長田本庄軒 T-tee ecute 立川店のぼっかけ焼きそばについて | …

i am so disapointed.

先日、勤務先で人事異動があり、勤務地が変わることになった。通勤経路にいくつか候補があったのだが、熟考の結果、立川を経由するルートに決めた。始発が早くて終電が遅いことが決め手にはなったのだが、立川を経由することも要因となった。立川には駅構内の店がわりと充実していた、という印象があったからである。オリバーソースを使っている関西の焼きそば専門店やかにチャーハンの店、長野のおやきを売っている店などもあったような気がする。

 

それで、実際に異動するまでには何日かあるのだが、通勤定期券の期限が切れたタイミングでもあったので、早くもこの経路のやつを買った。現在の勤務地で引き継ぎ業務があったのだが、わざわざ立川を経由していった。そして、あのオリバーソースを使った関西の焼きそばがどうしても食べたい感じになっていた。

 

この店には何年も前に、一度だけ行ったことがあった。平日の昼間だったが、結構並んだという記憶がある。調べてみたところ、店の名前は長田本庄軒で、株式会社トリドールコーポレーションが運営しているということである。ぼっかけ焼きそばというのを主力商品としているらしく、以前に利用した時にも、おそらくこれを注文したのではないかと思う。ぼっかけとは牛スジとこんにゃくを甘辛く煮込んだものらしく、これを焼きそばにのせているということである。そういえばそうだったような気もなんとなくしてきたが、なにせかなり以前のことなのではっきりと覚えていない。ぼっかけについては、10年前ぐらいに道重さゆみについてのフィールドワークの目的で山口県に行った時に、フジグラン宇部でこのようなものを食べた記憶もある。

 

立川駅に着き、構内でこの長田本庄軒を探すのだが、なかなか見つからない。かにチャーハンの店はすぐに見つかったのと、武蔵野うどんの店では新潟名物である栃尾の油揚げを用いたメニューのポスターが貼られていて、これにも心を動かされた。立川駅構内の商業施設はecuteというが、iPhoneで調べてみたところ、長田本庄軒はecute EASTという方にあるらしく、いまいる所はどうやらecute WESTらしい。ホームに降りて、別の出口から出ればいいのだが、通勤定期券を持っているので一旦、改札を出て、また別の改札から入ってみた。長田本庄軒はすぐに見つかったし、記憶の中にあったままの外観であった。午前中だったこともあり、店内には客が数名しかいなく、もちろん外に行列もなかった。

 

外に主だったメニューのプレートが掛かっていて、ぼっかけ、ぼっかけオムそば、豚ソース、ゲソ、ぼっかけそばめしなどとある。もちろん主力商品であるぼっかけ焼きそばを注文するのだが、サイズはおそらく並でじゅうぶんだろう。いか焼きそば好きの私としては、ゲソもまた気になるところではある。

 

入口を入ってすぐにレジカウンターがあり、ここで注文を告げて、会計を済ませる。レシートを渡され、それをテーブルに置いたままお待ちください、と言われる。もちろんそうするのだが、店員が調理する様子をライブで見ることができ、臨場感がある。ここで気がついたのだが、以前に来店した時にはオリバーソースを使っていることがかなりアピールされていたような気がするのだが、現在はそれがまったく見られない。もしかすると使用するソースを変えたのかもしれないし、そもそも私の記憶そのものが間違っている可能性もまったく無いとはいえない。

 

それはそうとして、少しの間、待っていると、ぼっかけ焼きそばができあがった。並サイズではあるのだが、結構なボリュームがあり、これでじゅうぶんなのではないかと思った。テーブルの上にはマヨネーズ、唐辛子、ソース、かつお節、青のりなどが置かれていて、お好みに応じて自由に加えることができる。関西の焼きそばの麺は太いという印象がなんとなくあったのだが、やはりここでも中太麺が使われていて、食べごたえがある。そして、ソースが甘辛くておいしい。これはソースそのものがこういうものなのか、ぼっかけの味が混じっているのかよく分からないのだが、一般的なソース焼きそばよりも甘辛くて濃厚な印象がある。

 

そして、思い出したのだが、10年以上前に大阪城公園で行われていたオーサカキングというイベントに行った時、「魔法の粉もん対決」なるものをやっていて、ステージでライブをやっていたGONTITIもかなり気になっている様子であった。この時に並んで買って食べた焼きそばが、こんな感じだったような気がする。関西の焼きそばには麺が太いというイメージがなんとなくある、というようなことを先ほど書いたのだが、私が関西で焼きそばを食べたのはおそらくこの時だけで、その印象がとても強かったのだと思う。

 

私はソース焼きそばやお好み焼きにあまりマヨネーズをかけない派なのだが、このソースには合うのではないかと思い、途中で適量を投入したところ、これが驚くほどおいしかった。この味はかなり好きなので、具にいかが入っていたとするならば、おそらくそれは最強であろう。いずれゲソ焼きそばも注文してみたいと、強く思ったのであった。

 

ところで、長田本庄軒を運営している株式会社トリドールホールディングスが現在、最も力を入れているのは、讃岐うどんの丸亀製麺らしい。丸亀製麺は香川県の丸亀市には存在しないなどとも言われがちだが、トリドールホールディングスは1985年に兵庫県加古川市で創業した焼鳥居酒屋、トリドール三番館が元になっているという。

 

ぼっかけ焼きそばにのっているぼっかけとは、牛スジとこんにゃくとを甘辛く煮込んだものであり、関西においてはすじこんとして、古くから庶民に親しまれていたという。神戸市長田区の周辺においては、うどんやそばなどにこれをのせる場合に、「ぶっかける」が語源の「ぼっかけ」と呼ばれているのだという。