすぐ近くで輸入もののカセットテープを1000円販売している露店のようなものが当時はあって、いま思うと法律的にどうだったのかということが気になったりもするのだが、輸入レコードでもアルバムはまだ2,200円ぐらいしたような気がするので(間違っていたらごめんちゃい。詳しかったり記憶力がすさまじい方々からの情報を求む)、これはかなり安い。それで、1985年の秋だったと思うのだが、ホイットニー・ヒューストンのデビュー・アルバムも買って、ウォークマンで聴きながらセンター街を歩いた。UCCコーヒーがやっていた飲食店があって、そこでハンバーグなどを食べていた記憶があるのだが、インターネットで調べてみてもまったく情報がない。

 

それはそうとして、新人アーティストとして抜群の歌唱力で人気絶頂の頃にシングル・カットされたバラードで、ジョージ・ベンソンなども歌っていた曲のカヴァー。全米シングル・チャートでは「すべてをあなたに」「恋は手さぐり」に続き、3曲続けての1位に輝いた。

 

 

 

8. HARLEM SHUFFLE/THE ROLLING STONES

 

ローリング・ストーンズのアルバム「ダーティ・ワーク」からのリード・シングルで、全米シングル・チャートで最高5位を記録した。前作の「アンダーカヴァー」がヒップホップなどの要素を取り入れていたこともあり、私は好きだったのだが多くのファンからはすこぶる評判が悪く、その後に出たミック・ジャガーの初のソロ・アルバム「シーズ・ザ・ボス」もダンス・オリエンティッドで、私は好きだったのだがほとんどのファンからはまあまあ評判が悪く、その後に出たこのアルバムではそもそもの路線に戻ったともいわれていたような気がする。このリード・シングルはR&Bデュオのボブ&アールが1963年にリリースした曲のカヴァーだということであった。

 

インターネットなど当然まだ無かった当時、新曲が電話で試聴できるというサービスがあり、私も「ロッキング・オン」に載っていた広告を見て公衆電話からかけ、この曲を低音質で聴いて興奮していた記憶がある。当時の電話ボックスには風俗店の名刺サイズぐらいの広告が大量に貼られていた、というのはまったくの余談である。

 

このアルバムは旭川に帰省していた時におそらくミュージックショップ国原で買ったのだが、国内盤のレコードには赤い透明のビニールのようなものがかかっていたような気がする。おニャン子クラブからなかじこと中島美春と河合その子が卒業した頃のことである。

 

 

 

7. WHAT YOU NEED/INXS

 

オーストラリア出身の人気バンド、イン・エクセスがアメリカでも大ブレイクし、この曲は全米シングル・チャートで最高5位を記録した。80年代らしいメジャーなサウンドが魅力的で、レコードが欲しいと思ったのだが、アルバムを買いたいほどにはそう思わなかったので、宇田川町にあった頃のタワーレコード渋谷店(現在は一時期、WHY@DOLLのファンが渋谷Gladでの定期公演が終わってから集っていたサイゼリヤがある場所)で7インチ・シングルを買った記憶がある。

 

ヴォーカリストのマイケル・ハッチェンスが自殺した後、かつて交際していたこともあるという同じくオーストラリア出身のカイリー・ミノーグが来日して、池袋のメトロポリタンシティにあったHMVでイベントをやった時に見にいった。

 

 

 

6. WHAT HAVE YOU DONE FOR ME LATELY/JANET JACKSON

 

ジャネット・ジャクソンのアルバム「コントロール」からのリード・シングルで、邦題は「恋するティーンエイジャー」であった。とはいえ、この年の5月15日でジャネット・ジャクソンは20歳を迎えていて、ティーンエイジャーとしてこの曲を歌った期間は長くはなかった、というのはもちろんまったくの余談である。これ以前にも何枚かのアルバムをリリースしていたが、ソロ・アーティストとして本格的に評価されるのは、この「コントロール」からであった。ミネアポリス出身でプリンス一派ともされていたジミー・ジャム&テリー・ルイスのプロデュースも、功を奏したといえる。

 

小田急相模原駅に隣接したビルにあったレコード店(新星堂だったような気がするのだが定かではない)かオウム堂か、どちらかでシングル盤を買ったような気がする。オウム真理教の事件があった時に、厚木キャンパスに通っていた頃によく利用していたオウム堂のことを思い出し、とんだ災難だなと思ったものだが、数年後に久しぶりに小田急相模原に行って確認してみたところ、店名がおーむ堂に変更されていた。もちろん、まったくの余談である。

 

 

 

5. MANIC MONDAY/THE BANGLES

 

バングルスの3作目のアルバム「シルバー・スクリーンの妖精」からリード・シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで最高2位を記録した。作詞・作曲はプリンスである。ロサンゼルスのペイズリー・アンダーグラウンド一派のバンドとされ、当初はよりマニアックな音楽性だった。「シルバー・スクリーンの妖精」には、ビッグ・スター「セプテンバー・ガールズ」のカヴァーなども収録されている。小田急相模原駅に隣接していたビルの中にあった、新星堂だったような気がするが定かではないレコード店でシングル盤を買った記憶がある。昨年リリースされたプリンスのアルバム「オリジナル」に、作者自身によるセルフ・カヴァー・ヴァージョンが収録されている。

 

 

 

4. ADDICTED TO LOVE/ROBERT PALMER

 

ロバート・パーマーのアルバム「リップタイド」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位を記録した。邦題は「恋に溺れて」である。ロバート・パーマーや前年に「サム・ライク・ホット」「ゲット・イット・オン」などをヒットさせた、デュラン・デュランやシックのメンバーとのスーパー・グループ、ザ・パワー・ステーションで知名度を上げていた。

 

この曲のミュージック・ビデオには、美容部員のような無表情な女性たちによるバンドが登場し、そのイメージがとにかく印象的であった。「リップタイド」のLPは1985年の秋に六本木WAVEで、シャーデーの「プロミス」と一緒に買った。

 

 

 

3. HOLDING BACK THE YEARS/SIMPLY RED

 

ブルー・アイド・ソウルである。シンプリー・レッドはイギリス出身のバンドで、ヴォーカリストのミック・ハックネルの髪の色が赤いことがバンド名の由来だといわれていた。地元サッカー・クラブ、マンチェスター・ユナイテッドのシンボル・カラーが赤であることも関係しているらしい。真夜中のFM横浜でかかっていて、とてもおしゃれで良い曲だな、と思ったのがこの曲との出会いであった。小田急相模原のイトーヨーカドーの斜め向かいにあったレコードレンタル友&愛で、この曲が収録されたアルバム「ピクチャー・ブック」をレンタルして聴いていた。全米シングル・チャートで1位を記録している。

 

 

 

2. WEST END GIRL/PET SHOP BOYS

 

ペット・ショップ・ボーイズにとってはじめてのヒット曲で、イギリスに続きアメリカでもシングル・チャートの1位に輝いた。ポップでキャッチーなのだが、嫌みにならない程度に絶妙にスノビッシュでもあり、その感じが時代の気分にもマッチしていたような気がする。

 

 

 

1. KISS/PRINCE AND THE REVOLUTION

 

プリンス・アンド・ザ・レヴォリューションのアルバム「パレード」からのリード・シングルで、全米シングル・チャートで1位を記録した。贅肉を極限まで削ぎ落とし、実験的でありながらポップなサウンドに衝撃を受けた。「オールナイトフジ」でオールナイターズがエアロビクスをするBGMとして、はじめて聴いたような気がする。カルビーポテトチップスのフレンチサラダ味を食べながら観ていた。あれはすごく好きだったのだが、いまではまったく見かけなくなった。