もはやまったくもってごく一般的な読者に対する分かりやすさを拒絶したかのようなタイトルであり、要は私が神奈川県相模原市のドミール相模台に住んでいた1986年の春から約3年間に好きだった洋楽を10曲挙げていくという趣旨の記事である。好きな順番ではなく、今回は時系列である。
SLEDGEHAMMER/PETER GABRIEL
ピーター・ガブリエルが1986年にリリースしたアルバム「SO」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位を記録した曲だが、ミュージック・ビデオの凝り具合でも大いに注目された。ドミール相模台というよりは、夏休みに帰省した北海道で、すすきのの近くに住む友人のアパートのテレビで観た印象の方が強い。「SO」のCDは西武セゾン系の六本木ウェイヴに対抗してダイエーが出店したという説もある、渋谷のCSVで買った記憶がある。
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So-25th Anniversary Edition (Remastered)
888円
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WHEN I THINK OF YOU/JANET JACKSON
1986年の夏休みはわりと長い間、北海道に帰省していたのだが、その間、岡山県総社市出身で社交ダンスをやっていた友人にドミール相模台の部屋を貸していた。帰省から戻ってきた日、アイブックスで佐野元春が表紙の「ロッキング・オンJAPAN」創刊号を買ってドミール相模台に戻ると、部屋はかなり散らかっていた。とりあえず軽く掃除をして、FM横浜をつけながら横になってうたた寝をしていた。フェードイン気味に目が覚めるとこの曲のイントロが流れていて、静かめにはじまり、途中から超ポップになる展開に新しいはじまりを後押しされるような気分になった。大ヒットしたアルバム「コントロール」から、「恋するティーンエイジャー」「ナスティ」に続く3枚目のシングルとしてカットされ、初の全米NO.1に輝いた。邦題は「あなたを想うとき」である。
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Control
442円
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IT DIDN'T MATTER/THE STYLE COUCIL
ザ・スタイル・カウンシルの3作目のフル・アルバム「ザ・コスト・オブ・ラヴィング」は、よりソウル色の濃い音楽性となっていた。当時、ザ・スタイル・カウンシルの音楽はそこに含まれた強いメッセージ性とはそれほど関係なく、お洒落で耳ざわりの良いポップスとして、日本では消費されていたような印象がある。このアルバムは確か日本で先行発売され、先行シングルの「イット・ディドゥント・マター」は本人たちが出演するカセットテープのCMでも流れていた。軽薄なミーハーである私はもちろんザ・スタイル・カウンシルが大好きだったのだが、「スタカン」という略称はさすがに軽すぎるだろうと思い、使っていなかった。国内盤のCDを小田急相模原のオウム堂で買ったはずだが、ジャケットはオリジナルのオレンジ色のものとは異なり、バンドの写真が載ったものであった。
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ザ・コスト・オブ・ラヴィング
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WITH OR WITHOUT YOU/U2
1984年、旭川の高校の体育準備室で、後輩たちが「やっぱ洋楽はネーナしかねえな」「U2聴いてユーウツになるよりいいべ」などという頭が良いのか悪いのかよく分からないような会話をしていた。ネーナは「ロック・バルーンは99」をアメリカやイギリスでも大ヒットさせたドイツのバンドだが、U2はアメリカではまだそれほどヒットしていなかった。その年の秋にリリースされたアルバム「焔(ほのお)」からの先行シングル「プライド」は、やっと日本でも放送がはじまったMTVでもよく流れていたが、全米シングル・チャートでも初のトップ40入りを果たし、それでも最高33位であった。その後、バンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」や「ライヴ・エイド」でのパフォーマンスなどで強いインパクトを残し、1987年にリリースしたアルバム「ヨシュア・トゥリー」で一気に売れに売れた。シングルも「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」「終りなき旅」が連続で全米シングル・チャートで1位に輝いた。モノクロームでシリアスなイメージと、ブライアン・イーノのプロデュースによる空間を生かしたサウンドが印象的であった。
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THE JOSHUA TREE
825円
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SIGN O' THE TIMES/PRINCE
1987年ぐらいになると大学とアルバイトと遊びで忙しく、ヒット・チャートもそれほど熱心に追いかけなくなってきた。アルバイトをしていた小田急相模原駅前の純喫茶田園では営業中はクラシック音楽の有線放送を流していたのだが、閉店後の清掃の時間は洋楽ポップスのチャンネルに切り替えていた。「サイン・オブ・ザ・タイムズ」をはじめて聴いたのは、その時間であった。おそらくプリンスの新曲なのだろうが、それほど起伏のない単調な曲だなという印象を受けた。それからオウム堂で2枚組の分厚いケースに入った国内盤CDを買ったのだが、ドミール相模台の部屋で歌詞・対訳を読みながら聴いていて、ひじょうにバラエティーにとんだ素晴らしいアルバムだということが分かったし、1曲目の収録されたタイトル・トラックも当時の様々な社会問題を見出し的に取り上げたものであり、かなり度肝を抜かれたのであった。プリンスがまたしても、ステレオの中で革命を起こしていると感じた。
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SIGN ’O’ THE TIMES
718円
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LUKA/SUZANNE VEGA
都会的な知的な雰囲気を感じさせるシンガー・ソングライター、スザンヌ・ヴェガのことはデビュー・アルバムの時点ですでに大好きだったのだが、1987年にリリースされたアルバム「孤独(ひとり)」からシングル・カットされた「ルカ」は児童虐待というシリアスなトピックを扱った楽曲で、全米シングル・チャートで最高3位を記録した。レモンヘッズもこの曲をカヴァーしていた。このアルバムは夏休みが終わり、帰省から戻った後で池袋のオンステージヤマノで買った記憶がある。
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Solitude Standing
1,207円
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FAITH/GEORGE MICHAEL
ワム!解散後、ジョージ・マイケルは1987年の夏にソロ・シングル「アイ・ウォント・ユア・セックス」をヒットさせるが、秋には初のソロ・アルバム「フェイス」をリリースし、これが怒涛の大ヒットを記録する。ソウル・ミュージックの換骨奪胎だというような批判もあったような気がするが、軽薄なミーハーである私は素直にキャッチーでカッコいいと感じた。先行シングルの「フェイス」はアルバムから4曲生まれることになる全米NO.1ヒットの最初の1曲となった。
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FAITH
396円
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TAKE IT SO HARD/KEITH RICHARDS
ローリング・ストーンズは大好きだったのだが、1988年にリリースされたキース・リチャーズのはじめてのソロ・アルバム「トーク・イズ・チープ」もすぐに買って、よく聴いていた。日本の音楽雑誌でも軒並み高評価であったが、海外の音楽メディアによる名盤リストにはほとんど登場していないようである。この年の秋に開局したばかりのエフエム放送局、J-WAVEの「TOKIO HOT 100」でも上位にランクインしていた記憶がある。
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Talk Is Cheap
954円
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STAND/R.E.M.
アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドで、コマーシャル的にも成功していたREMがワーナー・ブラザーズ・レコードに移籍して最初のアルバムとなった「グリーン」からのシングル・カットである。この頃、深夜のテレビでミュージック・ビデオを流す番組がよく放送されていて、そこで観てすぐに気に入った。全米シングル・チャートでは、最高6位を記録している。
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Green
522円
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WHAT I AM/EDIE BRICKELL & NEW BOHEMIANS
この曲も深夜のテレビでミュージック・ビデオを観て気に入ったのだと思うが、気だるい感じのヴォーカルや雰囲気、キャッチーなメロディーがとても気に入り、渋谷の宇田川町にあった頃のタワーレコードで「星に輪ゴムを」という邦題がついたアルバムを買った。全米シングル・チャートでは、最高7位を記録している。先日、南大沢のはなまるうどんで温玉ぶっかけを食べていると、店内のスピーカーからこの曲が流れてきて、やはりとても好きだと思った。
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Shooting Rubberbands At The Stars
652円
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